歴史と最先端技術の融合 名駅再整備イメージ公開

3月25日、名古屋駅前の広場の再整備計画が明らかになりました。東西ともに歩行者空間を大幅に拡大し、人が主役の新しい広場が整備される方針です。

全体のコンセプトは歴史と最先端技術の融合で、武将のホログラムなどを用いたイベントも計画されているようです。詳しく見ていきましょう。

まずは東口。こちらは飛翔が撤去され、広場空間が大幅に拡大します。飛翔の行き先についてはささしまライブは想定されています。詳しくは以下の記事をご覧ください。

モニュメント飛翔の移設先はささしま高架下？

skysclinear.com

2020-03-18 17:24

引用名古屋市 名古屋駅まちづくりの現在の状況（PDFファイル、以下の資料も同様）

配置としては図のように一般車とタクシーが分けられ、中央に歩行者空間が広がります。また既報の通り3か所のターミナルスクエアが設けられます。

そして交差点が3差路化します。モニュメントとしてはいいものの貴重な駅前空間を占有していた飛翔を移動させ、車中心から人中心のレイアウトになるのはとても評価できます。

ただしこの提案だと一般車のロータリーに北側からアクセスできません。あと構想中のSRTの発着場も不明です。もう一段階提案をブラッシュアップする必要があるでしょう。

パースも出ています。名古屋ビルと大名古屋ビルの間に横断歩道が設けられるのがいいですね。現状地上レベルであそこを渡ることはできず、ユニモールを通らなくてはなりません。

こういった近いのに上下移動をしないとたどり着けない箇所を解消することは回遊性の向上につながります。まあ3差路化するのですからここはそのままスクランブルにしてもよさそうです。

東口のテーマは「名古屋オリジン・独自性」です。高層ビルやホログラムといった最先端技術と、武将や山車といった歴史を感じさせるものを融合させ、名古屋のアイデンティティを作り出します。

他にも有松絞りのファッションショーのパースもありました。ものづくりや歴史といった名古屋の強みを感じることのできるイベントを、高層ビルの谷間でやるというのはなかなか面白そうです。

私の意見としては、イベントのあるときだけ人が集まる広場ではなく、平時の何もないときでもつい長居したくなるような、洗練されたデザイン空間づくりもしてほしいです。

西口のテーマは「リニアフロンティア・多様性」です。こちらも広場空間を大幅拡大。主役が車から人へ移り変わります。夜は地面にプロジェクションマッピングを施す案もあるようです。

ただし整備時期はリニア開業後となっています。昨年一部報道がありましたが、2027年には間に合わないようです。（そもそもリニア自体が間に合わない可能性も出てきていますが・・・）

そのため東口のような図面はありません。まあ急いで作って中途半端になるよりじっくり時間をかけてでもしっかりしたものを作ってほしいと思っているので、このまま頑張ってほしいです。

若者、国際性、多様性などがキーワードで、コスプレイベントの開催も想定されています。ささしまへのアニメロード構想もあり、西口は街全体としてサブカル系を推していくようです。

気になるのはエスカの入り口が箱のまま残っていることです。せっかく開放的な広場空間を作るのですから、移動させるのは難しいとしても、屋根をガラスの開放的なものにするなどしてほしいですね。

また、西口といえば南北2棟の高層ビル計画ですが、こちらは特に新しい情報はありませんでした。気長に待つことにしましょう。

栄広場が発表され、栄の本格的な逆襲が始まりますが、名駅も負けてはいられません。とくに駅前広場は、名古屋に降り立った人が最初に目にする場所のため、しっかりした整備をすることが重要です。

完成は東口が2027年、西口が2027年以降の予定です。リニア時代にふさわしい新たな広場空間の創造が楽しみですね。