建築探訪 山梨文化会館

今日は建築巡りの記事と行きたいと思います。山梨文化会館は、甲府駅の北側にある建築です。設計は丹下健三。東京都庁なども手掛けた世界的な建築家です。

最後には絶景スポットなどおまけも紹介します。(写真はすべて1年前のもの)

全景です。8層を貫く力強い円柱が特徴的ですね。最近のガラスカーテンウォールのオフィスビルに見られるフラットな壁面とは正反対です。

この建物が完成したのは1960年代。日本がこれから目覚ましく発展していく時代です。そのため建物自体も生き物のように発展させていく、当時はそんな設計思想がありました。建物の一部に将来増築できるような余地をわざと残して建築され、実際あとで増築というか「建物が成長」していっています。

このような考え方をメタボリズムと言います。一番有名なのは黒川紀章の中銀カプセルタワーです。ついに解体されるそうなので一度見に行きたいのですが、コロナ禍でなかなか叶わなさそうですね。京都の国際会館も有名です。これらの建築にはメタボリズム独特の「動」が感じられると思います。

増築の他、時代に合わせた改修工事も進められています。2000年代に入ってからは老朽化が進んだ外装や手すりを一新。2016年には免震改修工事が完了し、この建物を長く将来に残していく「山梨文化会館100年計画」が進んでいます。

エントランスの様子です。この建物は山梨日日新聞の社屋と山梨放送グループの拠点として使われています。建設当時はこれに加えて印刷会社の社屋としての機能もありました。これら3社が独自性を発揮しつつ互いに協力できる拠点として建設されています。

空間デザインに自由度が高く、建物内にさまざまな通路が存在しています。自由に利用できる空中庭園もあり、今でこそ交流やそれに伴って生まれるイノベーションが注目されていますが、山梨文化会館の設計はその発想を先取りしていました。

2階はカフェです。一般の利用客が立ち入ることができるのは先ほどのエントランスとここくらいです。コロナ前は空中庭園も含めた見学ツアーなども開催されていたようなのですが・・・また再開するといいですね。

ちなみにアクセスは抜群で、甲府駅から徒歩1分です。手前に見えている建物は甲府城跡。駅周辺をちょっと観光してみるのも面白いかもしれません。

さらにアングルを変えるとタワマンのセインツ25も写ります。山梨県で一番高い建物(94m)です。メタボリズムの山梨文化会館、歴史的建造物の甲府城跡、現代的なタワーマンションの3つを一気に見ることができます。

ここからはおまけです。

富士吉田に富士山、桜、五重塔の一気に見渡せる新倉山浅間公園という絶景スポットがあります。富士急行の下吉田駅から徒歩圏(ちょっと階段は登りますが)です。本当に息をのむ景色で、今の時期おすすめです。

最後は山梨と言えばリニア実験施設です。こちらも富士急行で禾生駅から徒歩20分くらいです。500㎞で超高速走行するリニアが間近で見られます。なかなか迫力があり、展示施設も充実しているのでおすすめです。この車両が早く名古屋に来るといいですね。

いかがでしょうか。山梨文化会館は視覚的にも楽しいメタボリズムの建築です。当時の設計思想を踏まえながらめぐると面白さも倍増です。新倉山浅間公園やリニア館もぜひ行ってみてください。

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