2月17日、中部国際空港セントレアは開港20周年を迎えました。愛知万博と同じ2005年に開港したセントレアは、名古屋・中部地方の玄関口として多くの人々に利用されてきました。今回はその状況と今後の展望をお伝えしたいと思います。
キャッチコピーは「夢見るハタチ、セントレア」とのことで、20周年を迎えた空港をこれから未来に向かって歩みだす人間の二十歳になぞらえています。空港内では関連する様々なイベントが行われています。
20年前に開業したときはメインターミナルがあるだけで、他には大した施設はありませんでした。10年くらいはその状態が続きましたが、Flight of Dreamsや愛知県国際展示場、LCC用ターミナルなど、新施設が相次いで完成、遊んで楽しめる空港となりました。
当初利用者数は1200万人程度で推移していましたが、2008年リーマンショックで大きく落ち込みました。その後しばらく低調でしたが、上記のような施設ができたことやインバウンドのブームがあって成長フェーズに入り、再び1200万人を超えるようになりました。
しかし2020年にはコロナショックで撃沈。一時は国際線がゼロになるなど、移動が制限されるコロナはリーマンとは比較にならないほどダメージを与えました。その後徐々に回復が進み、インバウンドの再開もあって利用者増の傾向が続いています。
2024年の利用者数は1000万人は超えましたが、コロナ前には届いていません。緩やかな回復傾向は続いているものの、動きは鈍いです。1年半くらい前こんな記事を書きました。このときより利用者数は当然多いですが、傾向は似たような感じだと思います。

さらっと概況を述べます。ソウルを中心に韓国便はほぼ回復済み。釜山は大韓航空が一時運休に入りますが代わりにジンエアーが就航します。最近はエアロKが清州に就航したりもしています。
中国便は回復が鈍いです。渡航制限が緩和された割にはあまり増便の話を聞きません。コロナ前と比べてだいぶ少ないという体感です。香港は春からキャセイがトリプルデイリー化しますし、台湾も順調だと思います。
ベトナム、シンガポールあたりはだいぶ回復しています。タイは微妙ですね。春から深夜便がなくなりますし、便数もコロナ前と比べれば寂しい水準です。
長距離は春からフィンエアーが週4で再開、夏からはホノルルがデイリー化の明るいニュースもあります。しかしこれでもう満足とはいかないでしょう。さらなる長距離便誘致を進めていく必要があります。
他の空港を見てみると、コロナ前を大きく超えて過去最高になっている空港もあります。これらと比べて中部が出遅れているのは間違いないでしょう。
国内線の減便も気になります。特に熊本便は完全になくなります。搭乗率は70%を超えていたので悪くない水準だったのですが。その他も減便が相次ぎます。
以前グラハンなどの人員確保ができず需要を取りこぼしているという話題がありましたが、あれはもう解決したのでしょうか。そういうニュースは最近聞かないので、さすがに解消されているのでしょうかね。
次にこれからの状況です。一番大きい事業は何と言っても代替滑走路プロジェクトでしょう。先日事業費が145億円から226億円になるというニュースがありました。これもまた人材確保や建築費の高騰が理由です。いたるところにその余波が来ています。
しかし代替滑走路ができるということはメンテナンスの面や不測の事態で一本を閉鎖する事態になった時のバックアップが可能になり、非常に大きな効果があります。200億ちょっとでてきるならさっさとやったほうがいいです。
工期は2025年から2027年です。新規埋め立ては行わずに既存の誘導路を改修するだけなので安く済みます。その後沖合滑走路の計画もありますが、それは中長期的な課題となります。こちらは発着回数が増える意味あいが強く、今の状況では微妙です。とはいえ名古屋港の浚渫土の問題もあるため、埋め立てを行うのは合理的です。
ひとまず1000万人は回復しました。次は1300万人で過去最高を目指していく必要があります。その後さらなる飛躍を願いたいです。
コメント
小牧廃港待ったなし!
行ける所がこれから増えていけばお客さんもまたどんどん増えていくと思います!
2本目の滑走路を作る事により、片方の滑走路の補修時でも空港を24時間運用出来るようになるのは素晴らしい事だと思います。
後は行ける場所を増やしてわざわざ羽田まで行かなくてもセントレアだけで全てをすませられるようになればおのずと売上や利益もピークを越えられると思います。
愛知スカイエキスポもより利用されるようになっていけば良いと思います。
https://mainichi.jp/articles/20250214/k00/00m/040/255000c
顧客満足度も10年連続世界一位ですし頑張ってほしいです!