積水ハウス 千種に190m級タワマン建設へ!

解体が進む千種ビル群跡地の再開発が190m級、延床10万級の巨大タワマンになることが判明しました。すごいニュースが入ってきました。

今のところこれを報じているのは建通新聞のみですが、いずれ他の報道機関からもニュースになるでしょう。今回は建通新聞の報道から詳細や推察を記事化します。

グランドメゾン千種タワーの建設状況 2025.6

前回からの3か月ぶりの取材です。

まずは千種ビル群の経緯を簡単に振り返ります。もともと住友不動産が所有していたビル数棟を積水ハウスが取得。老朽化を理由に解体が進んでいました。積水は跡地をタワマンを軸とする計画を考案していました。

しかし千種ビル群のメインとなるニュータワービルでテナントの退去問題が発生し、解体が想定通りに進まない事態となりました。そのため積水はニュータワービル以外の敷地を利用し、先行してタワマン計画を立案。41階・154.85mの規模でした。

そのまま計画が進むかと思いきや、躯体工事は始まりませんでした。少し心配しましたが、結果的にはテナント退去訴訟が解決し、ニュータワービルの解体が進んだため、敷地をすべて一体で開発することが可能になったことによる計画変更でした。

まずは現在の千種ビル群の様子です。ニュータワービルの高さがだいぶ低くなってきています。今年中にはほとんど姿を消すものと思われます。

以前はこのニュータワービル以外の敷地を利用してタワマンを建てる計画でした。そのときの延床面積は5万弱です。おそらくニュータワービルが解体完了したらそこに同じ規模のものをもうひとつ建ててツインにする計画だったのでしょう。つまり5万+5万の計画をやめて一棟の10万に変更したと思われます。

私はこれでいいと思います。ツインタワマンでもいいですが、190m級10万級というのは今まで名古屋になく、絶大な大きなインパクトをもたらします。名古屋のタワマンは150~160m級がトップクラス(御園座、池下、熱田、城北、名駅南)でした。従来の計画ではそこに収まってしまいますが、190mはわけが違います。不動の名古屋No.1タワマンになるでしょう。

階数は不明ですが、50階は確実でしょう。もしかしたらマリオットの53階を抜いて54階や55階もありえるかもしれません。その方がインパクトがあり、積水もそれを狙ってくる可能性があります。(そうでなくても50階のタワマンは唯一無二であり十分インパクトはあると思いますが)

低層部には商業施設も入るようです。そんなに大きい施設ではないと思いますが、これだけ大きなタワマンともあれば、日常使いの商業施設は必須でしょう。おそらく総戸数は700~800戸程度ではないかと予想します。

ここの敷地面積は1万平米程度。容積率は400%/600%なので緩和制度を受ける手続きを行う可能性があります。

また、環境アセスメントの対象になります。都心地域なら免除できますがここは対象です。中日ビル、栄広場、名鉄とアセスなしが続いていましたが、まさかここでアセス対象が出てくるとは思いませんでした。

順調にいけばそう遠くない時期に「大規模建築物の建築」という内容でアセス書類の縦覧が始まると思われます。この手続きにはだいたい2年以上は必要なので、着工は2028年以降でしょう。そしてこの規模だと建設にも時間がかかり、完成は2032年以降と推察されます。

適当にスケジュールを予想してみましたが、ツイッターなどで出回っていた「完成は8年後」という情報とだいたい一致します。奇しくも名鉄再開発も完成が見えてきていることです。どうやら2033年前後は大規模物件の完成ラッシュになりそうです。

それにしても積水はすごいと思います。都心も近郊グランドメゾンのタワマンが建ちまくっていますし、さらに攻勢をかけるとは。財閥系でもできない投資をガンガンやってのけるのがすごいです。

ツインをやめて190mの一棟勝負にしたのもすごいです。石橋を叩いて渡るなら、ニュータワービルの解体とは関係なくとりあえず先行で一棟建てておき、景気の動向を見ながらもう一棟を建てるのか、縮小して低層にするのかゆっくり判断しながら進めることもできたはずです。一棟勝負はその退路を断つことになります。

それだけ強気に出たのはやはりこの立地なら行けるという判断でしょうか。東山線と中央線の交点であり、駅徒歩1分。名駅や栄などの都心を除けば立地としては最強です。ポテンシャルは高いでしょう。

そして千種で190m級いけるなら、アスナル金山の再整備はもっといけるのではと思ってしまいます。敷地面積や駅からの距離はここと同じくらいの条件で、路線数というかターミナル性は金山が大幅に上です。むろん高さだけでなく施設の質も重視すべき内容ですが、千種でこの計画が成功すれば他の駅前開発にもよい影響を与えることができるのではと思います。

いろいろな意味で楽しみになってきたこの計画。今後の情報に期待したいですね。

9/18追記:早速アセス資料が出ましたので以下少し追記します。

こちらが予想図です。まだ箱モデルしか公開されていません。建物は南北軸から30度くらい傾いた配置になるようです。やはり190mは高く感じますね。JPタワー名古屋よりちょっと低いくらいと考えるとさすがの高さです。

そして階数は48階建てでした。50階は固いと思っていたので意外です。それでもミッドキャピタルを超えてタワマンで名古屋最高階数というのはインパクトがあるでしょう。

また戸数は450戸程度となるようです。190m、10万級というスペックに比べればこちらも控えめに感じました。ひとつひとつの住戸が大きくなるのかもしれません。となるとより一戸あたりの価格は上がるのでしょう。

低層部は22m程度あるようです。駐車場と商業施設が入ると思われます。千種駅周辺の魅力向上に資する内容になるといいですね。

地下部についてはアセス資料を見るとA案とB案があってまだ決まっていないようです。工程などいろいろ資料を見るとA案がいい気がします。

とにかく完成が楽しみな計画が一つ増えてよかったです。息の長い再開発ですがじっくり見守っていきたいですね。

シェアする

フォローする

コメント

  1. 山本淑子 より:

    それは積水ハウスで名古屋市千種区にタワーマンションの建設工事の再開発なら声優の山寺宏一さんにお任せください。

  2. うめ より:

    すでに名古屋のタワマン市場は積水のグランドメゾンブランド一強状態ですがそれを磐石なものにする大計画ですね。伏見エリアのように積水に続くデベも増えそうです。

  3. より:

    千種区のランドマークになる事は間違いないですね!
    商業施設は無難にコンビニ、ファミレス、定食屋、歯科、眼科、クリーニング店、少しお高めのスーパーなどで良いのではないでしょうか?

