名古屋城木造復元 2022年完成を断念へ

天守閣の木造復元計画が進んでいる名古屋城。先週くらいからいろいろと動きが出てきたので特集したいと思います。

まず名古屋市が出していた解体申請について、文化庁は許可を見送りました。正確には解体許可が文化審議会で議題とならなかったようです。ここで許可が下りれば今年中に解体を開始し、2022年末にぎりぎり間に合う可能性もありましたが、今回の許可見送りで2022年末の完成は完全に不可能になったと言えます。

これに関して河村市長は6月21日の午後に会見。「木造復元の工期の見直しについて協議を進める」と発言し初めて2022年の完成を事実上断念する考えに言及しました。一方で「継続審議ということは、全体としては前進しているんじゃないですか」などと、あくまで計画は進行しているという点も強調しています。

このまま解体許可が得られず、時間だけが経過するという事態は避けなければならないことです。天守閣に入場できない期間が長期化すれば、それだけ観光にも影響を与えることが予想されます。去年は天守閣閉鎖にもかかわらず観光客数はかなり高水準でしたが、本丸御殿金シャチ横丁の集客効果があったためと思われます。

また、木材の調達もすでに始まっているため、保管のための費用もかさみます。下手をすれば全損になってしまう可能性もあり、そのときは莫大な金が水の泡と化します。

これに関連して、名城公園に設置予定だった木材の保管庫の建設費用が盛り込まれた補正予算案が、6月26日に取り下げられることになりました。解体許可が降りていないのに木材の保管庫を建設するのは理解が得られないという反対意見が相次いだためです。

ではどうするか。現実的に考えられるのは、ひとつは時間をかけて許可を得られるような計画を立案し復元を目指す方法です。というか、木造化を目指すならその道しかないでしょう。

もうひとつの方法は非常に簡単、諦めることです。ですがここまで来てやっぱりやめますということにはならないでしょう。名古屋城を公約に掲げた河村市長は前回の市長選で一応当選していますし、日経のアンケートでは6割が復元に賛成だったため、木造化は民意と言って差し支えありません。

正直、いつまでも許可を得られず、天守閣が存在するのに入場できないという状態がこれから長く続くなら、木造化はきっぱり諦めて、その分再開発などに重点的に投資してほしいとは思いますが・・・

24日には大村知事が国などとの調整役を担うことについて「やぶさかではない」と発言しています。これでどれほど変わるのかは未知数ですが、きちんと計画が進むならこれを拒む理由はありません。

一部の専門家からは2年以上の追加調査が必要という意見も出ており、今後の見通しはかな不透明です。

名古屋の活性化のためにはどうするべきなのか、木造化を達成するには何が必要か、各方面で知恵を絞ってほしいと思います。

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コメント

  1. より:

    なぜ許可が下りてこないのでしょうか…
    地方が発展して観光客が吸い取られてしまうのを嫌う中央の嫌がらせかな?

  2. より:

    名古屋の外来種自民党の嫌がらせ
    河村市長の市民を思う議員の給料下げ等々で河村市長に嫌がらせ
    世話になった河村市長を平然と裏切り自民党に身を売った大村知事に花持たすために筋書きが出来ている
    本当に自民党や大村知事は陰険
    名古屋の外来種自民党
    こいつらを何とかしないと名古屋の発展は遅れるばかり。

  3. ルーテン より:

    名古屋は中日新聞が基盤なのが大きく孤立してしまった原因と思います。
    ライバルマスコミが名古屋をわざと取り上げない。相手にしない。
    省庁をすべて東京に置くのもおかしい話
    日本人=東京人でない
    だから東京オリンピックも興味はないですね

  4.   より:

    目立った再開発もなく名古屋城も無理か
    やれたことといったら大通公園の木々伐採による避暑空間の排除くらいか。
    時代に逆行しすぎじゃないか名古屋

  5. おろろN より:

    文化財の復元となると現状の把握から関連する部分の保全の方法等、更地から新築するより時間がかかるのは仕方が無い事で。しかも調査の上で何かあれば追加調査など必要となるわけで予定通りにスケジュールが進まないと見たほうが良いかと。
    むしろ市長が急ぎ過ぎている部分がある。名古屋の顔の再建であるのなら一市長の任期を超えた長期プロジェクトとして取り組むべきでは。

  6. より:

    自民党の息のかかった東海テレビ等々の情報操作の市長叩きを鵜呑みにしてしまうくらいの知識で居る内がある意味幸せなのかも知れませんね。
    障害者をたき付け、文化財に根回し、市長はそれが分かるからまた議員の給料下げを出し悪循環
    名古屋城の問題は名古屋の事なんて何も考えてない自民党を市民で炙り出し、問題にしてやらないとなかなか解決しない。
    名古屋城だけじゃなく自民党は名古屋の発展の大きいな妨げになっています、色々知ると自民党がどれだけ市長や名古屋市民の癌かよく解ります。

  7. 田舎者 より:

    既得権益の巣窟、中央集権国家の官僚が日本のシロアリであり、地方都市が発展できない要因のひとつ。
    もう少し日本の官僚は、日本の国益を鑑みてもっと規制緩和するべきだ。

  8. 田舎者 より:

    追記ですが、日本のどの都市にも当てはまる事ですが、日本人は日本古来の文化を大切にしない傾向があります。
    あまりにも商業的に利益を追求し過ぎていると思います。