長雨が続いています。明日からはところにより晴れ間も出るそうですがスカッとした晴れは期待できません。早く取材日和の秋晴れになるといいですね。
今回は、他都市探訪シリーズ第5弾、横浜編をお伝えします。横浜市は人口370万人を超える日本で最も人口の多い政令指定都市です。神戸同様、港町としての趣があり、特に海に面した地区で開発が進んでいます。
最も有名なのは横浜みなとみらい21と呼ばれるエリアです。再開発に興味のない人にも知られている有名なウォーターフロントです。実はみなとみらいは2008年ごろから不況のあおりを受け、規模縮小や着工延期が相次いでいました。草が生い茂ったまま何年も放置されている街区もあります。しかし今、みなとみらいは大きく動き出しています。
馬車道付近では3つの大型プロジェクトが同時進行中です。
まずはアパホテル&リゾート横浜ベイタワー(35階・135.04m)です。アパホテル自体は珍しくもなんともないですが、特筆すべきはその規模です。なんとこのビル部屋数が2311室もあります。単一の建物としては国内最大の部屋数を誇ります。
これだけの部屋数を持つホテルが建設される横浜は有望な投資先として期待されているのでしょう。中華街や赤レンガ倉庫など観光地も近く、インバウンド需要も手伝って、高い稼働率を期待できるのではと思います。2019年完成予定です。
次はザ・タワー横浜北仲(58階・199.95m、最高部211.95mの可能性あり)です。三井不動産と丸紅の共同開発タワーマンションです。撮影時の印象はとにかくデカイに尽きます。ボリュームがものすごいです。住戸数は1179戸とこれまたすごい規模ですが、全戸完売しています。
全て住居ではなく46階~51階はホテルです。住居の間にホテルが挟まる珍しい構成です。ホテルは滞在型であるオークウッドが東京、大阪に続いて横浜初進出します。2020年完成予定です。
次は横浜市庁舎(32階・155.4m)です。横浜市役所は1959年に完成した建物が使われていますが、耐震性に問題があることなどから建て替えが検討されてきました。方法としては、現地で建て替え案、新庁舎を建設し現行の建物も使う分散案、新庁舎に完全移転案の3つがありましたが、完全移転案に落ち着きました。横浜市の役所機能は市内に散らばっていて、中にはビルを間借りしているような箇所もありますが、新庁舎完成後はその機能が全て集約されます。2020年完成予定です。
北側から見ると3棟並んで競争するかのように工事が進んでいます。横浜の勢いを象徴する風景だと思います。
横浜と言えばやはり日本で2番目の高さを誇る横浜ランドマークタワー(70階・296m)です。重厚なデザインがカッコいい!
展望台からの景色です。300m近い高さはやはり違いますね。先ほどの開発エリアを見下ろせます。
奥に見える球場は横浜スタジアムです。オリンピックに合わせて6000席を増設する改修計画もあります。
北側も見てみます。ところどころに空き地がありますがタワークレーンの姿もたくさん確認できます。不況時にはなかなか埋まらなかった空き地が今急速に埋まりつつあります。
引用日刊建設工業新聞
このうち37街区には地上28階、高さ約150mの複合ビルが計画されています。オフィス主体でホテルや商業施設も配置されます。
また43街区には神奈川大学が進出予定です。このようにみなとみらいの各街区には企業や大学が次々と進出し、空き地が急速に埋まっていっています。まるで不況など遠い過去の話であると言わんばかりの勢いです。
60・61街区などアリーナやコンサートホールの計画も目白押しです。首都圏は音楽施設も充実している印象ですが、1万人以上を収容できるいわゆるアリーナクラスの施設は少ないのが現状です。みなとみらいにそういった施設が増えれば横浜は音楽の街になるかもしれませんね。
開発は横浜駅周辺でも進んでいます。横浜駅西口開発ビル(26階・132.268m)は一日226万人が利用する横浜駅の新しい駅ビルです。低層部は商業施設、高層部はオフィスとなります。ガラス張りの開放的なアトリウムが特徴のビルになります。