    安城のイトーヨーカドーの所にもタワマン来ないかなあ。知立のようにランドマークの必要性に早く気づいてほしー!

    • チリトタビユキ より:

      無知ですみません。
      知立にランドマークってありましたっけ?

      • より:

        知立駅前のエムズシティ知立ザ・タワーはランドマークと呼んでよいと思っています
        加えて駅前に29階建てのタワマンが作られる予定です!

        知立駅前はカラオケ店も(なぜか)3つもあったりして勢い出てきてますよ!

  4. 渡世人 より:

    千種駅前の高層マンションに商業施設が入ることに注目したいと思います。JRと地下鉄が利用でき、交通の便はいいとは思いますが現状千種駅周辺は全国規模の予備校の総本山があるだけで、休日にデートやショッピング目的で訪れたくなるようなものはありません。住友ビル時代のオフィスも無くなりました。名駅が都心部の西端、栄を中央とすると副都心の北は大曾根、南が金山、東が千種でしょうか。各副都心ターミナルの乗降人員の推移(平成元年→令和6年の36年間)を見てみますと
    金山駅 217,000人→464,000人(JR/名鉄/地下鉄)213.8%
    千種駅 108,300人→101,900人(JR/地下鉄)94.1%
    大曾根  78,076人→144,000人(JR/名鉄/地下鉄/ゆとりーと)184.4%
    と千種は一人負です。栄や名駅に乗り換えないで5~10分で出られるのが逆にハンデなのかもしれませんが、これを利用して何か集客できる施設でもあればとも思います。単なるベッドタウン化を促進するだけでなく、乗降人員100万クラスの副都心が連なる東京とはケタが違いますが、ある程度均衡ある発展があると名古屋の魅力を一段と向上させるのかもしれません。名古屋市としては名駅・栄・金山に集中させるのが目的でしょうが、千種駅周辺は少しもったいないように思います。敷地面積はあるので期待は薄いかもしれませんが、乗り換え時に途中下車してみたくなるようなある程度の規模で魅力的な商業施設などがあればいいと思います。

  5. 常盤 より:

    あの街区がこれほど大規模な再開発となるなら、是非とも地下道を作って桜通線車道駅と繋いで欲しいですね。距離は200mもない程度ですし。
    そしてJR千種駅にも北口を作れば桜通線との乗り換えが楽になり一石二鳥だと思います。

  6. より:

    東山公園のタワマンの規模も早く知りたいです

  7. より:

    個人的にはタワマンはどんどん増えてほしいです
    もちろん自分が住む為じゃありません

    自分は外仕事をしています
    都市部のヒートアイランド現象が深刻なんて言いますが、実際に1日8時間外で働いている者からすれば、都市部の現場の方が楽です

    それはなぜかと言うと気温は暑くても耐えられるからです
    でも太陽の日差しは耐えられません

    なので郊外の外仕事だとショックです
    高い建物が無いので日陰も少ないからです
    しかも郊外は自動販売機なども少ないので都市部に比べてすぐに冷たい水を飲んだりするのも難しいです
    ポケットに入れてある飲み物はすぐにお湯になります
    車で来れる方はクーラーボックスを使えば良いかもしれないですが、自分みたいに公共交通機関を利用している者にはそんな気の利いた物もありません
    (それに車も現場近くにパーキングが無いと困った事になるので、公共交通機関を使うのが無難だったりします。自分の仕事の場合は)

    一方で都市部は高い建物が多いので晴天の日でも日陰があります
    自動販売機やコンビニも多いので冷たいドリンクもすぐに手に入ります

    なのでタワマンは増えてほしいです
    特にビルを密集させてくれると日差しが当たる隙間が減って助かります
    暑さは耐えられても、日差しには耐えられないです!

  8. H.T より:

    積水ハウスは、千種駅隣接地(名古屋市東区葵3丁目)において、地上48階、地下1階、高さ約190m、総戸数約450戸、延べ面積約10万㎡の店舗併設タワーマンションを計画しています。 工事期間は4年前後を想定しています。 名古屋市は2025年9月17日~10月16日の期間、計画段階環境配慮書を縦覧しています。 名古屋市HPは→こちら

  9.   より:

    アセス資料のことに触れたり画像を持ってきたりするならリンクくらい貼りましょうよ。
    Xでも他の人は貼ってたのにこの著者さんは貼ってなかったですよねぇ。

    さて、名古屋の街の課題はビルの高さではないし、タワマンは都市/都心の格に直接的に関わるものでもない(東京大阪では都心や副都心以外にもよくある)ので、この高さはインパクトを幾らか与えるだけであってあまり重要じゃないと思います。
    もともとマンションに適した利便性の高い場所ですし。
    しかし、たかがマンションです。

    それよりも商業が重要じゃないでしょうか。
    4階程度の大きさがありそうに見えますがどうでしょう。
    そのような商業施設が駅横にできて人々が立ち寄る場所に変化し、駅自体やエリアの再開発に良い影響が出ることに期待します。