名古屋駅ー栄間 SRT試験走行を実施

名古屋市は、リニア開業に合わせた新時代の路面交通システム「SRT」の試験走行を、来月実施すると表明しました。SRTは、技術の先進性による快適な乗り心地やスムーズな乗降、洗練されたデザインなどのスマート(Smart)さを備え、路面(Roadway)を走ることでまちの回遊性や賑わいを生み出す、今までにない新しい移動手段(Transit)である、と説明されています。

試験走行が予定されているのは名古屋駅から栄の間です。連接バスや燃料電池バスなどの車両を用いて、市民にも親しみを持ってもらう計画のようです。リニア開業時には名古屋城や大須方面など、都心の幅広いエリアでSRTを開業させる予定です。

引用名古屋市 新たな路面公共交通システムの実現を目指して(PDFファイル)

車が優先になりがちな都心部において、地上の賑わいや回遊性は不足しがちです。そのため乗ってみたいと思えるような、周囲に賑わいが波及するような移動手段の導入必要性が叫ばれていました。またコロナ禍はあるものの長期的に見れば観光客の増加は間違いなく、大きな荷物を持っている人や高齢者でも移動しやすい、というのも重要な条件です。そのため地下鉄やバスではない、新しい交通システムを導入することになりました。

LRTでもよかったのですが、線路を敷設する必要があるため、工費が高くなります。また名古屋の街は道路が広いため、タイヤベースの交通システムとも親和性が高いです。そこに先進性、快適性、洗練性という付加価値を加え、BRTをさらに進化させた先進的な移動手段、SRTの導入が決定されました。

名古屋市の資料ではSRTが「横のエレベーター」と表現されています。面白い言い方だと思いました。完成すれば、名駅、栄、名古屋城、大須といった都心の主要観光地がシームレスに結ばれ、街の回遊性が向上し、賑わいが面的に広がることが期待されています。

車両も従来のバスではなく、未来を感じさせるようなデザインのものが使用されます。愛知万博で隊列走行していたIMTSのイメージが近いでしょうか。

停留所自体も街のアイコンとなるようなものに。バリアフリーな乗降環境や乗客に対する案内も充実させ、高頻度運行でストレスの少ない交通システムに。SRTは先進的な移動手段を目指します。

私が思うのは、わざわざSRTというからには基幹バスやBRTを大きく超えるシステムであってほしいという点です。ストレスフリーで、観光客目線でも市民目線でも「あれに乗ってみたい!」と思えるようなものを期待しています。名古屋市もそれを目指しているとは思いますが、課題もかなり多いため、どこまで実現できるのか正直不透明な部分もあると思います。

ただ、こうして実験段階まで来ているということは、割とがんばって計画が進んでいるということなのかもしれません。リニア開業時に、名古屋が世界に誇れる新しい路面交通システムが完成していることを期待したいと思います。

今後試験走行が行われたり、詳細情報が出てきたらさらに詳しく記事にまとめたいと思います。

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コメント

  1. 権兵衛 より:

    少し批判的になります…
    名古屋市は基幹バスやガイドウェイバスなど、目のつけどころはいいけど運用面がイマイチ…な既存交通システムがあります。
    これを見直しテコ入れして都心部に使えば、近いものができるんじゃないかと思うんですが
    そして他の施策との整合…基幹バスやメーグルはドニチエコきっぷも使えて地下鉄との親和性もいいです。また桜通や伏見通に自転車レーンを設けてレンタサイクルスポットを増やしているのも、広い名古屋の道路を逆手にとった良い施策と思っているのですが、このSRTと干渉してしまう気がします

    批判だけなのもあれなので、栄や名古屋城巡る路線だけでなく、例えば名古屋に散らばってるスタートアップ拠点間を結ぶ路線など発展に繋がる事業にもなることを期待します

    • ゆきなり より:

      確かに。出来てから時間が経ったガイドウェイバスや基幹バスは、すっかり話題にならなくなり、市民にとっても沿線に住んでいないとちっとも乗らない、存在感の薄い存在ですよね。特に基幹バスの東郊線は本数も減り、中央走行でもないことから“特別感”は何もなく、輝きも無いですね。

