フェリーで行く九州 歴史薫る関門海峡編

今回は久しぶりに旅行記といきたいと思います。お盆の11連休を利用して九州方面に行ってきました。往復のフェリーや観光地が思いの外よかったので記事化します。

関西に住んでいるのを生かして今年は西日本強化年間と私は勝手に位置づけています。九州や中国四国を中心に、西方面の観光をたくさんするつもりです。

そして関西から九州に行こうとするとフェリーという選択肢が浮上します。特に港町神戸からは門司や大分といった九州方面の航路が充実しています。

今回乗ったのは阪九フェリー。ちなみに九州方面へは他にさんふらわあや名門大洋フェリーなどがあります。

大きいですね。船の長さは200m弱あります。縦に立てるとJPタワー名古屋に匹敵します。

搭乗手続きを済ませて船内へ。写真は甲板の様子です。瀬戸内航路のフェリーは基本夕方に出て翌朝目的地に着きます。移動と宿泊を兼ねることができるのがフェリーの強みです。

値段も決して高くありません。私の泊まった部屋は1万円程度。新幹線飛行機+ホテル代を考えればフェリーの優位性が分かります。

ファンネルの様子です。出港時には汽笛を上げ、乗船者は陸の人に向かって手を降るのがお決まりです。これから旅へ行くという高揚感が高まります。

船内はいろいろな設備が充実しています。こちらは中央にある3層の吹き抜け。他にも土産ショップ、大浴場、ゲームコーナー、レストランなど、まさに動くホテルです。ちなみにかつて乗った太平洋フェリーには映画館やバーもありました。

瀬戸内航路は明石海峡大橋や瀬戸大橋をくぐったり、小豆島の横を通過したりなど見どころたくさん。充実した設備とあわせて船内12時間の旅は飽きることなく、あっという間に過ぎてしまいます。

門司に到着しました。ここから連絡バスに乗って門司港レトロ地区へ。観光を開始します。

こちらは門司港駅の駅舎です。開業は今から100年ほど前。左右対称で、どことなく洋風な雰囲気です。ネオルネサンス形式と呼ばれています。鉄道駅舎としては初めて重要文化財に登録されました。

門司港レトロで知られるこの地域には古い建築がたくさんあります。これらの建築は門司が当時大きく繁栄していたことを物語ります。明治から昭和初期にかけては門司は横浜や神戸と並ぶ港でした。

昨年お伝えした小樽もそうですが、やっぱり私は建築に惹かれますね。もっと言えばかつて繁栄していた名残としてレトロな建物が残っていて、その歴史を辿ったり往時の賑わいを想像したりするのが好きです。

そんな中ポツンと超高層も建っています。門司港レトロハイマート(31階・126.95m)というタワマンで黒川紀章の設計です。なんとなく住友不動産のシティタワーシリーズっぽいなと思いました。

この建物ができるときは景観論争があったそうです。当初は15階程度のマンションができる予定でしたが、景色が隠れてしまうのが問題視されました。そこで最終的に、幅を狭くして景色が見えるようにし、その代わり高さを倍にするという珍しい手法がとられ、今に至ります。

関門海峡大橋です。美しい吊り橋は絵になります。ここは自動車のみで鉄道は関門トンネルという少し離れた場所を通ります。なお橋やトンネルの完成で便数は減ったものの関門フェリーも現役。今なお1日40〜50便あるそうです。

そしてこの海峡は徒歩でも渡ることができます。日本の主要な海峡ではここだけでしょう。通行料は無料です。

エレベーターで地下に下ると通路が見えてきます。全長1km弱のこの通路、人通りはそこそこ。物珍しさの観光客と地元民が半々くらいの印象でした。

本州と九州の境目です。ここで記念撮影をする人が多くいました。ちなみに海の下を通るこの道路、実は1958年の開業です。なんと鉄道トンネルの方は戦前に開通しています。海底トンネルという技術が要りそうな土木構造物がそんな昔にできているということに少し感動しました。

下関側には壇ノ浦砲台跡があります。長州藩が攘夷戦争に備えて築いた砲台のレプリカです。またその横には源義経と平知盛の銅像があります。源平合戦の最終決戦として有名な壇ノ浦の戦いのものです。

門司と下関、歴史の薫り漂うこの街は歩いてもなかなか楽しいものでした。

少し歩くと唐戸市場があります。地元でとれた新鮮な海産物が集まる市場です。私はここでふぐ料理を食べました。あんまり贅沢はできないのですが、やはり非日常を味わいに旅行に来ているのですから、たまにはいいものが食べたいです。

とにかく活気があったのが印象的でした。まあ市場というものはどこも活気があるのが普通ですが、ここは市場で働く人とお客の距離感が近いというかとにかく会話が盛んでした。

そして人の量もすごかったです。そもそもこういった市場は業者向けといったイメージなので老若男女のお客が普通に買い物をするというのは珍しいことだと思います。

ここから在来線で小倉へ行きます。関門トンネル区間にはセクションの切替区間があるので車内の電気が一瞬落ちます。知らない方は驚くでしょうね。

小倉駅の様子です。ここはモノレールが駅ビルに突っ込むという特異的な形状をしています。

私は小学生のころ北九州の人口は100万強と覚えました。しかし今となっては90万人台に低迷しており衰退している感が否めません。ただし駅前はそこそこ活気がありました。

小倉城です。毛利氏によって築かれました。過去に焼失しており、現在の天守閣は戦後再建されたものです。なかなか立派でした。

私が気になったのはすぐ横の敷地に巨大な複合施設があることです。しかもかなりの大きさ。そして奥にはタワーマンションも。景観規制とかはないんですかね。あんまり規制するのもどうかと思いますが、さすがに巨大施設が近すぎて城のインパクトが負けているというか、果たしていいものかと思いました。

さてここからは九州の南の方に向かいます。福岡佐賀長崎方面ははるか前の旅行記でお伝えしましたが熊本以南は未訪問。どんな景色が待っているのでしょうか。

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