少し残念なのは規模です。以前は33階・180mの予定でしたが大幅縮小してしまいました。2020年完成予定です。
横浜駅きた西口鶴屋地区市街地再開発事業は地上44階、約190mの複合ビルを建設する事業です。低層部は商業、中層部はホテル、高層部は住宅です。現在は既存建物の解体工事が進んでいます。
引用横浜市記者発表資料(リンク切れ、PDFファイル)
完成予想図です。詳細なデザインは不明ですが、200m近い高さを誇る新ビルは横浜駅の新たなランドマークとなることでしょう。2021年完成予定です。
いかがだったでしょうか。東京はさておき、大阪や福岡も勢いがありますが、横浜もなかなかのものです。特に湾岸地区に多様な都市機能が集積、計画的な土地の高度利用化を図ることで、洗練された都会的な景観が形成されています。今後さらに超高層ビルが増え、美しい港町のイメージは強化されるでしょう。横浜はどんどん進化を続けていきそうです。
コメント
横浜西口に2020年に竣工予定のビルが良いですね。アトリウムは4層吹き抜けで広々とした開放空間になりそうです。
又、地価2階~地上10階の商業エリアには、新宿に次いで2号店となるNEWoManが進出予定みたいです。ホテルは日本ホテル(JR東日本)が運営するから、メトロポリタンかメッツブランドで展開でしょうかね。
このビルもそうですが、先日竣工した渋谷STREAMにしても、回遊デッキやアーバンコアで歩行者の導線を縦横に誘導し、来館者が回遊しやすくしています。特に渋谷STREAMは、施設告知や各方面の鉄道情報で使用されてるデジタルサイネージのマルチリングは、エスカレーターで乗降する来館者に見やすく、とても洗練されています。流石です。
高さばかりに都会感を求めるのでなく、こういった廻りの環境と共存しつつ、来館者が回遊しやすい洗練された工夫とアイデア整備が、都会感やその施設や街自体を魅力あるものにするのではないでしょうか。
名鉄の新ビルやこれから整備されるであろう駅東・西口が、名古屋市議や市長が提案した、銅像を血税を使って何体も建てる事でインスタ映えするという稚拙で低俗な提案ではなく、市民が楽しんで回遊したくなるインフラ整備に血税を使って貰いたいものです。、
100m以上の高層ビルの建設中の建物の数が横浜は4棟 福岡は2棟と名古屋もまだ巻き返しを図れる段階なので頑張って欲しいですね
某ブログを参考に東京の計画調べてみたら5年内で建てられた100m以上の高層ビルが役50棟 24年までに30棟以上建設されるとの事
凄いとは思いますが、一極集中とかもう改善する気ないんでしょうねこの国
100m以上のビルを建てる事で、名古屋の経済性がどのように向上するのですかね?100m以上という基準になにかしらの根拠は?
他都市と競い合って建てる事の優位性は?
都市開発を舐めてるだろ?
都市機能や政府機関が東京に集中する事に対して、東京の一極集中の弊害を論じるならまともだが、100m以上の高層ビルが多く建設される事とをもってして、東京一極集中を語ろうというのは、見当違いも甚だしい。単なる嫉妬心に過ぎない。
その某ブログが100m以上の高層ビルをまとめていたのであくまで参照にしただけです。都市開発に関しては舐めているも何も商業施設やオフィス需要など明らかにオリンピックという名目だけで供給過多なのは指摘されています
あと、他人を猿だのとえらく喧嘩腰のようですがわざわざ、『二度』もコメント欄での発言を管理人さんが注意している以上そのような発言をしたければ某大型掲示板に行けばよろしいかと
あちらなら御相手してもらえるのでは
そんな事より、諸外国に沢山あるという高層ビルがなくとも魅力的な街の例をご教示いただけないでしょうか?
たとえば欧米では伝統建築が低層でも魅力的な街並みを作っていますが、日本ではほとんどの伝統建築がすでに火災や震災で失われてしまっています。
高層ビルを伴わない魅力的な街並みを実現するには伝統建築の復元ないし中低層の現代建築しか手がないと考えますが、その諸外国の成功例とはどのようなものなのでしょうか?
