駅西再整備プロポーザル 設計チームを選定!

9月24日、名古屋市はリニア中央新幹線の開業時における駅西広場のプロポーザル結果を発表しました。そして審査の結果、最優秀設計チームとして米澤隆建築設計事務所を選択、同提案者のアイデアが公表となりました。今回はその提案とリニアに関する駅前再整備について見ていきます。

プロポーザルは、リニア中央新幹線の玄関口にふさわしい開放性の高い広場を含む空間のデザイン計画を作成するとともに、基本設計を実施するための設計チームを選定するものです。6月から公告され、順次手続きが進んでいました。

スケジュールを整理しておきます。南北に高層ビルを建設する構想がありますが、それは早くても2028年以降の話です。今回はそれまでの暫定整備としてのビジョンです。着工は2023年の予定です。なお今回の案がそのまま建設されるわけではありません。最終的な計画案は関係者との会議等をふまえて決定する予定です。

引用名古屋駅西側エリア(リニア開業時の姿)デザイン検討業務委託に係る公募型プロポーザルの審査結果について(以下の資料も同様)

それでは案を見ていきましょう。今回最優秀に選ばれたのはこちら。テーマは「「つくる」と「うまれる」のあいだ」です。

大きな特徴は屋根と樹木です。これらの組み合わせにより、全体的にやわらかな印象を与え、東西の軸に沿って歩く大勢の人々を迎え入れるとともに、南北の街へとつなげていく計画です。

屋根は提案内では「クラウド」と呼ばれています。雲のような形の屋根を状況に合わせて(例えば駅から濡れない場所や憩いための場所など)配置します。大規模な屋根をかけるのではなく、小規模ビルが多い駅西の表情に合わせて細かく分節された雲を連続される形です。これにより空への眺望も確保します。

このユニットは施工が容易な工法とし、工期短縮や次期計画での転用が可能としています。暫定らしく簡易なものになるでしょう。その分可変性も大きくレイアウトも自由度が大きくなります。

次にグリッドに沿って樹木を配置します。緑陰下で涼しく移動または滞留が可能な空間が形成されます。また新幹線の視点から見ると大きな森のように見え、新たなシンボリック景観を形成します。

総合的になかなか面白い案だと思います。ただ、クラウドと呼ばれる屋根の部分がまさしく雲のようにふわっとしており、細部デザインやディティールを詰めていくことが必要になりそうです。それによりこの案の最終的な完成度も変わってくると思います。

改めて全体を見ると、暫定整備だけあってレイアウトはほとんど変わっていませんが、ハイウェイバスの建物と交番がないことに気づきます。これはどこかに移転もしくはそのままなくなるのでしょうね。まあ今は歩ける空間が狭いので歩行者空間が増えるのはいいことですが。

私は、最終的には地下鉄・地下街の入り口なども再配置し、見通しの良い歩行者空間にしてほしいと思っています。そしてその空間をリニア駅上広場へとリンク出来たら(構想のビル北棟とバッティングしてしまいますが・・・)と考えています。そのためにはやはり交通広場の再整備が必須になります。まあこれはリニア後の話ですね。また機会のある時にまとめようと思います。

今回は他の案も4位まで出ているので順番に見てみましょう。ちなみに応募は30件もあったようです。注目度が高いことがわかりますね。

2位(次点)の応募者は曲線的な屋根の案を提示。先ほどの案とは対照的に、2つの大きな部材が使われています。東京駅のグランルーフに少しだけ似ている気がします。

カッコよさでは1番でしょうか。屋根の奥にはステージ?のようなものも見えワクワク感が増します。ただ暫定という感じがあまりないですね。

3位の応募者は武家屋敷のような案を提示。回廊を整備することで、それらに囲まれたそれぞれの広場はさまざまな性格を持った場になります。

これも面白い案ですね。コンセプトは1番しっかりしていて、不慣れな人でも動線は明快になります。広場の囲まれ感が強い点、動線上の屋根が重い点があり、開放感が少ないのがネックでしょうか。

4位の応募者は仮設のパイプを直方体状に組んだだけのシンプルな案を提示。この構造物を利用し各種イベントを開催できます。施工にかかる環境負荷も少ないです。

斬新感と暫定感はトップ。いろいろ可能性を感じるトガった案です。イベントがないとき通行の妨げになってしまいそうなのが懸念ですね。

東口についても少し情報がありました。日経新聞によると、モニュメント飛翔の撤去工事の入札が不調だったため、工事が遅れるようです。こちらは西口と違い2027年までの整備完了を目指しているので、これ以上の遅れは避けたいところです。

リニアに向けて変わっていく名駅前。不透明な要素が多くくっきりとした未来像がなかなか見えてきませんが、少しずつ姿を変化させていくことになりそうです。

シェアする

フォローする

コメント

  1. (元) あ より:

    整備より先に二本の高層ビルを先にやってほしい
    市民の声にもっと耳を傾けるべき

    • イオン岡田 より:

      リニアの工事が終わってからでしょ
      穴掘りと同時に高層ビル建てるのは無理

      • ノボール より:

        北側はアレだとしても、南側はリニア関係なく進められるはずなんだけど、そもそも西側を最終的にどうするか、ということが全然決まっていないので、手のつけようがない。
        故に、『未来?』なんていうものでお茶を濁すしかない状況になっている。

        名古屋駅周辺の再整備は、名古屋市が満足に予算も人員もつけない上に、財界との連携がてんでできていないので、どうしようもなく不透明な状況になってる。

  2. 住都局さん より:

    恐らくエスカの撤去がリニア開業に間に合わないんだと思います。
    かといってリニア開業時に西口が全く変わっていない・・・だと
    地元や関係者に説明がつかないので、そのための暫定整備なんでしょうね。