建築探訪 大分アートプラザ

大型連休に入りました。私は9連休の予定です。みなさまはいかがお過ごしでしょうか。今日は久々に建築を紹介しますので、連休のお出かけの参考にしていただければと思います。

アートプラザは、大分県にある複合文化施設です。有名な建築家、磯崎新の作ものです。当ブログでは磯崎作品は初紹介ですね。

外観です。打ちっぱなしコンクリートの壁面が印象的です。RCといえば安藤忠雄ですが、それとはまた違った印象を受けます。

敷地のすぐ横には大分城跡があります。一緒に観光できるのでお勧めです。

アートプラザはもともと旧大分県立図書館として1966年に完成。その後1998年に改装して今に至ります。市民ギャラリーなどとともに磯崎新の紹介施設としての役割も担います。

磯崎新は昨年末になくなりました。有名建築家の突然の訃報に驚いた覚えがあります。

中に入ります。中の空気感が張り詰めているように感じました。一方で無駄な装飾は少なく、RCの壁面がシンプルな装いに見えます。

建物自体は延床4000平米ほどでそれほど大きくありません。しかし上に見える空中回廊でいろいろな空間が結ばれており、しっかり見学すると時間がかかります。

磯崎新はポストモダンに位置づけられます。それまで主流だったモダニズムは、合理化や機能化が徹底され、無駄な装飾を排した建築と言われます。当ブログではかなり前に紹介した国立西洋美術館が該当します。ポストモダンは、合理化最優先のモダニズムは味気なくつまらないという反発から生まれた思想で、装飾などが復活した建築です。特に1980年代以降の流れです。

また、端正で動きの少ないファサードをもつモダニズムとは反対の「動的な」磯崎新の建築はメタボリズムに通ずるところもあります。

磯崎新は建築模型をつくることに熱心な人物でした。上階のギャラリーにはその模型たちがたくさんならんでいます。いろいろな角度から見れるのが面白いです。

これは磯崎新が提出した東京都庁舎のコンペ案です。横長で幾何学的なアトリウムが屋上に乗っかっています。実は他の案はすべて超高層だったのですが、磯崎は独自の考えで低層案を提出。結果この案は落選し、現在は丹下健三の超高層が建っていますが、丹下の弟子にあたる磯崎が真っ向から違う案を出してきたことは大きな話題になりました。

アートギャラリーです。イベントコーナーも隣接しており、市民のための行事が頻繁に行われているようでした。

入り口に戻ってきました。模型と説明書きがあります。右に見えるのはプリツカー賞受賞の掲示です。この賞は建築界のノーベル賞とも言われ、日本では安藤忠雄や槇文彦、坂茂や伊藤豊雄など世界的な一流建築家が受賞しています。

いかがでしょうか。アートプラザは建築のみならずその模型も楽しめる複合施設です。ぜひ行ってみてください。

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