3月28日、名古屋市は旧教育館跡地(錦三丁目16番街区)について暫定利用の事業者を三菱地所に決定したと発表しました。利用期間は5年間です。
新たな都市の新陳代謝=ネオメタボリズムを掲げ「スローアート」の創造プロセスをコンセプトとする施設を整備し、「個人×地域×地球のWell-being」を生み出す市民コミュニティの形成拠点を目指します。
教育館についての記事はこちら。4か月前の状況です。
パースです。本重町通に面して広く街に開かれた広場を計画し、敷地東側へ通り抜け導線を設けることで、大きな地域の回遊性を生み出します。広場を取り囲むようにL型に建築と段状のテラスを配置し、広場と建築の豊かな関係を生み出す構成とします。
テーマとしては健康やアクティビティがメインのようで、左に見える芝生がスローアートパーク、中央の建物がフィットネスやエステやサウナなどとなっています。
建物外壁が特徴的で気になります。様々な活動プログラムを受け入れるために、建物の外壁と柱には留め具が設置されており、ユーザーによって自由に使い勝手をカスタマイズすることが可能になるそうです。自由にアートを飾ることができるのですかね。
イベントも多数掲載する計画です。複数のコミュニティを多様な視点でつなぎあわせ、幅広い年代を受け入れることができるようなプログラムを予定しているとのことです。
三菱地所の全国他都市での運営・管理の経験より、安心安全な防犯対策と、災害時や事故発生
時には迅速かつ的確な対応ができる体制が整えられるようです。
なお今回の決定プロセスですが、この暫定利用については6社から応募があったそうです。そのうち上位4社が評点対象に。その後1社が辞退して最終的に3社となり、三菱地所が選定されたようです。
私は、三菱地所は栄再開発にかなり意欲をもって進めてくれているという印象を感じ、好感触です。同社は中日ビルでは全体デザインやホテル関連で、栄広場では主事業者としてプロジェクトに参画しています。ここも暫定利用終了後にオフィスを建てる構想なのかもしれません。久屋大通公園1期にも応募していましたし、同社は栄をかなり重要な地区とみているのだと思います。
広場の使い方は5年に渡りアップデートし続けるとともに、例えば建物を増築・解体したり、時には建物の一部をパビリオンとして地域へ移設させたりと、柔軟な運営を目指します。
市からの要望としては、SNSを使った国内外への情報発信を積極的にすることや、雨天時や夏場の集客力の維持に向けたハード面を工夫することなどが挙げられました。
今後のスケジュールとして、6月に工事開始、開業は10月頃の予定です。そして2028年3月に終了となります。実質施設が稼働するのは4年半程度となります。それまでの間、いかに周辺の用地を買収できるかがカギになりそうです。
新しい暫定施設とその後の展開を含めて期待したいと思います。
コメント
ここは市有地の入札でしたが、市の最低入札金額はこの土地では破格の月30万前後だったので、市としては安く貸す代わりに民間の意見を幅広く集めようとしてたと感じます。
たしかに名古屋市は街づくりを主導してやっていくイメージは薄いですが、ここに関しては名古屋市もある程度力を入れたいのかな思いました。
暫定施設にはなると思いますが、三井主導の久屋公園と合わせて多くの人が集まる開けた施設となることをことを願ってます。