東京へ行ったのは、新宿や渋谷などの最新の開発状況を知るためだったのですが、そのほかに目的がもうひとつありました。それが今から紹介する国立西洋美術館に行くことでした。
金沢に行ったときも21世紀美術館を見ていますが、私は芸術的な感性は全くありません。展示よりも建築そのものに興味があります。今回もまさにそれで、ル・コルビュジエが日本に残した唯一の建築を一度見たいな、と思って足を運びました。
看板を見ると・・・おお!「ル・コルビュジエの芸術空間」という期間限定の展示をやっているではありませんか。建築をメインで見に来たのでラッキーです。
国立西洋美術館は、実業家である松方幸次郎が収集した美術コレクションを展示する施設として1959年に開館しました。主に16世紀から19世紀くらいまでの西洋画や彫刻を収蔵しています。その量、質共に日本有数です。
建築的にも価値が高いといえます。国立西洋美術館はモダニズム建築として後世に大きな影響を与えた作品のひとつであり、近代建築の巨匠であるル・コルビュジエが日本に建てた唯一の建築です。昨年は「ル・コルビュジエの建築作品-近代建築運動への顕著な貢献-」として世界遺産にも登録されました。
それでは中に入っていきましょう。入場料は常設展で大人500円、学生250円とかなり割安です。しかも一部を除いて写真撮影が可能。寛容ですね。
まず常設展の最初は「19世紀ホール」です。写真左の入り口から入ってきます。ロダンの彫刻が置かれています。
ホール内の小展示スペースです。建築を見に来た者としてはこういうのはとても見ごたえがありますね。
さらに進みます。2階の展示スペースです。これらは先ほどのホールを取り囲むような配置で、そこをぐるぐると回っていく順路になっています。ル・コルビュジエは国立西洋美術館を「無限成長建築」と考え、将来展示室の拡張が必要になったとき外側へ建物を継ぎ足していく構成にしたのです。
こちらはモネの「睡蓮」です。岐阜県の通称モネの池に行ったことがあったので「これが本物か!」と少し感動しました。
さらに歩くと・・・これですね!行ってみましょう!ちなみにこれは常設展に含まれるので料金を新たに支払う必要はありません。
ル・コルビュジエがいかにして構想を練り、この建物を完成させたかというのがスケッチやダイヤグラムを通してよくわかります。展示室自体はあまり広くありませんが、所狭しと並ぶ資料は大変興味深いものでした。
1階に下りてきました。中庭もあります。
まだ展示があります。常設展だけでこんなにもあるとは驚きです。
ようやく見終わりました。今回は常設展だけでしたが、それにしてもこのボリュームはすごいです。本当に期待以上でした。
そして建築的にも見ごたえがあります。とにかく行って損はありません。上野方面へ観光される際はぜひ寄っていただきたい施設です。