あつたnagAya1期が開業!徹底レポート

9月6日、名鉄神宮前で進められていた再開発「あつたnagAya」が開業しました。その様子を徹底レポートしていきます。

あつたnagAyaはパレマルシェがあった跡地に完成しました。熱田神宮の最寄りということで木造平屋をコンセプトとして計画されました。

今回は1期開業に相当します。2期開業は今年12月の予定です。なお当初開業は9月1日の予定でしたが台風の影響で少し延期になっていました。

nagAyaは長屋から来ていますが「がや」というのが名古屋弁の語尾も連想させます。Aが大文字なのは長屋の屋根をかたどったものです。なんとなくナナちゃん人形みたいな感じもしていいセンスだと思います。

主に2つの建物で構成されており、写真右の和風の曲線屋根で長屋状にになっているのが「弐の戸」です。左奥に見える四角い建物は「壱の戸」で、内部にいくつかの店舗が入っています。

ラインナップは飲食やスイーツ、物販などで、ほとんど地元の店舗が中心で入っています。都会的というよりはローカル色の濃い感じです。

熱田神宮の近くということもあり、高層化ではなく平屋としたのはポイントが高いです。そしてただの平屋ではなく木造の和風を前面に出した意匠も高評価です。

屋根の下はすべてが店舗ではなく、抜けの空間も存在します。この適度な抜け感が開放感を生んでいました。柱の下はベンチになっておりゆったりもできます。

壱の戸と弐の戸の間は芝生が広がっており、木製の椅子もたくさん並んでいます。小規模ながら落ち着ける工夫が施されていいですね。オープンまもないため家族連れの姿が多く見られ、とても素敵な施設ができたなと思いました。

熱田神宮は年間数百万人が訪れる有力なスポットです。市民からするとそういう感覚があまりないのですが、今回の施設はその玄関口を整備する一歩として、大きな歩みだと思います。

壱の戸の奥に見えるのは神宮前駅の仮駅舎です。壱の戸が四角いのでそれと並ぶと開業前に懸念していたほどの違和感はあまりありませんでした。まあおそらく暫定だと思うのでいずれ解体などされると思っています。

最も南側は2期開業エリアなのでまだ工事中でした。こちらも楽しみですね。

その南に立体パーキングが見えます。名鉄はここも開発エリアとして検討しているようです。まだ具体案はわかりませんが今後に期待です。

サイン類も洗練されていていいですね。黒のプレートが特徴的な曲線屋根を再現しているのでしょう。センスが光ります。

また照明類、配線類もあまり目立たないように工夫されていました。木造の雰囲気をできるだけ壊さない設計で好感を持てました。

抜けの空間では野菜の直売などが行われていました。飾らないというか、高級感とは無縁の等身大の日常が感じられます。だれでもが楽しめる施設でこれまた好印象です。

ということで名鉄はいい仕事をしたと思いますが、周辺整備に課題があるとも感じました。1つ目は写真のように車路の部分が無駄に広いです。ここをもっと縮小し、歩行者空間を増やしてほしいです。パースではもっと歩道が広かったのですが・・・2期開業時には整備されるのかもしれません。

2つ目は熱田神宮への動線が微妙ということです。あつたnagAyaを抜けた後、あまり広くない歩道を歩いてから大通りを渡らなくてはなりません。ここをもう少し改善し歩行者にやさしくしてほしいです。これは行政の仕事です。

おまけです。壱の戸の裏に少し空間があります。電車がよく見えるスポットになっていました。

そして3つ目、最大の課題は周辺の再整備を進めるべきということです。あつたnagAyaはいい施設ですが、今はそれだけです。北側に行けば寂れたシャッター街があります。賑わいを広げていくにはこの場末感を改善する必要があります。

例えばあつたnagAyaと呼応する和風のものに建て替えるなどは有力な方法かと思います。滞在時間の長期化、観光拠点化のために宿泊施設の導入も検討してもいいかもしれません。さっきの熱田神宮への動線改善もそうですが、単体でいい施設があっても周りも整備していかないと魅力の向上は難しいです。

ただでさえシャッター街は老朽化しています。今このタイミングで動かない手はないと思います。実際まちづくり協議会が動いているという話も聞きますので、今後に期待したいと思います。

あつたnagAya、とてもいい施設です。まずは今回の開業が熱田神宮観光の大きな一歩になればと思います。開業おめでとうございます。

シェアする

フォローする