九州編の記事は前回で終了です。6月からはまた通常編に戻ってレポートしていきます。
さて6月と言えば丸栄の閉店です。ついに営業期間は残すところあと1か月となりました。
丸栄は名古屋4Mの一角として長らく営業を続けてきましたが、建物の老朽化と売り上げ不振を理由に閉店することになりました。現在の建物は解体され、跡地は北側の街区と共に一体で再開発されます。この方針は昨年末、親会社である興和の発表により明らかになりました。
さらにいくつか情報が判明したので並べておきます。興和によると、現建物の解体は9月から行われるようです。日本建築学会は丸栄本館の建物が村野藤吾の貴重な作品であることを理由に、建物を解体せず保存活用するよう提言していましたが、結局解体されることになりました。
具体的なスケジュールが決まり、これで一歩前進です。しかし、その後の暫定商業施設は未定とのことです。一時的とは言えあの場所がコインパーキングでは残念すぎます。何か商業施設がほしいところです。
国際ホテルの街区では地権者との交渉が難航しています。朝日新聞のインタビューで興和の三輪社長は「(地権者が)聞く耳を持ってくれない。時代が変わらないと難しい」と述べていました。地権者とは安藤証券のことですが、この交渉は一歩も前進していないようです。
この街区は中日ビルと並び、栄が復権できるかの試金石です。その計画を名古屋市は黙って見ているだけでいいのでしょうか。もう何度も同じことばかり書いていますが、行政は再開発をまとめる旗振り役を担うべきです。
さて、閉店まで1か月を切った丸栄では、これまでの歩みを振り返る企画展が開催されています。
これまで使われてきたパンフレットや利用者のメッセージ集など、数多くの展示が見られます。丸栄がたくさんの人に愛されてきた百貨店であることが身にしみて感じました。
こちらは前身である「十一屋」の頃から、丸栄がいかにして発展してきたかが分かるパネル展です。貴重な写真が見ごたえがあります。
左奥には丸栄本館の精巧な模型が置いてあります。映像コーナーもあるのですが、そこでは「完成当時は西日本随一の規模」と紹介されていました。先人はこの名古屋の地に、全国に誇れる立派なものを造ろうと苦心したに違いありません。
今、丸栄は再び変革期にあります。おそらく丸栄という名前そのものも消えてしまうでしょう。しかし先人の「立派なものを名古屋に残す」という遺志だけは忘れてはなりません。そのためには一体開発が必須です。丸栄と国際ホテルの街区は、全国に誇れるすばらしい施設にしなくてはならない、模型を見てそう感じました。
コメント
ほんとにそうです。あなたの言葉をそのまま市に聞かせたいぐらいです。
以前もコメントで書きましたが、安藤証券の時代が変わらねば、という意味について、どうなのか注目ですよね。
興和としては一体でないとダメな素晴らしい計画があるのでしょうから是非とも一体再開発を実現させてほしいです。一体再開発実現のための署名活動もやれるならしたいぐらいです。
三井北館、丸栄再開発共に地元企業が街の発展の障害になり、名古屋市も動きが遅くやる気が感じられない。
ほんと何とも言えない気持ちになります。
ここまで来てしまうと一民間企業だけでは一帯再開発は困難でしょう。行政の積極的な介入が必要ですが、今の市長では無理と言っても過言ではありません。名古屋城も石垣問題やエレベーター設置問題で動きが止まってしまっています。この二つの問題は事前に発生しうる課題でした。対応対策不備の何物でもありません。思いつき発想の市長が又、リニア開通後の街構想を構築しているようですが、職員との障壁があり例の如く、「魅力ある街を」という抽象的かつ具現性の無い構想。興和の再開発は、一帯開発から部分開発に変更されるような気がします。現に、興和の社長は分散開発も構想枠に新たに付け加えたようです。等価交換等も聞き入れない地権者の強欲さと利己主義には残念極まり無いです。
いつも楽しく見させていただいたます。
もう何年も前から某建設会社に
イメージパースありますよ、
詳しいことは言えませんが、
えっ!
丸栄再開発のイメージパースがあるの?
