2月15日、中部日本ビルディング社と中日新聞社は、現ビルを取り壊した跡地に建設する新ビルの基本計画をまとめ、名古屋市に提案書を提出しました。これにより明かされていなかったパースを含む新情報が判明しました。
新ビルの規模は31階・170mで延床11万3千平米です。完成は2024年度の予定です。
引用中日ビル建て替えの基本計画について(リンク切れ、PDFファイル)
そしてこちらが新ビルのパースです。カッコいい!
今までの名古屋の超高層ビルに無かった重厚なデザインです。新丸ビルや二重橋ビルを彷彿とさせます。文字通り栄のランドマークになりますね!
それでは今回発表された新中日ビルの特色を細かく見ていきましょう。
①半世紀の記憶を継承しつつ高層化
低層部は現在の重厚な雰囲気を残し、軒線を他の久屋大通沿いのビルと揃えています。高層部は格子状のフレームをまとってシンボリックな姿に。先述しましたが、このようなデザインの超高層はこれまで名古屋になかったので、非常に期待できます。細くなっている部分がホテルです。
劇場木製反響壁やモザイク天井画といった旧ビルで長年親しまれていた作品が新ビルに活用されます。またパースの低層部屋上には円形の物体が確認できますが、これは回転レストランの外観イメージが活用されたものです。新ビルでは旧ビルの記憶や歴史を継承していく計画です。
②交流、発信をいざなう新たな仕掛け
高層部にはホテルを誘致し、新展望レストランを会食と語らいの場にする計画です。また新設される多目的ホールはビジネス利用も可能な形になります。新ビルはさまざま交流や発信の拠点を担うことになります。
③久屋大通公園との響きあいと連携
新ビルの1階歩道側には店舗を配し、歩いて楽しい回遊性のあるまちづくりに貢献します。7階の屋上は誰もが楽しめる展望スポットになります。回転レストランのイメージとどう結びついていくか注目です。
内部には地下街直結の吹き抜け空間が設けられます。今後再整備が予定される久屋大通公園での催しとも連携することを想定しています。
フロア構成を見ていきます。
まず上からホテルとなりますが、ここはロイヤルパークホテルズの宿泊主体型で、約250室を想定しているようです。私は外資系高級ホテルを期待、国内資本でもかなり上位クラスのホテルを期待していたので、やや肩透かしを受けた感があります。栄地区においてこの圧倒的な高さと眺望があれば外資系でも勝負できると思うのですが・・・
23階のロビー(約120m)にはレストランが設置されます。どの方向を向いてもほとんどのビルを見下ろせる高さです。完成したら一度行ってみたいですね。
次はオフィス。ワンフロアの面積は2300平米(≒700坪)で、これは名駅のビルとほぼ同水準です。これが14層あり、全部で3万2千平米を供給します。
コアはどちらになるのでしょうか。一般的には西日とその空調負荷対策で西側に設けられることが多いですが、ビルの顔となる久屋大通側というのはなさそうです。
7階は屋上庭園です。先述しましたが、円形の構造物とどうリンクしていくのか気になります。またパースを見ると高層部の下の部分にも庭園が広がっているように見えます。大名古屋ビルよりもかなり広い空間が確保されるのではないかと思います。
そのすぐ下の6階には多目的ホールが設置されます。可動式の約600席で、エンタメからビジネスまで幅広い利用を想定しています。新ビルが栄の交流拠点となることを期待したいですね。
4階と5階は集客、来店形オフィスとなっています。大名古屋ビルのような金融機関や企業のショールームが入るのではないかと思います。
地下1階から3階までは商業施設。魅力ある飲食、物販店の集積を目指します。1階レベルでは、東西南北に通り抜け通路を設け回遊性を高めます。
地下2階、3階は駐車場、さらにその下には地域冷暖房施設が設置されます。新ビルは環境性能でも高い水準を目指します。
設計と施工は竹中工務店の予定です。シルバーマストのタワークレーンが林立する姿を想像するだけでも楽しみです。
各種マネジメントは三菱地所が担当しています。外観の雰囲気が地所っぽいのはそのためと思われます。大名古屋ビルとの共通点もいくつか見つけることができます。
ついに明らかになった新中日ビル計画。今まで名古屋に無かった重厚な超高層ビルの誕生は栄に革命を起こすことになるでしょう。完成は2024年度、本当に楽しみですね!
コメント
ついに、待ってましたって感じですね!!
栄に高層ビルが建てば賑わいに繋がりますよね。久屋大通の再開発もありますし、この調子でほかのビルも新陳代謝して、どんどん再開発が進む事を願います!
