岐阜でLRTの構想が動いています。最初にこの計画が出たのは数か月前だったと思います。そのときはずいぶん急で本気度がそれほど高くなく、まだまだイメージ構想の域を出ないと思っていました。
しかしここ数か月の間に後追い報道が次々と出てきて、最近ではパースが出てきたり、3000万円の調査費が盛り込まれるなど、予想以上に動きが活発化しています。ここまで本格的に動き出すとは思いませんでした。
まずはLRT構想の出ているルートを確認していきましょう。こちら岐阜県がイメージしている図です。
引用岐阜県ホームページ 新たな交通システム整備の考え(PDFファイル)
こうしてみると、岐阜駅と中心として、①駅と柳ケ瀬付近を結ぶ市内中心部ルート、②岐阜IC方面に向かう北部ルート、③岐阜県庁を経て岐阜羽島駅に向かう南部ルートの3つに大きく分けられます。名称は便宜的に付けたものですが、以下この名称でいきます。
①の中心部ルートは駅から少し離れている柳ケ瀬、市庁舎、メディアコスモスなどを結ぶ路線として機能するでしょう。中心部がバスがたくさん走っており、定時性のあるLRTに一定程度置き換わることが想定されます。
②の北部ルートは岐阜ICに向かいます。ただ高速のインターというよりはこの付近に岐阜大学のキャンパスがあるのでそこがターゲットになっているのでしょう。
③の南部ルートは岐阜羽島駅に向かいます。距離としては一番長いです。途中岐阜県庁を通ります。通勤需要が一定程度見込めるでしょう。
岐阜駅前のパースです。1面2線の路面電車の乗り場ができています。これを見ると駅部以外は単線で整備されるようです。①の中心部ルートは単線の一方通行の循環運転になるのでしょうか。
正直こういうパースが出てくること自体が驚きました。最初にも書きましたが構想程度のものだと思っていたのですが、結構本気度が高いということです。今後ますます注目です。
今回LRT検討に入ったのはやはり宇都宮LRTの成功があったためでしょう。路面電車は時代遅れと言われてきましたが、そうやって言う方が時代遅れになってきています。今では中規模輸送機関としてLRT含む路面電車は注目を浴びています。
そもそも岐阜には20年前まで路面電車がありました。モータリゼーションの流れで消えてしまいましたが、これを復活させ街にふたたび賑わいを取り戻そうという考えだと思います。
完成はおおよそ10年後の想定。というと2035年ということになります。おそらくこれはかなり順調に行った場合でしょう。いろいろな手続きや工事期間を考えるともっと遅くなる可能性の方が高いと思います。
こちらは長良川を渡るLRT車両です。金華山と岐阜城とのコラボは絵になります。これを見るとやはりここも単線に見えます。
運行間隔は10分くらいでしょうか。それなら駅部で交換設備を設ければ単線でも行けると思われます。建設費が高止まりする中、少しでもコストカットしたいのは当然の考えです。
報道を見ているとどちらかと言うと岐阜県が前のめりで、岐阜市は慎重姿勢のように見えます。市は名鉄の高架化などでただでさえ多額の予算が必要な状況なので、LRT整備の費用も考えると簡単に進めるわけにはいかないのでしょう。ただし市長は「反対しているわけではない」としており、条件さえと問えば前に進む可能性も十分あります。
ただし③のうちの県庁~岐阜羽島駅ルートはあまり需要がないと思います。周辺の人口密度が低く、沿線に特に大きな施設もないので厳しいでしょう。そもそも名鉄羽島線と競合しています。岐阜羽島との接続は今ある路線を生かした方が賢明です。
他は需要やルート選定次第で可能性はあるとも思います。実現したら一度路面電車が廃止された街にLRTが導入という初の例となります。今後の進捗を見守りたいです。
コメント
岐阜のLRT構想は夢があっていいですが少々虚しさもありますね。
であるなら名鉄の岐阜市内線や美濃町線などの全廃は返す返すも惜しいと思えてしまいます。関方面からは軌道を経由して各務原線に入り名鉄岐阜駅まで乗り入れていたし、少々離れているJRと名鉄の岐阜駅を結び、長良橋方面、揖斐・谷汲方面へ路線を伸ばしていました。まさに現代で言うLRTの原型がずいぶん昔から岐阜には存在していたわけですし。
そういう経緯があるためこの構想に抵抗がある市民が少ないくないでしょう。宇都宮のほか広島や富山などLPT化の推進が昨今目立ちますが、岐阜が実現に至るかは微妙かと思いますね。少なくとも岐阜羽島と繋ぐ必要性は感じません。
北部ルートも大学生メインと考えると需要はあっても採算がとれるかは厳しそうにおもえます。
沿線に工場誘致等が進めば変わるとはおもいますが。
岐阜市にLRG構想イメージ公開なら声優の山寺宏一さんは答えているんだ❣️