怒涛の巨大開発!オリンピックで変わる湾岸地区

今回からようやく東京編をお伝えします。東京の様子をお伝えするのはほぼ1年ぶりですが、行ったのは実は8月末です。いろいろやっているうちに公開まで1か月以上経ってしまいました。

昨年は新宿と渋谷でしたが、今回は湾岸エリアを前編後編に渡ってお伝えします。前編は晴海、有明、豊洲。このあたりは激変期を迎える東京の中でも最もダイナミックな変化が見られるエリアです。

理由は言うまでもなく東京オリンピックです。大会まで2年を切った今、工事の勢いが最盛期に達しています。

まずは有明エリア。有明は東京オリンピックの会場となる施設が集積しています。例えば既存の有明テニスの森はテニスの会場になります。またバレーボール会場となる有明アリーナや有明体操競技場なども新設される予定です。

建設中の有明アリーナをズーム。オリンピック終了後も恒久的に利用され、次代へつなぐレガシーを目指します。

住友不動産が進める有明北3-1街区はタワーマンションを核とした巨大複合施設です。写真奥に見えるトリプルタワマンの他にも、手前にはイベントホールやホテル、商業施設などが整備され、この街区だけでひとつの街のようになります。立ち並ぶクレーンが壮観です。2020年完成予定です。

続いては豊洲エリア。三井不動産が進める豊洲2丁目駅前地区再開発2-1街区は、同社の一連の豊洲再開発の集大成プロジェクトです。この計画以前にも三井不動産はららぽーとやタワマンを整備してきました。今回、オフィスや商業施設やホテルを整備することで、同社が目指す職住遊学一体の生活エリアが実現します。2020年完成予定です。

タワークレーン6基は迫力があります。手前の公園は家族連れなどで賑わっていました。ビルばかりでなく、ゆったりできるような空間整備も重要です。

東急不動産が進める豊洲地区1-1街区開発計画はタワーマンションが中心の再開発です。保育施設や生活便利施設も併設予定です。まだ着工していません。

引用東急不動産ニュースリリース(PDFファイル)

完成予想図です。白黒のモノトーンがカッコいいですね。2022年完成予定です。

続いては晴海エリア。長らくトリトンスクエアがランドマークでしたが、近年DEUX TOURSなどタワーマンションが出現してきました。そしてタワマンラッシュはさらに勢いを増しています。

パークタワー晴海は三井不動産によるタワーマンションです。足元にはテーマの異なる5つの公園が配置され、住民の憩いの場となる予定です。

ザ・パークハウス晴海タワーズ(手前からティアロレジデンス・クロノレジデンス)との並びです。水辺とタワマンのコントラストがいい感じです。

東京オリンピックの選手村が建設されるのもこの晴海エリアです。選手村予定地周辺にはものすごい数のクレーンが稼動しています。ざっとこの写真の5倍くらいでしょうか。東京都心でもこんなにクレーンが密集しているエリアはありません。おそらくオリンピックが終わるとこのレベルでクレーンが稼動しまくっている光景は見られないと思います。工事好きの方は一度行かれることをお勧めします(笑)

引用東京都都市整備局 選手村の整備(大会後のまちづくり)

なおオリンピック終了後は、選手村は解体され住宅施設になります。2棟の50階クラスのタワマンを中心に、中層マンションが多数建設される予定です。

晴海は都市計画道路環状2号線によって、勝どき、さらには虎ノ門などの東京中心部と結ばれます。新たに整備されるこの道路はオリンピックへのアクセス道路として機能します。さらに海側には豊洲市場があり、物流を担う重要な輸送路にもなります。先日は開通直前イベントとしてウォーキング大会が開かれたようです。

しかし都心側の道路予定地には未だに築地市場があるので、その部分だけは暫定的に対面通行になります。全面開通は築地市場の解体が完了した2022年になる見通しです。本来ならオリンピックより前に全面開通しているはずの道路は、都政の迷走によって大幅に遅れることになりました。

続いては勝どきエリア。勝どきにはこれまでもTHE TOKYO TOWERSや勝どきザ・タワーなど、50階を超えるタワーマンションが大量供給されていますが、その勢いはとどまるところを知りません。

勝どき東地区再開発は、58階を筆頭に巨大タワーマンションを3棟建設する計画です。右には勝どき駅付近のタワマンが、左には勝どきザ・タワーが見えていますが、この計画はさらにそれを上回る規模です。

引用東京都都市整備局 勝どき東地区第一種市街地再開発事業

完成予想図です。超重量級のタワマンが出現します。2027年完成予定です。

豊海地区再開発は、56階のツインタワーマンションを建設する計画です。写真に見えている住宅や中層マンションは全て解体されます。

引用日刊建設工業新聞

完成予想図です。低層部は商業施設でしょうか。2026年完成予定です。

他にも勝どきから程近い月島エリアには59階のタワマン計画があります。ここ数年の開発ペースはもはや異常なレベルです。首都圏といえども人口減少などの縮小社会は避けて通れません。開発を見て回るのが楽しい私も内心「こんなに建てて大丈夫かいな」と心配になってしまいました。

東京は世界と戦うグローバル都市という一面もありますが、もう少しこの活気が地方にも波及するといいと思います。まあ見ている分には楽しいですが。

いずれにしても東京は湾岸エリアを中心にまだまだ建設ラッシュが続きそうです。次回は森ビルが威信をかけて進める港区の巨大再開発プロジェクトをお伝えします。

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コメント

  1. たぬ より:

    大きなお世話でしょうが名古屋はもちろん大阪も沿岸部はどちらかというとテーマパークや物流センターなどが多かったので(一部除いて)
    東京の沿岸部の埋立地の大量のタワマンとかみると地震や大津波とか大丈夫なのかなぁと思っちゃいます。実際耐震対策とか色々やってるんでしょうけどね

  2. 県外名古屋生人 より:

    大量の高層ビルを名古屋に分けて欲しい。

  3. 匿名 より:

    管理人さん、名古屋市内の昭和56年より前に新築として建設され、老朽化した要緊急安全確認大規模建築物の一覧と耐震化に伴う立て替え情報などが乗っている名古屋市公式のページを見つけたので置いておきます。

    http://www.city.nagoya.jp/jutakutoshi/page/0000087233.html