10月27日、イオンモールNagoya Noritake Gardenが開業しました。今回はその様子を徹底レポートします。
場所は名古屋駅の北側、ノリタケの森に隣接します。かつては大きな工場があり、2014年ごろ計画が持ち上がりましたが、着工予定日を過ぎても音沙汰がなく、しばらく動きがない状態が続きました。
そして2019年ごろになって建築計画の概要が掲示、無事着工し完成の運びとなりました。実にこれまでノリタケ関連の記事は12本作ってきました。今回ついに開業となり感慨深いですね。
前回の様子です。
イオンモールNagoya Noritake Gardenは、同社が建設する新業態店舗の第1弾です。特徴的なのは、3層の商業の上にさらに3層のオフィスが乗っかっていることです。
オフィスフロアは「BIZrium」という名称で3万平米の広さがあり、最近で言えば三井ビル北館やアーバンネットネクスタに匹敵します。一般の人は入れないので今回は商業メインでレポートしていきます。
それでは見ていきましょう!
最寄り駅は亀島で徒歩10分弱くらいですがガードを潜る必要があるなどやや心理的距離があります。名古屋駅からは徒歩20分弱です。
建物の正面玄関は東側です。入口へのアプローチには6本の煙突が並びます。かつてのノリタケの工場があったときに使われていた煙突です。
オフィスフロアへは左に見えるガラスの箱から入ります。3階まで直通のエスカレーターがあり、折り返して4階まで再びエスカレーターで上がります。4階から6階までは階段が吹き抜けでつながっており、各フロアとも共用部の休憩スペースが広く取られています。
コロナでテレワークが推進されるなど、収益拡大の柱としてオフィスに初進出したイオンにしてみれば当てが外れた格好です。ただし最近名駅地区では大型オフィスの供給があまりなく、アクセスもそれほど悪くない点から、床を埋める一定の需要はあるのではないかと思われます。
6階は名古屋外国語大学のサテライトキャンパスが入ることが決まっているので、あとは3分の2。この埋まり具合が今後イオンのBIZrium展開の戦術を決める判断材料になるのかもしれません。
敷地の一角には植栽や池などが整備されていて、ゆっくりと散策を楽しむことができます。すぐ隣には芝生広場もあり、この開放感は他イオンにはない強みと言えます。
この奥に駐車場へのアプローチ路がありますが、それがあることを全く感じさせません。この植栽は見事です。
芝生広場に面している部分の様子です。欲を言えば芝生広場とリンクする大階段や、芝生の人工地盤が建物内に入り込んで、みたいな建築だとさらに面白いと思いますが、そもそもこの芝生は敷地境界線の外なので手を加えることはできないのでしょうね。
それは仕方のないことです。むしろそのような制約がありながら、芝生に面する側の壁面を単調にさせず、段々のテラスにしたり階段を交えたりするなど、できるだけ芝生に対して開いた設計になっていると感心しました。これまた他のイオンにはない特徴です。
次は中に入ります。
店内は3階建て。専門店の数は150です。これは市内の大型モールと比べると若干小ぶりといった感じです。構造は違いますがスケール感は新瑞橋くらいかな、と思いました。
1階の目玉の一つが蔦屋書店です。吹き抜け階段には巨大な本棚のディスプレイが。その威容に圧倒されます。
実はこれ、天井が鏡になっています。半分より上は下のが鏡に映って見えるだけです。とはいえ適当に鏡を置いただけではこんな風に見えませんから、計算され尽くしてこの空間は出来上がっています。
1階はレストラン街もあります。今風の店舗部分を天井まで仕切らずに通路とあいまいにするつくりの店が多いです。
1階の北西側はスーパーです。順当にイオンスタイルが出店。一番奥まったところですが、マンションエリアからは一番アクセスしやすい場所であり、ザ・パークハウスの住民は便利ですね。
2階の様子です。他のイオンと同様、ファンションの店舗が多く入っています。その他主要な店舗としては無印良品、ユニクロなどがあります。
