6月11日、栄広場跡地にできた超高層ビル「ザ・ランドマーク名古屋栄」が開業しました。41階・211.7mと栄地区で最も高いビルであり、商業、オフィス、ホテル、映画館といった都心に必要な機能を網羅した文字通り栄のランドマークです。地下2階から4階が商業施設「HAERA」で、5階から9階が映画館、12階より上はオフィスとなります。残りはホテルで、開業は7月末の予定です。
今回は第1弾としてHAERAを徹底紹介していきます。HAERAは大松松坂屋が手掛けた新しい商業施設で、映える・栄える・ERA(時代)などの言葉を掛け合わせた高感度なショッピングゾーンとなっています。

6月14日までは混雑が予想されるため、入場予約制で運用されました。特に土日の予約枠はかなり人気で、ほとんどの時間帯で枠がすべて埋まっていたようです。予約枠は30分ごとに設定されているため、それぞれの時間で予約した客がこのように行列を成していました。
低層部のファサードはこのLOUIS VUITTONのように、高級感のある店舗が多いです。他にはHERMES、Cartier、CHANELがあり、ミッドランドスクエアの低層部に近い感じですね。
なおLOUIS VUITTONは一つ北側の街区、教育館がある一角に路面店を出していましたが、こちらに出店するにあたって6月初旬に閉鎖しました。これで教育館跡地の再開発が一歩前進するでしょうか。

内部の様子です。1階は非常に通路が広く、高級感のある内装となっています。敷地自体がL字でそこまで大きくないので、規模はそこそこですが、あまり大きすぎてもオーバーストアになってしまうので、ちょうどいいボリュームだと思っています。
メインエントランスは南西側です。南東側はサブエントランスという感じです。北側からも入れますが、こちらはオフィスやコンラッドなどの関係者の出入口という感じです。

2階の様子です。こちらはアークテリクスやデサントといったアウトドア系の店舗が出店。それ以外のスペースは1階の高級店舗群がメゾネットで2階も使っている形となります。CHANELに入りましたが、内部の吹き抜けがかなり大きく、贅沢な空間の使い方でした。
なお2階の一角には松坂屋外商コンシェルジュデスクも設置されています。やはりお膝元の名古屋の商業施設で専用の場所を設置するのはやはり気合が入っていると思います。

3階の様子です。天井はやや低くなりますが、高級感ある仕上げ材やスポット照明により、ハイクラスな雰囲気が感じられます。
衣服以外にもシューズやコスメ、サングラスなどの雑貨店が多く入っています。なおこのフロアも一部LOUIS VUITTONやHERMESやCHANELが占有しています。Cartierは1階2階のみです。

HAERAはアートをテーマの一つに据えています。そのため館内にはざまざまなアート作品がちりばめられていたり、柱にデザイン性の優れた装飾を付加したりして、雰囲気を出しています。中でも3階の一角にはアートギャラリーが設けられており、左のように絵を展示してあるスペースがありました。
モード系で名をはせるセレクトショップ「MIDWEST」も出店。1976年に名古屋で創業し、成長してきました。創業50周年の記念すべき年に、栄の真ん中に新店舗を出すことができました。

4階の様子です。レストランフロアとなっています。寿司、肉、鰻など、さまざまなグルメが集結しています。ここは屋上庭園があるため店舗部分の面積は意外と狭いです。
サインがおしゃれです。そのあたりもワンランク上の商業施設という感じがします。こういうピクトグラムがおしゃれな感じとわかりやすさを両立させるのが難しいため、デザイナーの腕の見せ所です。

4階からは屋上庭園に出ることができます。南から東側にかけて風に吹かれながらテレビ塔や久屋大通公園など、名古屋の街並みを一望することができます。
向かいには中日ビルの屋上庭園も見えます。栄に素敵なくつろぎスポットが増えていくのが振れしいです。高さはこちらの方がだいぶ低いですね。
さらに階段を上ると5階につながり、TOHOシネマズ名古屋栄に入ることができます。

