建築探訪 ひろしまおりづるタワー

いよいよ梅雨入りです。これから1か月余りの間、なかなかスカッと晴れる日は少ないでしょう。私としては雨はもちろん曇りでも取材のモチベーションが下がります。やはり青空の下で取材はしたいですね。早く梅雨が明けてほしいと思います。

今回と次回は広島編の後編をお届けします。広島編は当初は旅行記、建築、再開発の3本立ての予定でしたが、思いのほか写真が多くなった旅行編を2回に分割、その後にいくつか名古屋の再開発ニュースが出たので、残りの建築と再開発の記事の投稿を延期していました。

ということで今回は広島の建築をレポートします。建築めぐりはかなり久しぶり、というか1年以上ぶりですね。たまには息抜きにこんな記事も良いのではないかと思うのでどうぞお付き合いください。

今回訪れたのは「ひろしまおりづるタワー」です。設計は三分一博志。主に瀬戸内を中心に活動している有名な建築家です。香川県の直島などにも多数作品を残しています。

おりづるタワー全体の様子です。実はこのビルは以前は何の変哲もない普通のビルでした。名古屋で言えば栄の明治安田生命ビルの外観に近いです。

それが数年前に大改修されて現在の姿になりました。築年月を考えれば建て替えという選択もあったはずですが、原爆ドーム隣接という周辺環境などが考慮され、建て替えではなく改修という選択肢が取られたようです。

構成は1階が土産売り場、2階から11階まではオフィス、12階と13階が有料ゾーン(展望施設)となっています。

三分一博志は周辺環境や水、風などの自然を大きなコンテクストで捉え、それらに溶け込ませるような建築を生み出します。このおりづるタワーも建物自体を小さな丘とみなし、平和記念公園から繋がる自然地形の連続と考えました。

13階の「ひろしまの丘」の様子です。外に向かってなだらかな坂になっています。心地よい風を受けながら景色を楽しむことができる非常に過ごしやすい空間です。

展望台でこのように木や緑など自然の素材が使われている中で寝そべることのできる場所は珍しいです。ミッドランドスクエアのような200m超の地形をも把握できるような高さから見下ろすのも良いですが、これくらいの高さから思い切り寛ぎながら見るのもいいものです。

といっても50m程度の高さでも景色は良好です。こちらは北側の様子。右には旅行編で紹介した広島城が見えています。

下は広島市民球場の跡地です。暫定的にイベント広場になっていますが、開催中のイベントはとても盛り上がっていて、活気ある広島のパワーを感じました。

12階の「おりづる広場」の様子です。平和をテーマにした展示や体験が中心ですが、旅行編で紹介した平和資料館よりはだいぶソフトな内容なので、それほど身構えずに見ることができます。

この12階、13階が有料ゾーンで、料金は1700円です。あべのハルカスが1500円だったと思うので、ちょっと高いですね。

1階から有料ゾーンまではエレベーターで行くのが基本ですが、スロープ「散歩坂」を使って行くこともできます。途中には小さな子供も楽しめる滑り台などが設置されていたり、フロアごとに壁のパターンが変わっていたりして、長い坂道でも飽きることはありません。

いかがでしょうか。ひろしまおりづるタワーは自然と平和の融合した、全く新しい展望施設です。料金は少し高いですが、行ったことのない方はぜひ足を運んでみてください。

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