津駅は三重県の県庁所在地のターミナル駅です。JRと近鉄が一体的に乗り入れ、バスやタクシーなども集まる交通の結節点となっています。
当ブログで津を扱うのは初めてですね。というか津で降りたのは仕事で一度だけあるだけで、実質はじめてに近いかもしれません。
ちなみにこの日は前回記事化した四日市のあと津と取材したのち、海路で中部国際空港へと向かいました。これも初の利用でした。津エアポートラインは意外と人が乗っていて需要があるのを実感しました。近々空港も記事化します。
長らくターミナルとして利用されてきた津駅ですが、施設の老朽化は免れず、また高架駅でもないため線路による東西の分断も課題として残っていました。そこで三重県や津市などは古くなった施設の一新と利便性の向上などを目指し、周辺の再整備を計画。この度将来ビジョンが示されることになりました。

引用津市 津駅周辺基盤整備の方向性(ビジョン)を策定しました
これがイメージです。中央に大型のビルが整備されています。マンションではなくオフィス用途っぽい外観に見えます。ちなみに右に見えるのは2001年に再開発で完成した「アスト津」です。低層部は商業、中層部にオフィス、高層部にホテルが入っています。18階・94.63mで、延床は5万あまりの大型ビルです。今回想定のビルは同じかそれより大きな規模に見えます。
2階レベルにはペデストリアンデッキが広がります。その下に交通ターミナルという構成です。1階はバスやタクシーなどの空間というのは今までと同じですが、歩行者のための空間が2階に大きく広がることになります。岐阜、豊橋、豊田など、名古屋の郊外はこのパターンの駅前が多い気がします。
もちろんまだ確定ではありません。今ちょうどサウンディング市場調査が行われており。今後事業が徐々に確定していく感じでしょう。完成時期などは示されていませんが、もしこの高層ビルが整備される案なら完成は早くとも今から10年後くらいかと思われます。

こちらが現在の駅前の様子です。歩いている人がそこそこいますが、賑わいがあるというほどではありません。駅前の整備によってイベントスペースや店舗が増えることにより、人々の交流が盛んになることを期待したいです。
ここに国が進めるバスタプロジェクトを誘致しようという動きもあります。三重県としては四日市に次ぐ2例目となります。

駅前はさすがに県庁所在地だけあってオフィスビルが並びます。しかし少し離れるとその量は少なくなります。最もオフィスが集積しているのは津城に近いあたりです。駅と中心市街地が離れているのは城下町あるあるです。
歩行者利便増進道路制度(ほこみち制度)の導入に向けた調査も行われます。賑わいのある道路空間創出のための道路の指定制度として最近創設されたこの制度は、テーブルやイス、イベントなど多様な道路空間の活用が可能にし、賑わい創出へとつながります。

こちらは西口です。東口に比べると完全に裏口という感じです。駅前すぐに三重県護国神社が存在するのもあって、ロータリーもかなり小規模で、ローカル感が漂います。
西口はそれほど大きな改修はされない見込みですが、東口とを結ぶ東西自由通路を整備する計画はあります。現在は暗い地下通路となっている西と東との連絡を、明るくて利用しやすい上空の通路とする構想です。
多様な交通機能を集約させた交通ターミナルと複合建築物の整備は、賑わいの創出や利便性向上、さらには防災機能などの面でも大きな価値があることでしょう。それが津の魅力向上にもつながっていくと思います。三重の県庁所在地として今後盛り上がっていくといいですね。