名古屋市住宅都市局は12月18日、駅東側広場の整備について、北側を先行整備する計画を発表しました。いくつか初公開のパースも出てきたのでここで紹介していきます。
対象となるのは飛翔の撤去が完了した駅前ロータリー付近です。これを廃止して三差路の交差点とし、歩行者のための広場空間を増設します。以前の計画はこちらから。
なお今回の北側整備は南側にある名鉄再開発の計画見直しに伴うものです。影響がないタクシー乗り場などを先行で整備していきます。

こちらがパースです。具体的な絵が出てきたのは初めてですね。交差点が三差路になっているのはこれまでの通りです。前も書きましたが名古屋ビル~大名古屋ビルが地下を経由せずにいけるようになるのは大きいです。
そして名古屋駅正面につながる軸が意識され、両側には照明や樹木(桜並木のようです)が整然と並んでいます。風格ある駅前になっていると思います。とても好印象です。
中央には大きな屋根があります。駅前を象徴する空間で「スカイルーフ」と名付けられているようです。雨にも濡れないようになります。

こちらが全体イメージです。私の印象ですが、いろいろな要素を入れすぎてごちゃごちゃしているというのが正直なところです。現在のレイアウトよりは格段によくなっていますが、まだ改善の余地があると思います。
まず大屋根です。ツイッターでもシンボル性がないとかいろいろ言われています。確かに大阪や博多や金沢のようなダイナミックさがありません。少なくともパースでは何の変哲もない安っぽい屋根でタワーズとも調和していません。もっとおしゃれな屋根にするという案もありますが、個人的には屋根自体ない方がいいと思います。似たようなのはゲートタワーにもあるし、空は広い方がいいのです。無理して整備する必要もなく、コストも下がっていいのではないでしょうか。
それから一般車用の車路が相変わらず無駄に長いです。もう少し南にできればスペースが有効活用できると思います。いっそのこと一般車スペースもなしにするのもありだと思います。歩行者空間を広くしてゆとりのある駅前をつくるのは価値があることです。
その他、水景施設の整備も盛り込まれています。名古屋は親水空間が少ない印象だったのでいいと思いますね。ただ、これもとりあえず入れてみたという感じではなく、周辺の調和かつ風格のあるものとしてほしいと思います。

こちらは駅側から見た様子です。舗装はレンガ舗装を主体として、自然石ボーダーを東西軸に配置することで、まちへと結ぶ広場空間を演出するようです。また桜通に向かって広場のシンボルとなる照明を設けます。間接照明によりかがり火をイメージした光の円盤が連続して浮いている光景を形成するそうです。これには少し期待ですね。
手前の部分に屋根の影が落ちている絵と思われますが、やっぱり屋根がいらないですね。明るい空間をつくっていくことが重要です。午後は影になるのが確定しているので、そこに屋根となると予想以上に暗くなるのではと思います。
先行部分の整備は2033年を目指します。全体の完成は2030年代後半を目指します。リニアが遅れている関係で名鉄もそうですがすべて後ろ倒しになっている感があります。ただ考えてみれば今の自動車交通を維持しながらレイアウトを変えるので、時間がかかるのも仕方ないとも言えます。
新しい名古屋の顔となる空間なので、さらなるブラッシュアップを行ったうえで、完成に期待したいと思います。