柳橋駅設置見送りへ 代わりにSRT停留所を検討

2月末、市は東山線の柳橋駅設置の調査について、高騰する建設費を回収できる見込みがつかず、構想を凍結すると発表しました。

柳橋はちょうど名駅と伏見の中間地点にあり、1957年の東山線開業の頃から何度も駅設置の検討がなされてきた経緯があります。今回は代替案としてSRTの停留所を検討します。詳細にみていきましょう。

柳橋駅はちょうど写真のあたりです。東山線は錦通を通っているので江川線と交差するちょうどこのあたりが予定地でした。高速道路の高架が見えますが、物理的には設置が可能とされ、あとは費用との兼ね合いが問題でした。

市は、大手デベロッパーが建設費の一部を負担した虎ノ門ヒルズ駅を参考に、民間資金の活用も模索したようです。しかし手を挙げる事業者はなし。老朽化した柳橋の市場とからめて一体開発し、新しいグルメタウンなんかにしたら面白いと思ったのですが、費用対効果が見込めなかったと思われます。

当初は150億円が必要とされてきましたが、建設費の高騰で200億円超になるというのも影響したようです。ここ最近建設費の上昇はすさまじく、全国の再開発の足かせになっているのは間違いありません。

今回のポイントは、住宅都市局がそのような判断を下したことだと思います。以前は、営業を担うことになる交通局は赤字を理由に消極的だったものの、住宅都市局が設置に向けた積極姿勢を見せていました。しかし今回は住宅都市局も中止の意向を示しました。これで推進派の部署はなくなりました。

私としては設置を期待していたので残念な結果になったと思いました。ただツイッターなどを見てみると、再開発好きの中でも柳橋駅の是非は意見が割れていたのが印象的でした。反対意見として所要時間が増える、混雑が悪化するなどを挙げている人が多いです。投資は賛成だが柳橋駅をやるくらいなら他のことに金をかけるべきという意見も見られました。

こちらは6年前の記事です。当時のコメントを見てみても、やはり賛成派と微妙派が入り乱れているような感じでした。ただやはり柳橋市場との一体的な開発をすれば中長期的にはプラスになると思ったので推進してほしかったです。

柳橋駅実現へ前進？市が建設に向け強い意向

skysclinear.com

2019-03-12 17:14

市は代わりの案としてSRTの停留所を設置する計画です。これは去年出てきたSRTのルート案ですが、柳橋は東向きルートで停留所が書かれています。名古屋駅から柳橋へ行きたい人はこれに乗ってくださいということでしょう。

個人的にはSRTは車両のデザインはいいですが、他がショボくて不安になります。本数が少なすぎ、定時性に問題あり、（柳橋駅と直接関係はないですが）名駅と栄の再整備計画と全くリンクしていないなどです。

一つ言えるのは、SRTの新設によって柳橋駅設置からはより遠ざかる可能性が高まったということです。せっかくSRTを作ったのだから新駅なんかよりそれを活用せよという流れになるのは自然です。よって柳橋駅構想が浮上することは少なくとも向こう半世紀くらいはないと思います。

今回残念な形になりましたが、柳橋周辺の再開発は進んでほしいと思いました。