動き出す超一等地 梅田再開発は次の段階へ

さて今回は大阪の写真を載せていきたいと思います。特集するのはやはり梅田。2年以上ぶりとなります。ちなみに前回の大阪特集は天王寺と関空でした。

撮影したのは緊急事態宣言の前の3月中旬です。少し古い写真になりますがご了承ください。

梅田では大きな再開発がいくつも進行中です。以前もレポートしていましたが、それらの物件はほぼ建設が終わり、次のステージへと移行しつつあります。

今回はラストスパートを迎えつつある物件と、新たに基礎工事が始まる案件を写真やパースで見ていきましょう。

まずは阪神百貨店の建て替えです。38階・188.9m、延床25万の巨躯が立ちはだかってきました。

先行して左側の低層部が完成し、数年前に営業開始。現在建設中なのは2期の部分です。

低層部と高層部でデザインがだいぶ違いますがうまくマッチしている印象です。

施工は竹中工務店、ビル下部にアピールがなされています。本社を大阪に置く同社にとって、この巨大ビルの建設は最重要プロジェクトの一つなのでしょう。

このビルが完成すれば、ダイヤモンド地区での再開発は大阪駅前ビル群以外すべて完了することになります。

裏から見ます。右側は1期工事で完成した部分で、道路の上空に建物が建設されています。大都市中心部ではこのような手法がよく使われるようになってるようになってきています。

ペデストリアンデッキから見上げます。左に阪急、右に阪神の圧倒的物量感です。2022年には阪神百貨店が全面オープンするため、その際にこれら2ビルは大阪梅田ツインタワーズと改称されます。

奥に見えているのは曽根崎地区のタワマンです。この写真だと手前の2ビルが大きすぎて目立っていませんが、かなりの大規模物件です。

近くで見上げるとその規模が分かります。56階・191.675m、延床10万級の大迫力です。

外観は住友不動産らしいスタイリッシュなフォルムで、東京以外では初となる同社の高級賃貸ブランド「ラ・トゥール」が進出。施設全体は「梅田ガーデン」と名付けられており、同社の大阪でのフラッグシップとなりそうです。

施工は大林組。同じく本社を大阪に置くスーパーゼネコンです。オレンジ色のマストが特徴的ですね。

次は少し離れますが新梅田シティ周辺の積水のタワマンです。こちらも51階・178m、延床10万級です。

上部がセットバックしているのが特徴的です。施工は竹中工務店。こちらも完成間近です。

電線の地中化はどこの都市も共通課題ですね・・・

さて、ここまでが最近梅田で進められてきた大規模プロジェクトです。私は勝手に3大プロジェクトと名付けていましたが、どれもほぼ完成しそろそろ世代交代です。工事の主役は「新3大プロジェクト」へと移ります。

まずは中央郵便局の再開発です。ご存じ日本郵便は新たな収益の柱として不動産を推し進めています。東京と名古屋ではJPタワーが完成し、札幌や博多や大宮でも大型ビルに建て替えられましたが、大阪は遅れていました。

しかし2019年末に計画が再始動し、2020年には着工。2024年の完成を目指して超一等地の事業が動き出しています。竹中工務店の施工です。

完成予想図です。以前よりも横幅のある形状に変更されました。JPタワー名古屋よりもさらに幅があるようです。

低層部は劇場や商業施設(おそらくKITTE梅田)で、中層部がオフィス、高層部にはホテルが入居します。

さらに線路を挟んでその北にはJR西日本が新たにビルを建設します。25階・120mと先ほどのビルに比べると小さいですが、細長い敷地に建設されるので、横幅はJPタワーよりもさらに大きいと思います。

JR西日本は梅田地区を最重要と位置付けており、このビルはその戦略の重要な一翼を担います。現在、ノースゲートビルとサウスゲートビルがありますが。新ビルがウエストゲートビルとなり、大阪ステーションシティをさらに拡大させていくものと思われます。

また建設敷地はうめきた新駅から最も近い超一等地でもあります。ここを再開発することで、大阪駅の付加価値をさらに高め、梅田全体をパワーアップさせていく計画です。

完成予想図です。ビルの奥が線路。低層部に商業、中高層部はオフィスです。

そしてこの手前の何もない敷地がうめきた。梅田再開発の総決算です。

13haに及ぶこの広大な敷地に水と緑の未来都市が誕生します。スカイビルの手前を横切る線路が移設、地下化され、新駅が左下付近にできます。

主に南地区と北地区にビルができ、中央は都心超一等地ながら緑中心のゆとりと潤いのある空間となります。

その完成予想図です。事業主体が三菱地所と言うことでビルのデザインはやや面白みに欠けます(積水や阪急や竹中など在阪各社の初期コンペ案はすごかったです)が、全体的にまとまりのある印象に。2024年に一部が先行開業し2027年にまちびらきします。

これが新3大プロジェクトの大トリであり、梅田再開発の総決算と言っても過言ではありません。

重機が林立しています。現在は基礎工事がさらに盛んになっているようです。

ここでも設計は大林組と竹中工務店です。大阪に本社を置くスーパーゼネコンの2社は受注獲得競争にしのぎを削ってきました。その様子は「竹林戦争」とも呼ばれています。梅田はその天王山ですから、激しいバトルがあったことでしょう。

南地区のパースです。三菱地所らしい箱ビルです。高層部にホテルが入居し、高級ブランドを誘致する計画です。

左に薄い箱が見えていますがこれがJRの新ビルです。このような位置関係です。

最後は敷地北側から見た様子です。この開発は単独のビルとは桁違いの違いのインパクトがあります。梅田の求心力はさらに強大なものになるでしょう。

この他にも最近では梅田からほど近い堂島でも東京建物の超高層ビルの詳細が判明(計画自体は以前から存在)しています。他にも東急の茶屋町のビル、曽根崎の高層アパホテルなど計画が目白押し。梅田の再開発は、現在の3大プロジェクトの完成が迫り、新3大プロジェクトを始めとする次なる段階へと移行していくのです。

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コメント

  1. KI より:

    梅田はスゴイですねえ。
    笹島ももうちょっと出来たはずなのに時代が悪かったか。

    • t より:

      ですよねー、、笹島ももう少し高層ビル建てて何かしらできたと思います!