失礼ながら、誤解を避けるために補足いたします。
こちらのコメントはたぬさんの一つ上の匿名さんに宛てたものです。
名古屋市、愛知県は庁舎の高層化はしないのでしょうかね。あーでも市内に土地がないのか…
強いて言うなら金山の再開発で発生する土地に建てるとかですかね、、
まあそんな話は置いといて、
名駅南の長谷工、ささしまライブの定期借地権、丸栄周辺、中日ビル、栄広場、金山駅周辺、などなど高層化が期待できる場所はまだまだ沢山あります。これから楽しみです。
あとは、久屋大通駅近くの、トヨタホーム栄ビルの街区も大企業の古いビルばかりなので、一体開発を期待したいですね
最近は期待したところ全てが没…みたいになりがじめてるのが残念。これからというのに。結局は土地の細分化が進んでしまっているのが一番の理由でしょう。しかし、三菱UFJも残念すぎます。
三井北館みたいに地権者に阻まれた結果、一体開発がままならなかっただったらともかく、UFJのような企業の努力次第でどうにでもなるのに、期待はずれな開発されると萎えますよね、、
オリンピックで首都圏は再開発ラッシュですね
被災地復興オリンピックとは何だったのか
本当に政府は東京首都圏一極集中を止める気は無いみたいですね
地方造成とは名ばかり
政府は首都圏しか眼中にありません
先進国で一極集中にしている愚かな国は日本一国と京都大の教授も苦言していましたね
首都機能分散
全国メディアの分散をしない限り一極集中は無くなりませんね
>先進国で一極集中にしている愚かな国は日本一国と京都大の教授も苦言していましたね
韓国もでしょうが。
京都大学の教授にマウンティングして、さも識者らしく語るところが小賢しいね。
東京以外にも大阪も横浜も、福岡もそれぞれのキャパに合わせた開発を進行中ですが、単に名古屋の行政が無能ってだけでしょ。
しかも高層ビルが建たない事の僻みから、名古屋のみならず、国全体まで咎める発言とか。どれだけ知能猿なのかw
後何本、ビルが建てば気が済むのかね~。本当、感性が田舎じみてる。
韓国もそうだから東京もセーフとかいうその残念な発想笑えますよ
寧ろあの国の一極集中の弊害から学べる立場の国の人間がそんなこと言えるのははっきり言って馬鹿としか言えない
この記事とは関連性ありませんが、福岡市のPR動画がとても良かったので置いておきます。これに比べて名古屋市のアカウントのアップロード動画は地震や災害などの記録が多かったり、街をPRする気があるのかもよくわからない動画ばかりで見てて少し残念です。行政がこういったメディアの情報発信の重要性を認識できていないのがよくわかります。行ったことのない街に対する印象なんて変わりやすいものなのでこういったPR動画等を活用するだけでもだいぶ変わると思うんですけどね…
100m以上のビルの優位性はどこにあるの、みたいなことを書かれておられる方がいますが名古屋駅再開発でどれだけの県内県外企業が本社移転したのか調べてくればいいと思います。確かにほかの都市と競い合って建てる意味はそこまでないかもしれませんが、今の圧倒的にオフィスビルの供給が足りていないこの都市において一気に新しい企業の参入を呼び込むのに最適な方法が超高層ビルの建設であることは間違いないと私は思います。
https://youtu.be/CLxntu0QIFA
動画、拝見させていただきました。素晴らしいですね。名古屋ならもっと都会感のある動画にできるはずだから、こういうPR動画を作るべきですな
名古屋というか東海地区のメディアへのPRやSNS等の広告拡散の仕方が素人同然というか、全てが無に等しいと思います。
東京メトロへの観光客誘致PR動画やローカル芸能人を起用した名古屋応援歌?を出せば観光客が増加すると思っているのでしょうか? 何もやらないよりはましですが、効果はほとんど無いに久しいのでは。現に、名古屋行政が行った2回目のアンケートに県民以外の他県の方の印象・効果には全く変化が有りませんでした。
東海三県で行った昇竜道キャンペーンは、発想は良かったのですが継続性がありません。世界遺産の白川郷、三大温泉郷の飛騨・高山、伊勢神宮や真珠の志摩、最近では三重県湯の山に「癒し」と「食」をテーマにした、複合温泉リゾート施設 アクアイグニスがオープンしました。コンフィチュール アッシュを手掛ける辻口シェフやサーラ ビアンキ アル・ケッチァーノの奥田シェフ、賛否両論の笠原シェフのお店もあります。こういった観光地を近隣に有し、絶好の観光客誘致エリアにも関わらず、SNSやYOUTUBEを含めたメディア媒体をフル活用し、継続させ、タイムリーが情報発信PRが出来ていないのが残念です。
19年には新国際展示場、22年にはジブリパーク、名古屋城復元(遅延の可能性大)等竣工しますが、工夫改善なしで現状のような下手で稚拙なPRを行なっていたのでは、全く印象も観光客誘致も瞬発力が多少あっても持続性効果はないでしょう。又、国内以上に海外への情報発信をも徹底的に行なって貰いたいですね。