さて、今回と次回は仙台編の記事後編をお伝えします。広島編と同様にまずは有名建築特集、次に再開発特集としたいと思います。今回紹介するのは「せんだいメディアテーク」です。
メディアテークは仙台市の中心部、定禅寺通り沿いにある複合文化施設で、図書館やホールやギャラリーなどから構成されます。設計は伊東豊雄。国内外で第一線で活躍する建築家です。東海地方ではぎふメディアコスモスが有名ですね。
メディアテーク外観の特徴は美しいガラス張りのファサードです。しかしよく見ると一面ガラスで柱や壁が見当らず、これでは建物を支えることができないように思えます。
この建物はどのような構造で支えているのでしょうか。館内に入ってみましょう。
1階に入ったところです。ちなみに館内を撮影するには許可が必要で、受付に申請をしてから行いました。
メディアテーク最大の特徴は写真左に見える「チューブ」です。実はこれが構造材となり建物を支えています。メディアテークは、柱と梁で支えるという従来の建築のスタンダードを覆す建物として、チューブで建物を支え外壁に一面ガラスを用いるという、伊東豊雄の挑戦が生み出した新しい建築スタイルの作品なのです。
メディアテークの中核施設、図書館の様子です。チューブにはエレベーターや階段のほか、配管設備や電気設備も収納されています。図書館にはこの周囲に閲覧スペースが配置されています。
図書館内を見下ろした様子です。本棚は比較的ゆとりを持って配置され、かなり開放的です。
階段を上がった場所に学習コーナーがありますが、こんな素晴らしい場所で勉強できたらかなり捗りそうですね。
フロアを上がるとホールやスタジオがあります。この日はイベントが開かれ多くの人で賑わっていました。
杜の都仙台にふさわしい定禅寺通りの木々とよく馴染んだ建物であるとももに、市民に開かれた建物になっていると実感しました。
最上階北側の様子です。チューブや天井や床などの雰囲気がちょっとサイバーですね。
窓の外からはタワマンが見えます。仙台の都心部には高層マンションが比較的多いです。
チューブの中の様子です。チューブは天井から1階まで貫いており、建築設備以外にも採光の役割も果たしています。天井や上層階から入った光は下階にやわらかに落ちていきます。
メディアテークは国内はもちろん海外からも建築目当てに訪れる観光客も多いと聞きます。美しいファサードや杜の都との調和など、私も行ってよかったと思いました。
いかがでしょうか。メディアテークは建築好きでなくとも一度は訪れる価値のある場所です。ぜひ足を運んでみてください。