東京再開発の最前線を行く 渋谷編

現在、東京はさらなる国際競争力の強化に向けて、怒涛の再開発ラッシュが進められています。今回取り上げるのは渋谷。言わずと知れた若者の街です。

スクランブル交差点は大勢の人であふれ、街道には路面店や文化施設がひしめく。渋谷は常に時代の最先端を走り続けてきた流行発信基地です。

それゆえオフィス街としての性格はあまりなく、超高層ビルは少なめでした。また渋谷駅自体は新しい鉄道が乗り入れるたびに拡張してきたため、動線が複雑で乗り換えも不便であるという問題があります。

しかしそんな渋谷が今進化を遂げようとしています。駅周辺では複数の超高層ビルの建設が進み、乗り換えの煩雑さを解消するための工事も始まっています。

その渋谷大改造の先陣を切ってオープンしたのが渋谷ヒカリエ(34階・182.5m)です。東急文化会館の跡地に完成したこのビルは、商業施設やオフィス、劇場などが垂直に結ばれる従来の渋谷にはなかったタイプの施設です。そのインパクトは大きく、現在でも多くの人が行き交う渋谷の人気スポットになっています。

渋谷ストリーム(32階・179.95m)です。最高部に到達しています。低層部に商業施設、中層部にホテル、高層部にオフィスと言う構成です。オフィスには、若者の街である渋谷の特長を活かして、IT系企業やクリエイティブなコンテンツ産業の入居が想定されています。

こちらは渋谷スクランブルスクエア(46階・229.706m)です。渋谷駅のほぼ真上に建設されます。高さ的に周囲に比べて頭ひとつ抜けているので、このビルが渋谷の新ランドマークになりそうです。

低層部は周辺と一体で開発され、駅施設が大改造されます。ビル内には「アーバンコア」と呼ばれる垂直移動のできる空間が出現し、乗り換えが圧倒的にスムーズになる予定です。

屋上にはオープンエア型の展望エリアが設けられる予定です。これは行ってみたくなりますね。

こちらは道玄坂一丁目駅前地区第一種市街地再開発事業(19階・103.31m)です。商業施設やオフィスなどから構成されます。

引用東急電鉄プレスリリース(PDFファイル)

他にも桜丘口地区再開発が今後着工する予定です。これら全ての計画が完成するとこの鳥瞰図のようになります。

すでにハチ公前から見る渋谷の景色は変わり始めています。建設中の渋谷スクランブルスクエア、その向こうには渋谷ストリーム。超高層ビルが林立する立体的な景観が形成されてきました。

渋谷は東急が作り出したある種の文化です。大手私鉄はそれぞれのターミナル駅を拠点として再開発を進めていますが、渋谷ほど文化を発信している場所は他に思い当たりません。もちろんそれが東京だからメディアでも取り上げられやすいといった側面はありますが、西武の池袋や京成の上野などと比べれば「東急の渋谷」は街自体がひとつの文化として成り立っているといえます。

今回紹介してきた建設中の超高層ビルはすべて東急系です。この立体都市の出現で「東急の渋谷」はさらに新しい文化を創っていくことになるのでしょうか、注目です。

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コメント

  1. 匿名 より:

    渋谷はヒカリエ以降あまり話題性はありませんでした。今回は宮益側の再開発が活発でかなり東京オリンピックを意識した再開発となっています。その陰に隠れてマークシティ奥の東急プラザの建て替えも行われています。今までヒルズにオフィスを構えていたサイバーエージェント等のIT企業がビル丸ごと賃貸し、今まで若者の街と言われたエリアをITとミドル層のエリアにシフトしていきそうな勢いです。一時期、09辺りに風俗系の店が数多く出来、歌舞伎町の雰囲気を醸し出していましたが少しづつハイミドルな街に変貌しつつあります。後は道玄坂方面と文化村通リを同様にすべきだと強く思います。週末明けの両通り沿いは東京とは思えないゴミとカラスで夏場は悪臭がします。、