鶴舞特集後編となる今回は、Park-PFIにより生まれ変わる鶴舞公園の話題です。市は1月14日、鶴舞公園整備運営事業提案候補者選定結果および認定した計画について公表しました。い一部老朽化している施設を更新し、さらなる魅力向上に向けてカフェなどが整備される予定です。完成は2023年です。
公園の中で店舗などが配置されたり、芝生が再整備されるのは、一部分のみです。大部分はそのままの姿をとどめる予定です。
私もこれでよいと思います。最近、民間活力を公園に導入する例が相次いでいますが、鶴舞公園は市民の憩いの場というか、どちらかといえば「静」の空間が多く、そういった場所も大切にしてほしいと思っていました。
これに対して久屋大通公園は店舗群や水盤を並べて賑わいを創出する「動」の空間が中心です。民間活力の導入というととかく「動」のイメージがありますが、落ち着ける空間を残しつつリニューアルする今回の計画は好印象です。
引用名古屋市 公募設置等計画(概要)(PDFファイル)
今回事業者に決定したのは地元、矢作地所などのグループです。全体の名称は「きっさこ鶴舞」となっています。きっさことは「喫茶去」と書き、分け隔てのない姿を伝える禅語です。多様な価値観を迎え入れながら、いつでも、だれでも立ち寄れるような姿を目指します。
上のパースは駅に近い部分です。様々な人々が集い、交流できる賑わいの拠点となるメインエントランスとなります。
カフェ、レストラン、インクルーシブな子どもの遊び場、鶴舞中央図書館と行き来できる園路や自転車駐輪場などを新たに整備し、豊かな賑わいを創出します。
名大病院に近い秋の池エリアです。秋の池に面する落ち着いた佇まいと、芝生広場に面する解放感を活かし、テラス席があるゆったりと飲食できるカフェ、グローサラント、ユニバーサルデザインの休憩所やトイレなどを整備します。
東側の熊沢山エリアです。小高い立地から竜ヶ池や菖蒲池、胡蝶ヶ池の眺望が楽しめるカウンター席を整備。イベント広場、四阿、ユニバーサルデザインのスロープなども整備され、市民交流の拠点となります。
パースを見ても樹木がかなり残っており、全体的に「静」の雰囲気が重視されていると感じました。憩いの場といった公園本来の機能を残しつつ、活力も出していく、そんな素敵な空間になりそうです。
ソフト面の取り組みでは、事業者が鶴舞公園の有する歴史や文化を尊重し、息づく樹木や花を市民とともに大切に育むことや、時代の変化や人々の多様性を踏まえた新しい取組みを付加することで、鶴舞公園をより価値や魅力のある場所に昇華し、後世に引き継いでいくことなどがあります。
また、歴史・文化・自然を生かした春夏秋冬の季節ごとのイベント、名木のライトアップや誘導照明灯の整備などの演出、案内地図サインの更新、SNSや広報誌による広報も進めていくとのことです。
2024年には隣接してステーションAiも誕生しますし、鶴舞は注目のエリアになってきました。今後の変化に期待です。