名鉄名古屋駅再整備 2030年ごろ完成目指す

7月に入りました。梅雨が本格化してきましたね。この先10日くらいの天気を見てもずっと雨。なかなか取材もはかどりません。

先日、名鉄再開発について新社長に就任した高崎氏は、駅機能を2030年ごろに完成させたいと表明しました。この記事ではそのまとめをしたいと思います。

名鉄は、リニアが開業する2027年を目標に名古屋駅の4線化を完了させる計画でした。またその後の再開発案として、老朽化した名鉄百貨店や近鉄や日本生命笹島ビルなどを取り壊し、南北400mに渡る一体的な巨大ビルを計画していました。

しかし新型コロナウイルスにより鉄道などの旅客需要は激減。おまけにリニアも2027年開業が絶望視されるなど、名鉄を大きな逆風が襲いました。そこで一旦計画は棚上げに。スケジュールや規模を練り直すことになりました。

そして先日、新社長は2030年ごろの4線駅の機能完成を明らかにしました。他県から来た人が分かりづらいというのはコロナとは関係なく改善すべき課題ですから、中止にならなくて本当によかったです。

名鉄名古屋駅再開発が3年程度延期 再検討へ

skysclinear.com

2020-11-07 16:00

昨年11月に延期の情報が出たときの記事には新・名鉄名古屋駅の完成が2030年くらいではないかと書きましたが、その通りになりましたね。

次に再開発ビルについてですが新社長はインタビューで「全く変えないかと言われれば、そうではないかもしれない」と述べています。以前の別の記事でも「あの形にこだわっているわけではない」とあったので、壁ビルが変わる可能性もありそうです。

中に入る施設を見ていきます。低層部は商業、これは以前と変わりません。今回のインタビューでは、新しい時代を見据え、体験型など様々な要素を取り込むことを示唆しています。完成後は百貨店の形態をとらないかもしれませんが、目的地になるような人々を惹きつける施設になってほしいです。

高層部はオフィス、一部にホテルが入ります。新社長は外資系の高級ホテル誘致の可能性も示唆しています。

気になるのは全体の規模です。朝日新聞記事によると新社長は「あまり縮小すると事業性を悪化させる。大きく縮めることはできない」としています。私も上の記事で「需要は少しは減るかもしれないが、大きくは減らない」と書きました。今のところ大幅規模縮小の可能性は低いと考えていいと思います。

中日新聞にも「100年に一度のことで、別格」とありました。名鉄が名古屋駅の再開発を本丸と位置づけ、コロナ蔓延やリニア延期という逆風を受けて延期になっても、何とかやりきりたいという本気度が伝わってきます。

完成時期を予想するのは難しいです。上の記事の通りやはり2033～2035年くらいでしょうか？ただし一部を先行開業させる可能性も示しています。

また、インタビューでは沿線開発に力を入れていくことも明らかにしています。具体例として岐阜、岡崎を挙げ「歴史的、文化的な資源をうまく取り入れたデザインや業態を企画し、商業、住宅、オフィスなどを、拠点となる駅ごとに開発したい」と述べています。

既に名鉄は沿線のマンションやミュープラットなどの開発を推し進めていますが、今後はそのような不動産にさらに力を入れていくようです。大いに期待したいと思います。

そしてスカイルの再開発にも言及。新社長は「また分からないが、建物は年月が経っている。自社単独より、周囲の方々と連携した開発が必要になるだろう」と発言しています。同感です。栄の三越と丸栄に挟まれた一等地ですから、一体開発による高度利用が重要になるでしょう。

ただし完成時期は「名駅の再開発よりも時間はかかる思う」とのことです。他の地権者の意向もありますし、名駅もやって岐阜もやって岡崎もやってスカイルも、というのではさすがに名鉄の体力が持ちませんから、順番に着実に進めればいいと思います。となると2040年くらいに完成でしょうか？

ここまでまとめて思ったのは、やはり名鉄は今後の名古屋圏の再開発においてかなり重要な立ち位置を占めるということです。言うまでもなく名古屋駅はその本丸ですし、今後各沿線で進むであろう鉄道を中心としたまちづくりに名鉄の存在は欠かせません。またスカイルにも影響してきます。コロナに負けず何とか頑張ってほしいですね。