先陣を切って栄に超高層を建てる決断をしてくれた中日には感謝しかありませんね。
検討している回転レストランの外観が良いアクセントになってくれればと思います。
この低層部と高層部が区切られたデザインは三菱地所の典型的オフィスビルですね。伏見や丸ノ内ならともかくこの立地には真面目過ぎると言えなくもないですね。テナントホテルのグレードがこの水準に落ち着いてしまった点も残念です。
構成も表面のデザインも、ザ・三菱地所って感じですよね笑
立派な計画には違いないのですが、久屋大通沿いですからもう少し華のあるデザインにしてよかった気も。
モザイク画はイベントスペースの天井に来そうかな
東西南北の通り抜け通路は、人の動線を伸ばして名鉄パーキングの土地をただの裏手とさせず、将来の開発の後押しになるでしょうね
私はこの重厚なデザイン好きです。
華やかさに欠けるのはその通りですがそれは栄広場の方に期待しましょう。
しかしよく見るとこのデザイン、色を変えるとあべのハルカスに見えなくもないですね
今の中日ビル近辺はすこしゴミゴミした感じがします
地下鉄・地下街の出口がごく近いところに何個もあるためでしょうか
一体的に開発できると街としてすっきりするのですが
先ずはシンボルとしてこの開発は大事じゃないですか?
たしかバスターミナルも公園として再整備されますし
そうすれば人の行き来が寸断されていた三越やラシック側と
繋がると思います。
更に栄広場にもう一つの目玉の大丸松坂屋のビルが建ちますし
人の往来が増えてより人が来るようになると
再開発しようって言う気運も高まってくると思います。
場所柄もう少し遊びや華やぎが感じられるビルになると良いのですが、まあまだイメージなので此れから変わっていく可能性も在りますね。ただ栄地区に高層ビルが増えていくと東山線や名城線の輸送力で対応できるのでしょうか?
栄地区みたいな古くて保守的なデザインのビルばかりの所に奇抜なデザインや派手なデザインの高層ビルは似合わないと思ってたので
今回のシックで重厚なデザインは良いと思います。the三菱地所ですね。
東京新聞版の方には反対側からの画像が載ってましたが、あの場所にあの高さはやっぱりインパクト大ですね。まデザインは広小路クロスタワーの拡大版みたいでで面白みにはかけますが。また上空からのカットでは高層部がL字に見えるんですが裏側がシンフォニー豊田ビルみたいにはならない事を祈るばかりです。
これは朗報!デザインも良い!
ただ、世間とずれてる名古屋のことだから、170mから150mに縮小されそう…
計画提案に係る都市計画の素案の閲覧(都市再生特別地区/栄四丁目1番地区)
http://www.city.nagoya.jp/jutakutoshi/page/0000114637.html
個人的には、この中層部で細くなるのが少し気に入らない。まあ上がホテルで、下は面積を確保したいオフィスですから、仕方がないとこではある。
ホテルブランドは、ガチガチの外資系高級ブランドではないが、許容範囲かと。今の時代、高級ホテル=フルサービス型ではない。
事実、東阪では宿泊主体型に近い外資系高級ホテルもある。また、下層階に入るホールや会議室との連携も視野に入れれば、単純な宿泊主体型とも言い切れない。
また、他のコメントにある通り、新設される東側通路が、南東側のコインパーキング再開発の呼び水になることを期待します。
計画書の1.1haって、容積率緩和がなされる区域なのかな?
中日ビルの敷地より遥かに大きい気がするけどどういうことなのですか?
教えていただけると有りがたいです。
どうも公道の一部を含めた数字になってますね。公道に建物を建てるわけにもいかないですし、容積移転などもできないと思われます。
しかし、関連する公道の一部は指定区域に含めていいんですね。知りませんでしたし、見落としてました。
改めて歌舞伎町の指定図書を見ると、周囲の公道が指定区域になっており、それで0.5haの要件を満たしています。
つまり、栄角地でも同じような再開発を行えば、北東のビルを巻き込まなくてもいいということ。
栄角地も都市再生特別地区となると、楽しみになってきますね。
公道の一部も含めていいとはとても以外でした。栄角地は公道を含めれば0.5haを越せますし、明治屋のところも囲い方によっては0.5ha程度にできるかもしれないですね。
今後が楽しみです(笑)
ご回答ありがとうございます。
東京の丸ビルや大名古屋ビルヂングが、旧建物の雰囲気を残していて、いいなぁって思っていたので、中日ビルも同じ様な感じに仕上がるのはいいなって思います。
後は栄公園、丸栄跡地、明治屋ビル跡地がどう変貌するか、ですね。
国際ホテルはその後かなぁ?