私が感じたのは通路がかなり広いことです。写真を見ても感じ取れると思います。ソーシャルディスタンスを意識した内装になっているのでしょうね。
マンション棟へはこの2階レベルで接続しています。
3階には目玉としてコニカミノルタのプラネタリウムが出店。150席と規模はそれほど大きくありませんが、イオンの中にプラネタリウムは斬新です。一度行ってみたいですね。
3階にはフードコートもあります。マクドナルドやサーティーワン、スガキヤなどの定番を抑えています。
フードコートにはテラス席もあります。実は1階2階にもテラス席があり、先ほどの段々になっている部分をこのように見下ろすことができるのと同時に、開放的な芝生とその向こうの街並みを楽しむことができます。
建物内のフードコート自体も窓側に面する扉は開放しており、外の開放的な眺望を生かした設計になっています。換気が求められるコロナ対策という点も意識されていると思われます。
次は周辺の様子です。
工場跡地の広大な用地には中央に道路が建設され、それより西側にはマンションが整備されました。ザ・パークハウス名古屋(19階建て60m弱)です。イオンとは写真のように2階レベルのデッキで接続しており、とても便利です。
手前はメーグルが止まるノリタケの森西停留所です。イオンの開業とともに場所が移動しました。
マンションは大きく4つの棟に分かれていて、左に見えているディライトスクエア、センタースクエア、ブリリアントスクエアが完成済み、クレーンの見えるあたりにアベニュースクエアが建設中です。手前は駐車場棟です。
全462戸の大規模、名前もザ・パークハウス名古屋というストレートなネーミングで地所レジもかなり気合が入っていると感じます。
手前左は児童保育施設です。イオンのスーパー、クリニック、芝生広場と合わせて、大抵のものは揃いそうですね。
最後はノリタケの森のレンガ建物群のあたりから見た様子です。このようにイオンができたのは風情あるレンガの建物から目と鼻の先です。観光客にも地元利用客の普段使いにも有用です。
なお写真はソフトオープンのものですので、本オープンとなる今日以降は混雑が激しくなるものと思われます。密になるのが気になる方は少しずらしていくといいかもしれません。ただし店内には二酸化炭素のリアルタイム濃度や混雑度を示すディスプレイがあちらこちらに設置してあり、そうした方への配慮を含めたリスクの見える化はかなり積極的に行われていた印象です。
当初建設予定が出たときはただのマンションとイオンか・・・と思っていましたが、結果的にオフィスや大学のサテライトキャンパスなどの都市機能が追加され、蔦屋書店の「映える」本棚ディスプレイやプラネタリウムなども入る、ただのイオンではない新たな複合施設が誕生することになりました。また芝生広場を間近に望める自然の近さ、テラスからの眺めの良さも他イオンにはない特徴であり、まさに「自然と自然になれる」良施設と言えるでしょう。開業おめでとうございます!
本文に一部誤りがありましたので修正しました。ご指摘ありがとうございました。
コメント
今月27日にオープンされた「イオンモール Nagoya Noritake Garden」でも1階から3階まで商業施設は蔦屋書店でもBOMBや週刊ヤングジャンプなどがたくさんありますが、4階から6階までオフィスフロアだとそれだけが名古屋外国語大学のサテライトキャンパスであるんだよ❣️
はじめまして。
愛知県民なのですが、三河地域在住なので名古屋市周辺の再開発状況をこのブログで興味深く拝見しています。
本文中
6階は名古屋学院大学のサテライトキャンパスが入ることが決まっているので、あとは3分の2。この埋まり具合が今後イオンのBIZrium展開の戦術を決める判断材料になるのかもしれません。
とありますが、
名古屋外国語大学のサテライトキャンパス
の誤りと思われます。
ご確認よろしくお願いします。
オフィスフロアは、旭化成ホームズと堀場製作所も入るそうです。
開業時点で70%の入居が決定していると記事になっていました。