次は地下です。まずは地下1階、雰囲気はデパ地下に近いです。地上の各フロアに比べればだいぶ入りやすい店舗が多いかと思います。
天井は割と低めですが、これは地下1階で地下鉄通路に、地下2階でクリスタル広場に接続する設計のため、階高を合わせているためと思われます。北側からは東山線、東側からは名城線の改札付近に出ることができます。

エスカレーター周りの様子です。こちらの東側エスカレーターは地下2階から4階までつながっており、下から見上げると光の縦の筋がはるか上までつながっていて壮観です。
後述しますがエレベーターホールも光る縦の筋がたくさん入っています。細い光の筋を入れるのが内装コンセプトのひとつなのかもしれません。個人的には今までの名古屋にあまりなかったギラギラ感というかサイバー感があって好きです。
右はHERMESです。こことLOUIS VUITTONはなんと地下1階から3階まで4層にわたって店舗があることになります。

地下2階です。レストラン系が多くなっています。価格帯も上のフロアよりはお手頃です。クリスタル広場から気軽に入れるので、ふらっと入ってみるのもおすすめです。
こちらはスターバックスリザーブカフェです。各地の希少なコーヒー豆やハンドドリップやクローバーといった特別な抽出方法に出会える場所で、プレミアムな空間設計がコンセプトのいわば通常スタバの上位版です。これまでスカイツリー、新宿、心斎橋、梅田にしかありませんでしたが、5店舗目がここHAERAにオープンしました。

さすがに開店したばかりとあって祝いの花がたくさん並んでいました。それぞれの店舗も大行列。オープン特需でどこも活気がありました。
床がこのフロアだけタイルなのが少し気になりました。適切なメンテナンスや清掃をしないと鶴舞線みたいになるので、高感度な商業施設らしくきれいな状態が維持されるといいなと思いました。

エレベーターホールです。面積がそれほど広くないので商業施設のエレベーターはここの1か所だけです。ただしCHANELなどは店内に独立してエレベーターがあります。またオフィスは12階がスカイロビーなのでこことは別にシャトルエレベーターがあります。ホテルはそれとも別に直通のエレベーターが用意されています。
こちらも光の筋がすごいですね。床にも反射してサイバー感があふれています。後日紹介しますがオフィスのエレベーターも内部に縦の細い照明が埋め込まれています。やはりそれがデザインコンセプトのひとつなのでしょう。

館内のアートです。ベンチとしても使えますが、これまたおしゃれです。こういうのがそこかしこにあり、人々の感性を呼び覚ましていきます。
全体的に中日ビルと比較すると、サイバー感やアートによる芸術的センス高めとなっています。店舗構成も高級店が多いです。ふらっと気軽に入りやすい店が多いのは中日ビルですが、栄の繁華街としての格を引き上げるのはこちらです。この記事を書いているときに中日ビルのレポートを思い出していました。比較してみるのも面白いかもしれません。

休憩所の様子です。トイレとの並びでこんな空間があります。丸太がベンチのようになっており、そこに座って休めます。下には間接照明が埋め込まれており、まるでアートというか美術館のようです。
これまでの名古屋にはこういう空間はあまりなかったように思います。効率性ばかりではなく、遊び心や芸術的な感性に訴えるこういう空間をつくるには都市としてのゆとり、受容性が要ります。名古屋もそういう都市になってきたということです。
なお近くには祈禱室もあります。多様性への配慮が進んでいます。

最後は完成したザ・ランドマーク名古屋栄の様子です。栄広場の再開発計画浮上が2018年だったと記憶しています。2020年3月には200m級のビルになることが判明し、大きな期待がかかりましたが、すぐにコロナ禍に突入してどうなることやらと思いました。しかし2021年9月だったか、当初計画より規模拡大することが判明し、翌年現在の規模で着工しました。
そして最近は建設費の高騰で再開発が進まないのが社会問題化していますが、ここはぎりぎりのタイミングであと完成にこぎつけることができました。建設業は本当に逆風ばかりで、あと数年遅かったら今の姿はないかもしれません。そういう意味で栄の一等地で再開発が成功したのは本当に良かったです。
最後に文字通り名古屋、栄の新しいランドマークができたことを誇りに思います。開業本当におめでとうございます。末永く愛されることを祈りつつ、記事を終えたいと思います。