杜の都仙台の挑戦 新たなステージへ

今回は仙台編の最終回、仙台の再開発事情についてお伝えしたいと思います。次回からはまた名古屋に戻る予定です。

仙台は人口100万人強を誇る東北一の大都市。東北三大祭にも数えられる七夕まつりを始め、食なら牛タン、歴史なら伊達政宗と、全国的に有名なものが数多くあります。また旅行編でお伝えしたとおり、近くには日本三景の松島も抱え見所盛りだくさんです。

そんな仙台の再開発について見ていきましょう。

仙台の都市構造は他の大都市と違い、ターミナル駅がそのまま中心繁華街になっている珍しいケースです。そのため仙台駅前には高層ビルや商業施設がぐっと集積していて、都会感を感じることができます。

写真は西口です。名古屋で言えば東口に相当します。

駅にはやはり表と裏があります。こちらの東口は裏側にあたり、予備校やビジネスホテル、ヨドバシカメラなどが立地します。

こんなところも木で覆いつくされているのはさすが「杜の都」ですね。

写真のような広大な未利用地も存在します。実はこの場所にはヨドバシカメラが延床10万クラスの巨大ビル建設を計画していました。しかし着工されることはなく今でも駐車場のまま放置されています。

そして先日、ヨドバシカメラはリンクス梅田の開業に合わせて、札幌市と仙台市にホテル複合型のビルを開発すると発表しました。札幌のほうは「道内一の高さを目指す」とかなり気合が入っていたので、仙台のほうも力を入れてくるものと思われます。

駅徒歩1分の広大な未利用地の巨大開発がついに進むことになるのでしょうか。注目されます。

北側ではJR東が13階建てのオフィスビル開発を行っています。仙台でも空室率の低下は目立っている状況です。新規ビルを建設してもそれを消化できる需要があるようです。

仙台市は「都心再構築プロジェクト」として、老朽化したビルの再開発に補助金を出したり、容積率を最大1600%まで緩和する措置を行います。激化する都市間競争を勝ち抜くため、行政も本腰で取り組んでいます。プロジェクトは2030年頃までを想定しています。

ここからは仙台の高層ビルや都市景観をお届けします。

先ほどの写真にも少し見えていましたが、仙台駅のランドマークはAER(アエル、145.5m・31階)です。建設したのは民間ではなく仙台市です。

ここの最上階には無料の展望フロアがあります。完全にオフィス就業者向けのちょっとした休憩スペースといった感じで施設そのものは質素でした。

そこからの景色をご覧いただきましょう。繁華街が延びている西方面です。やや左下に見える長い構造物がアーケード。歓楽街で有名な国分町はこの方面にあります。

さすがに100mを越す建物は少ないですが、80m以上の高層オフィスビルは結構あります。右下に見えている構造物は東京建物の20階建てオフィスビルです。後述する森トラストの複合ビルもあり、仙台には東京中心に活動しているデベが比較的多く進出していることが分かります。

北側の景色。左は東北電力(148.05m・28階)です。電力会社の本店ビルとしては関電に次いで立派でしょうか。中央は花京院スクエアという23階建てオフィスビルです。

こちら側は主に住宅街で、写真奥にはいくつものニュータウンが存在します。都心とニュータウンは地下鉄南北線で結ばれています。

次は一番町のビルをご紹介します。仙台トラストシティは森トラストの開発したオフィス、タワマン、ホテルから構成される再開発エリアです。その中のトラストタワーは仙台で最も高い超高層ビル。37階・180mというずば抜けた規模を誇ります。

周囲から見ても圧倒的な存在感ですが、エントランス周りも三大都市圏の巨大オフィスビルと比べて遜色ないくらいの風格、高級感がありました。高層部にはウエスティンホテルが入居しています。

その向かいにあるSS30です。こちらは仙台で一番初めに出来た高層ビルです。一番町は仙台最初と仙台最高のビルが並ぶ、仙台の高層ビル史を語るには外せないエリアなのです。

こちらも無料の展望室があります。施設はAERよりは充実しています。

南側の景色です。中央やや右は仙台を代表する河川の広瀬川、左は東北新幹線です。さらに左奥には海も見えます。

いくつかタワーマンションも見えます。やや右に見えるのは仙台の副都心「あすと長町」のタワマン、100mクラスが多数建設されています。手前のような都心居住型のタワマンも増えています。

東方面です。高い建物は郊外にはほぼなく、仙台は都心部にぎゅっと凝縮している街という印象です。

松島はやや左奥方面にあります。

最後は青葉城址の公園から東方向を。旅行編でも載せましたがより都心にズームした写真を載せます。先ほどご紹介してきた高層オフィスビルはこのような位置関係になっています。

写真中央が仙台駅付近。ちなみに撮影地点から仙台駅は名駅ー栄くらいの距離です。都市規模が小さいとも言えますが、高い都市機能と豊かな自然がコンパクトに共存しているとも言えます。

そして今後の再開発で都会的なこのスカイラインはさらに変貌していくことでしょう。仙台の発展が楽しみですね。

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コメント

  1. たぬ より:

    ヨドバシ大型店舗は大阪に続いて仙台札幌でもやるみたいですしこの際駅西のビックカメラも思いきって高層化して大規模店舗作って欲しいなぁ松坂屋のヨドバシイマイチやる気ないし(百貨店の1テナントだから当たり前だけど)ただゲートタワーのと被るんだよなぁ

    • ノボール より:

      個人的には、名鉄・三井・日生による再開発ビルに、ヤマダがすんなりと残れるかが気になりますね。
      今さら名駅周辺に自社用地を確保するのも中々に負担が大きいので、あそこへの出店争いは面白そう。

      仙台の話で言えば、地元のマニアには規制(ゾーン分けとゾーンごとの開発条件)の評判が良くない。
      アセスとか、国の都市計画要因とは異なる部分であそこまで縛ってくると、確かに厳しいと思う。
      あとはやはり地元資本が少ない。どの都市でも地元資本が牽引役にならないと、景気次第のツギハギになる。
      だからこそ、リーマン時にはいいようにやられて、そこからの回復に時間がかかった。

  2. ジュラ より:

    丁度一年前、約半年ほど仙台に住んでましたが、非常に住みやすい街でした。
    ただ、交通網は課題だと感じました。
    地下鉄は二路線しかなく、幹線道路も少ない。
    長町から国分町に車で移動したのですが、たまたま光のページェントをやってた休日の為、通常15分程度のところ1時間半ほどかかりました。