調べたけど出てこなかった…
閉店解体が現実化すると懐かしがり、存続を切望する。しかし、再開発による新店にも期待する。中日ビルもそうだが再開発の流れは容赦ない。浪花節は通用しない。街の新陳代謝はスピード感をもって行うべきである。存続を切望するのは自由だが、このような人は結構 丸栄にもう何年も来店していない人が多いのでは。老舗百貨店というのは、時代の流れに迅速に対応対処、判断が出来、経営存続出来ている三越や高島屋等が言える言葉である。まして老舗であるより、消費者の購買欲や五感を満足させてくれる場所に人は集まり、消費する。それが出来なかった故の結果だと思う。一日も早く解体し、一日も早く竣工し、今度こそ時代の要求に乗り遅れない事を期待したい。
某HPで閉店を惜しむ記事が掲載されていましたが、その中で名駅との熾烈な流通戦争やリーマンショックなどの経済恐慌で業績が悪化。結果破綻と書いてありましたが、少し違うと思います。先ず丸栄自体が自己経営に拘り、流通再編の波に乗り遅れ、外部資本を受け入れなかった旧経営陣のマーケティングとブランディングミスであり、名駅エリア再開発構想の読みの甘さ、そして赤字累積が顕著に表れると経営立て直し策として、単価の低いギャルアパレルや100均テナントを導入という改革??をさせた事で長年の上級顧客が離れて行った事が原因かと思います。又、「東京に依存しない名古屋らしさ」とは何だろう?大阪や札幌、福岡などの大都市でも、東京の大企業による開発が進み、都市が均一化してしまい、その都市の本来の魅力が失われつつあると書かれていたが、均一化になっているとは思わない。良いものは良いのである。だからこそインバウンドも観光客も魅力も向上し数字で明確に表れているのです。名古屋らしさも良いですが、破綻や低下してしまったら本末転倒です。外部からの成功例や施策は貪欲に吸収し、あらゆる感覚をよりブラッシュアップすべきです。いい加減 名古屋らしさという根拠ないプライドは捨てるべきである。実際、名古屋市内でも集客力があるコンテンツや店舗は東京や大阪資本であり、注目度も高い。均一化してからでも名古屋らしさ?を追求しても遅くはないが、いずれ丸栄や松坂屋のような結末が待っているだろう。精神論より現状を俯瞰し、経済力があるのならそれを上手く活用し、名駅、栄、金山エリアが切磋琢磨し、再開発によってパワーバランスがいとも簡単に崩れるよな都市間競争にならない事が一番です。でなければ、リニア開業まであと9年。東京へのストロー現象を防ぐ事は100%難しいと思います。東京も大阪も福岡も札幌もすごい勢いで動いてます。他都市に住まれた事がある方ならご理解頂けるかと思います。
2度と名古屋の方向かんでいいぞ
いや、真面目な話、本当のことだと思う。名古屋らしさとして述べられるものが、東京化しないとか、田舎っぽさを残すみたいな、なんか残念なものを感じる。もし名古屋らしさを追求するなら、もっと都会的な面での名古屋らしさの追求をすべきだ。
やっと解体ですか。当初予定は9月から2ケ月遅れで尚且つ、2020年3月末迄というダラダラ解体工期。
訴訟問題は金銭交渉で解決したと思いますが、跡地はどんな暫定施設を建てる予定なんでしょうか。短期暫定施設やら10~15年程度の暫定施設と、メディアによって意見もバラバラ。
正直、安藤証券が移転合意するとは思えませんので、暫定施設など建設せず本建設すべきです。興和はキャッスルホテル及びプラザの建替えも控えており資金調達できる体力があるとは思えません。デペに売却し、売却益でホテル建て直しを試みたほうがスムーズであり、街全体の再開発のスピードも上がります。
興和の暫定施設や今後の一体再開発には疑問も呈すると共に、期待感より不安感の方が強いのは実際の感想です。
又、丸栄横のスカイルは再開発される予定はないのでしょうか?
これからあの広小路エリアは栄再開発の中心となります。交差点入口があの昭和臭漂う古ビルが鎮座していては、折角の景観が台無しです。Novaも含めて一体開発出来れば最高ですが。