11月30日、名古屋空港近傍に「あいち航空ミュージアム」が開業しました。私は新たにオープンした施設は初日か遅くても2日目くらいまでには行きたい性質なのですが、時間がとれず気づけば12月も終わりかけの時期になってしまいました。今回ようやく取材できたのでレポートします。
愛知県は自動車産業のイメージが強いですが、航空機産業も盛んです。MRJの生産やボーイング787の部品供給といった実績から、国家総合戦略特区にも指定されています。あいち航空ミュージアムは、その航空機産業をさらに後押しする情報発信、産業観光、人材育成を担う施設として建設されました。
場所はユニー系の大規模SC「エアポートウォーク」の隣です。エアポートウォークは名古屋空港の旧国際線ターミナルビルを流用した建物なので、ボーディングブリッジがそのまま残っています。あいち航空ミュージアムへはその橋を通じて2階レベルで接続しています。(1階からも入ることはできます)
それでは中に入っていきましょう。チケットは小中学生500円、高大生800円、大人1000円です。
おお!出発ゲートがあります。いい演出ですね。チケットにはQRコードがついており、それを読み取り部にかざすとゲートが開く仕組みです。私は出発ゲートよりもあべのハルカスの展望台を思い出しましたが(笑)
施設内全景です。2階の展示を見た後、1階に下りて実機を見るというのが一般的な順路です。
細かく見ていきましょう。まずはこちら、名機100選と題して、飛行機の模型がずらりと並んでいます。飛行機ファンにはたまらない内容でしょうね。
壁面のパネルには飛行機の歴史が詳しく書いてあります。単に過去に開発された飛行機の紹介ではなく、どんな時代背景があったか、それが航空史においてどう革新的だったか、など深く解説してあります。
この2つのコーナーだけで、しっかり見れば1時間分くらいの内容がありますよ。
1階に下ります。最初に飛行機の部品展示コーナー。これも見ごたえありますね。ただ写真のように柵があるので近くで見ることはできません。
続いて零式艦上戦闘機、ゼロ戦を見ます。実機展示ゾーンから少し奥まった「飛行機の工房」というコーナーがあり、そこにひっそりと置かれている感じです。
展示には反対意見があったようですが、結局展示されました。ゼロ戦は当時の日本の技術の粋を集めた象徴でもあり、一方で悲惨な戦争の歴史を語り継ぐ象徴でもあります。
次はこの大きな箱です。実はこれ、フライングボックスという名の映画館のような施設です。
座席の前方に大きなスクリーンがあり、愛知の空を遊覧飛行しているような気分が味わえます。
実機展示ゾーンの目玉、YS-11です。日本が世界に誇る国産旅客機です。初飛行は名古屋空港でした。今同じ空港で再びMRJの開発が進んでいるのを思うと、愛知県が日本の航空機産業をリードしていることが実感できます。
こちらは職業体験コーナー。飛行機の操縦がどのような仕組みで行われているかをシミュレーターを使って体験することができます。(予約制)
建物屋上には展望デッキがあります。エアポートウォークにもデッキがありますが、こちらのほうが広く滑走路までの距離も近いので飛行機を見るには最適です。セントレアほど風も強くありません。
名古屋空港は航空自衛隊小牧基地と滑走路を共有しているので飛んでくる飛行機も多種多様です。カラフルなFDAや自衛隊のF-2、警察のヘリコプターなど、見ていても飽きません。
いかがでしょうか。実はこれでも全部は紹介しきれていません。飛行機作りの歴史を見られる3Dシアターや飛行機が飛ぶ仕組みを学ぶワークショップなど、あいち航空ミュージアムは他にも多くの見所があります。料金はやや高く感じますがこの展示内容ならば十分でしょう。
年末年始も休まず営業しているそうです。冬休みにぜひ行ってみてください!