      名二環南東部が開通して随分経つのに側道にすら市バス路線は走らず、公共交通機関網について、名古屋市は他の政令市に比べてもかなり下手くそだと思います。

  2. よし より:

    やるならカルガリーのLRTのように、無料区間を
    設定して、ほんとにエレベーター感覚で気軽に利用で
    きるようにしてほしいですね。
    例えば、ゾーンで分けたとして、同一ゾーン内なら無料とか。

    • 鷲津砦 より:

      全区間、均一料金を考えているそうです
      一つ隣の停留所でも、則武新町〜大須くらい一気に移動しても200円とか、恐らくそういう感じに。

      市の主な狙いに、都心の観光地巡りや地下鉄の負荷分散への活用があるそうですから
      ゾーニング無料ですと、近い範囲内の回遊利用に留まり易くなり、また長距離乗る客は高めの運賃でSRT維持のコストを負担することになるので、少し適さないかもしれせんね

      どちらかというと、近距離移動には高くとも長距離移動には割安という料金体系にしたいのでは。

    • 鷲津砦 より:

      しれせんね → しれませんね

  3. ノボール より:

    こんなものなら要らないよ。金の無駄遣い。

  4. ジュラ より:

    基幹バス自体をSRTにしてほしいですね。

  5. おろろN より:

    今回のSRTにしろBRTにしろ走行空間への自家用車等の一般車両の進入をシャットアウト、つまり専用軌道化して定時運行を保証できねば未来的な形をした只の路線バスに過ぎなくなってしまうと思うのです。欧米で建設費が高いのにLRTが多いのは容易に一般車両の進入を防げるのも一因かと。勿論環境負荷の高い自動車では無いという象徴的な意義も有りますが。
    欲を言えばLRTもBRTも内包した複合的な交通機関として整備してもらいたいです。例えば名駅~納谷橋~伏見~栄~(久屋通経由)~矢場町~上前津の利用者の見込める区間は一般車道と分離されたLRT・BRT併用区間としてLRTの輸送力+列車間の路線バス走行による多頻度運行、それ以外はBRT的に整備して路線バス(連接含む)を乗り入らせて定時運行を確保できるようにすると良いのではないでしょうか。その際広小路の伏見栄間と久屋通北行車線の栄~矢場町間をモール化し、また自転車走行レーン(日本自動車工業会推奨形式)を主要道路に張り巡らすと欧州の先進都市にも見劣りしない交通環境負荷の少ない都市が実現できそうです。

    • カズダイ より:

      ピストン輸送できれば、東山線混雑の軽減にも繋がりますね。

  6. みそたま より:

    名古屋市 SRT試験走行を10月11日に
    https://www.kentsu.co.jp/webnews/html_top/201002300040.html
    試験走行を10月11日午後1時ごろに実施
    名古屋駅~栄(久屋大通公園)間を2時間程度周回

  7. お昼 より:

    街の賑わいを妨げる、邪魔な道路を減らす意味では歓迎

    でも、これただのバスだよね
    どれだけ効果があるのか微妙。

  8. tk より:

    私はSRTはどちらかというと観光戦略の一つと捉えています。
    ロンドンの二階建てバスとか、NYのフェリーやメルボルンの馬車など、乗り物に魅力があると、都市の観光力が向上します。
    たとえば、リニアに乗って東京から名古屋に来た観光客の視点で想像してみましょう。
    せっかく未来的な超高速鉄道を利用して名古屋に訪れたのに、名古屋の交通機関が古びた地下鉄やガソリン燃料バスしか走ってなかったら、ちょっとテンションが下がるかもしれない。
    ユニークでおしゃれなデザインの乗り物に乗って、観光スポットに行けたほうが旅行気分を保ちやすいでしょう。
    栄や名古屋城など観光スポットだけを整備するのではなく、乗り物など総合的にアップデートすることが重要と思います。