4月23日、中日新聞は名鉄百貨店のビルを少なくとも2030年3月まで存続させる方針と報じました。関係者への取材で明らかになったとのことです。ビル存続に伴い、6月下旬に中央改札前の百貨店本店本館の地下1階で、和菓子店などが10店舗ほど入る土産物売り場を開業する予定も判明しました。
名鉄再開発については、現在のビル群を取り壊した跡地に一体的に超高層ビルを建設する予定でした。しかし昨年12月に資材高騰などから計画を断念すると発表。その後の行方が注目されていました。
当初予定では、2026年に解体に着手、その後新築工事に移行し、2033年に1期が完成する予定でした。その後残りの部分の建設を行い、最終的に2040年過ぎに完全にできあがるという計画でした。

引用中日新聞記事
順番に考察を書いていきたいと思います。まず今回の4年延期は悪手というのが私の感想です。これは誰でも思いつくことですが、資材高騰、人材確保は今後も激しさを増していくと思われ、4年経ったからましになっているとは到底思えません。最近では中東情勢がきな臭くなってきており、それも建設業界には逆風となっています。こういう不確実性のリスクが将来になればなるほど増えるのです。
そしてもう一つの理由が名鉄は百貨店をすでに閉めてしまっていることです。これがまだ営業中ならその営業期間を延ばすことで対応できますが、今の状況で再開発を延期するのは廃墟をそのまま放置することと同じです。もちろん一部の店舗は再開するようですが、床面積のうち大部分が閉鎖しており、やはり廃墟に近い状態と言えます。それを4年間、駅前に放置するということです。
延期の期間が長くなればなるほど建設費はかさみ、人材確保は困難になり、駅前に廃墟が鎮座する期間が長くなります。今やるべき道は、4線化も含めた既存の計画を生かしながら(下記の年初の考察記事のように)設計変更し、できるだけ早く(来年くらいには)解体工事に着手することだと私は思っています。今回の方針はそれとはまったく逆の方向で、はっきり言って経営判断ミスだと思います。
とはいえ名鉄にも考えはあるでしょう。私の予想はこうです。おそらく、今の計画が変更され、その検討に要する期間が4年ということです。そしてここで言う変更とは、鉄道を4線化するかどうかやビルの構成に至るまでほとんど仕切り直しに近いくらいの変更を意味します。そうでなければ4年も必要ないです。
名鉄社長はいつかのインタビューで、施工難易度を下げるのがカギだと言っていました。当然鉄道を4線化することが今回工事の最大の難所となるわけですが、これを中止するのもありえなくはない話です。そうすればいくらかは難易度が下がり、ゼネコンも辞退しなくなるかもしれません。(それでも鉄道を動かしながらなので難工事には変わりないですが)
この場合4線化前提で柱の位置などが考えられている今の計画は破棄され、一から計画を練り直すことになります。構造計算も動線計画も設備計画もすべて変わってくるのです。それであれば4年くらい必要になるのは納得できます。
しかし名鉄は4線化が悲願なので、やはり4線化は実施の方向で考えているのでしょうか。それは名鉄内部でしか分かりません。それか折衷案として北行きはそのままで南行きホームだけ2線化するのもあるかと思います。南側はサンロードとの間にスペースがあるのと、中部国際空港へのホームが望まれているためです。

ただし油断はできません。報道では「少なくとも」2030年3月までという書き方になっています。つまりさらに延期する可能性が大いにあるということです。それは物価の高騰具合や社会情勢を見ながら判断するのでしょう。上にも書きましたがよほどの変革でも起きない限り2030年で今より物価が下がっていることはあり得ないと思います。なので結局2030年には着工できず、再び延期と言うパターンも全然ありえます。
近鉄や日本生命保険はもううんざりしているかもしれません。逆に三井不動産はすんでのところで泥船から飛び降りることができました。
おそらく次が本当にラストチャンスだと思います。リニアの開業がおぼろげながら見え始めており、2030年代後半くらいになるでしょう。2030年に解体着手すればギリギリそこに間に合います。それを逃したらもう無理です。
なお、ささしま方面の地下道の計画も凍結になると思っています。名古屋市が主体で進める計画ですが、名鉄再開発と連動しているので、その名鉄が頓挫となればそれと物価上昇を理由にしてあっさり見直しになると思います。
また、飛翔撤去後の駅前再整備も延期の可能性があります。こちらも名古屋市が主体であり、名鉄再開発と時期を合わせている上、南側は名鉄との調整が必要なので、足並みがそろわないことと物価上昇をなどを理由に延期になる可能性は考えられます。
さらに、名鉄岐阜の再開発は既に延期になっていますが、本丸の名駅が頓挫している中で岐阜の再開発が進むとは思えないので、暫定施設は向こう15年は固定、何かあるとしたら2040年以降と思った方がいいです。
いずれにしても名鉄再開発は名古屋の玄関口となる場所であり、再開発に踏み切れずそこに廃墟を残置するという選択をした名鉄の判断は誤りだったと思います。名古屋の将来がかかっていることを本当に考えているのか疑問が残ります。
週明けには名古屋市や愛知県、他民間事業者との会合の第一回が行われる予定です。そこで何が話し合われるのか。言うまでもなく名鉄再開発は今後の名古屋の重要なカギを握っています。遅きに失した感がありますが今後の動きに注目です。
コメント
いままで名古屋市民として再開発追ってきましたが、もう名鉄に再開発する気も覚悟もないというのが、今回ではっきり伝わりましたのでどうでもいいです
駅前に廃墟ってどう落とし前つける気でしょうか
名古屋は名鉄のせいで東京に吸い取られておしまいになりましたとさ( ´艸`)
やる気ないなら他所に売ればいいのにwww
まず第一に、愛知県や名古屋市の支援というのはやはり難しかったのかということですね
今後少子化で鉄道事業が収益化できない→それをカバーするために→無理めの不動産開発なのだから、鉄道事業を支援されるのは本末転倒です
次に、仮設に余計な金を使いたくないということなんでしょうね
悪手という意見はわからないでもないですけど、この4年間で絶対に結果を残すというのなら良いと思います。ただし、できなければ倒産廃業も覚悟すべきです。
最初ニュースを聞いたから思ってましたが、もう名鉄は鉄道他社に吸収合併されるしかないです。広場化や規模縮小や公的支援では難しいです。考えれば考えるほどこの再開発はまさに文字通り社運が懸ってるので、弥縫策でマイルドに着地することは無理です。
出来ないのなら企業としては終了し、地方ローカル鉄道のように事実上自治体の税金で維持されるしかないです
もう完全に詰んだね
名古屋に200m超えの超高層ビルが建つのはランドマーク栄が最後だろう
名古屋の街は変わらない