名駅5丁目 花車ビル周辺の再開発計画が始動?

名駅5丁目で大規模な再開発計画が持ち上がっています。エリアとしてはおおむね江川線の東側、桜通より南側、錦通より北側、堀川より西側です。ここには花車ビルやその他雑居ビル、民家などが建っていて、都心の中では低度利用されている土地が多いです。

当該エリアでは「名駅東花車・船入地区まちづくりの会」が発足しており、これまで将来の開発構想をまとめてきました。そして最も新しい版では超高層ビル3棟からなる大型開発を構想。ツイッターなどでも話題になりました。この記事ではその実現可能性や構想について見ていきます。

花車ビルは北館、中館、南館の3棟から構成されている細長いビルです。完成は1960年代で、当時は最新鋭の大型ビルでしたが、現在は築60年以上となっており、老朽化が課題です。

低層部には飲食店や居酒屋が入っており、夜を中心にそれなりに賑わっている印象です。

花車ビルの東側は戦後の区画整理が行われないまま、現在も細い道が残っているエリアが多いです。そこに雑居ビルや駐車場、民家などが虫食い状に点在しているような状況です。東側から見ると花車ビルの3棟が壁のように立ちはだかっているのがよく見えます。

これらを一体的に再開発する構想です。その模型が花車ビルの北館と南館に置いてあるので見てきました。誰でも入ることができます。

こちらがその模型です。詳細は後で触れますが、超高層オフィス+ホテル1棟と、タワーマンション2棟が計画されています。横にはパンフレットが置いてあります。持ち帰り可です。

ちなみにこれは南館で、テナントはフル稼働であることがわかります。当たり前ですがまだ構想段階なので退出の動きなどはありません。そしてこのテナントの多さは後でも触れますが区分所有の再開発の難しさを実感するところでもあります。

ビルの感じでなんとなくかなり古そうなのがわかると思います。ひとむかしを越えてふたむかしくらい前の時代の建物です。

地区の中にはこのように山車の蔵や寺社などもあり、地域の祭りで使用されています。このような残っている施設とどのように調和させていくかも課題となるでしょう。

しかしこういうものがあると開発ができないわけではありません。むしろ山車や寺社といった伝統的なものと最新の超高層ビルは対比になり、より面白いまちづくりにつながると思います。

それではここからは明らかになっている構想について見ていきましょう。パースとともに紹介していきます。

引用名駅五丁目みらい構想Ver.2 パンフレット(PDFファイル)

付近の建物をほぼすべて取り壊して、超高層ビル3棟を建設する計画となっています。北側のはオフィス+ホテルの37階建て、南側の2棟は47階建てタワーマンションです。低層部は緑あふれる空間となっています。これができれば相当なインパクトですね!

配置計画です。左が北です。まちづくりの会では、エリアの西半分、つまり江川線沿いを用地の集約化と高度利用を推進、超高層ビルを建てる計画です。そして東半分は今ある寺社などを活かし、高層化は抑制するようなゾーニングです。

西半分はかなり道路が狭いエリアもあるため、防災上も課題を抱えています。過去の資料を見るとこれらを拡幅、整備するのはまちづくりの会の協議会でもおおむね賛同を得られていると考えられます。

問題はその先で、道路拡幅と整備をした後、どのような建物を建てるかです。地権者が合意しないと今出ているような構想のビルは建てられないでしょう。ただ、こんなパースが出てくるということはある程度の合意はできているのは、とも思います。少なくとも反対多数ではこんな構想になるとは思えず、高度利用に前向きな地権者が多いのではないかと推察します。

今回の計画は助言、アイデアが森ビルとなっています。とても納得です。土地を集約し業務棟1棟+住宅棟2棟というのは六本木ヒルズや麻布台ヒルズでも見られる鉄板パターンだからです。

そして次の課題は事業を共に進めるデベロッパーです。この規模を大手デベなしで進めることはまず無理だと思います。このまま森ビルに入ってもらうのか、あるいは三井か三菱なのか、いずれにしても賛同してタッグを組める有力デベを正式にパートナーに組み入れる必要があります。

次に名古屋市との調整が必要となります。市は今回構想が上がっている名駅5丁目付近を都心エリアで唯一容積率緩和ゾーンから除外しており、最高でも400%の指定を受けています。なので今のままではこの構想は不可能で、行政と調整する必要があります。一方過去の記録を見ると道路の再整備や都市への貢献メニューを示すことによる容積率の緩和も示唆されています。

個人的にはこの面積で3棟建てるのはちょっと低層部が狭苦しいかなという気がしないでもないです。先ほど述べた森ビルの再開発に比べると敷地が狭いです。いっそのことタワマンは1棟にして、その分オフィス+ホテル棟を150m級ではなく200m級にアップするのも手かと思います。

低層部は商業だけでなく、医療施設や高齢者福祉、保育施設、SOHO、路面店舗、小劇場など、いろいろな世代が利用できる多様な機能の導入が想定されています。

パースには山車蔵がありますね。あえて広場の真ん中で魅せることにより、地域の伝統の継承や、寺社との連携によるイベントも開催しやすくなり、居住者も来場者も魅力ある街をつくっていきます。

このような魅力ある計画ですが、最後に課題をまとめると、①地権者の合意をしっかり得られるか、②賛同できる大手デベを連れてこれるか、③行政が理解を示してくれるか、の3点が大きな問題としてあると考えられます。そして着工段階へ行っても、④建設費の高騰に耐えられるか、という問題もあり、①~③をクリアしても④で頓挫するパターンもあり得ます。これらを踏まえると、実現へのハードルはかなり高いを考えられます。

しかし夢のある計画であることは間違いありません。課題を乗り越えて、ぜひ実現してほしいですね。

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