飯田線秘境駅巡りの旅 為栗駅編

最近またコメント欄が荒れ気味になることがありますね。それだけ現状の名古屋のまちづくりに不満を持つ人が多いことの裏返しとも言えますが・・・読者の方から提案していただいた情報提供のための掲示板は現在準備中です。このことは私も薄々思っていました。来週末頃に公開予定したいです。

さて、気分を変えて今回は久しぶりの旅行記シリーズです。飯田線の秘境駅を巡ってきたのでその様子をお伝えします。

飯田線は豊橋市と辰野を結ぶ全長200km弱の路線です。戦前ダム建設の資材輸送路線として建設されたという経緯を持っており、ローカル閑散区間が中心ながらも駅間が比較的短いという特徴があります。山の間を縫って走る飯田線は秘境駅の宝庫とされ、全国的に有名なようです。今回訪問したのは小和田駅と為栗駅です。

今まで日帰り青春18きっぷの旅は金沢と姫路をお伝えしていて、それに比べると今回は直線距離では短くなります。が、先述のように飯田線は超ローカル線で単線区間が殆どのため、目的地に到達するのにかかる時間はそれほど変わりません。

旅の始まりはいつもどおり名古屋駅です。友人と待ち合わせ、ここから豊橋まで向かいます。

豊橋で乗り換えます。今回はJR東海エリアから出ないので313系ばかり。切符も青春18きっぷでなく青空フリーパスを使用しています。

ここからが長いです。最初の目的地、為栗駅までは豊橋駅から直線距離で50kmくらいですが、電車で2時間半ほどかかります。しかし単線区間を山を縫ってゆっくり走るのが飯田線のいいところです。山の奥に行くほど駅の周辺の人家が少なくなり、だんだんと車窓から人工物が減っていきます。

ところどころ大きな駅(といっても1日利用客100人以下ですが)に着くと、周りに集落があるのが見えました。ときどき見える人工物に安心すると同時に、飯田線が人々の生活を結ぶ鉄路であることを実感できました。

やがて視界には空の青と山の緑しか入らなくなりました。見渡す限りに広がる自然は、秘境駅へ向かう非日常感を盛り上げてくれます。

そしてついに到着しました。最初の目的地、為栗駅です。1面1線の秘境駅です。

かなりの難読駅名だと思います。ここはぎりぎり長野県に入るようです。

こちらが為栗駅の駅前です。生い茂る森の中を天竜川がゆったりと流れています。観光地化されていない名もなき秘境。この圧倒的な静寂感と大自然を体験できただけでもここに来た甲斐があったと思いました。

ここでの滞在時間は2時間以上あります。こんな何もないところに?と思うかもしれませんが、次の電車がその時間なので仕方ありません。この不便さもローカル線の醍醐味のひとつです。

とりあえずあたりを探索します。向こうにつり橋がかかっているので渡ってみることにしました。

すると友人が「怖くて渡れない」と言います。確かによく揺れてスリルはありますが、渡れないほど怖いものではないと思います。ちなみに友人はジェットコースターは平気とのこと。私はまるっきり逆です。どう考えてもジェットコースターのほうが怖いと思いますが・・・

ただし為栗駅周辺はこの吊り橋を渡らないと何もありません。2時間以上駅にいるわけにも行かないので、吊り橋を渡り(なんとか友人も渡り)対岸を散策しました。

ここは「信濃恋し」という場所だそうです。下流の平岡ダムができるまでは急流区間として有名で、乱流によって川を下る船の向きが上流向きに変わることもあったといいます。その様子があたかも船が「信濃の国が恋しい」と訴えるかように見えたため、そう呼ばれています。

さらに歩くと清流が見えてきました。和知野川というそうです。天竜川の支流のひとつですが、天竜川より綺麗ですね。このあたりはキャンプ場として整備されているようです。

そろそろ駅に戻ります。駅に行くにはまた吊り橋を渡る必要があります。

再び怖がる友人をよそに私は写真を取ります。橋の上からははるか向こうに飯田線の鉄橋が見えました。絵になる風景です。

戻ってきました。全国秘境駅ランキングなるものがあるようですが、為栗駅は20位くらいにランクインしています。なかなかの秘境でした。

次はもうひとつの目的地、小和田駅へと向かいます。こちらはなんと全国2位(ちなみに1位は北海道の小幌駅)だそうです。どんな世界が待ち受けているのでしょうか。

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