大名古屋ビルのイセタンハウス 8月末閉店へ

先日、大名古屋ビルチングの低層部に入っているイセタンハウスが8月末で閉店することが明らかになりました。残念なニュースです。

イセタンハウスは2016年3月、大名古屋ビルの商業ゾーンの核テナントとして開業しました。三越伊勢丹グループは同店を新業態の中規模店舗と位置づけ、攻勢に出ました。しかし、あまり流行らず撤退という形になってしまいました。

私もイセタンハウスはいつも人が少ないなあと感じていました。集客には苦戦していたのだと思います。そこへコロナがやってきてしまい、建て直しは困難と判断されたようです。

このような事態になってしまった理由はいくつかありますが、大きくは2つでしょう。

①高島屋が強すぎる

これは最大の理由だと思います。立地、規模、品揃えなどで他を圧倒しています。駅直結の巨大な施設があれば、それに勝つのは容易ではありません。

②差別化ができなかった

①とも被りますが、たいていのものは高島屋で揃ってしまうため、イセタンハウスでしかない価値という差別化ができませんでした。思い切り高級路線ならミッドランドスクエアがありますし、イセタンハウスの立ち位置は微妙でした。

他にも伊勢丹ブランドが馴染まなかったというのもあるでしょう。伊勢丹は大阪駅にも出店して数年で閉店しています。梅田には大丸や阪神があり、そして何と言っても阪急があります。名古屋では地域一番店として定着した高島屋、昔ながらの松坂屋。伊勢丹に限った話ではないのでしょうが、ブランド力が浸透していない地域で新たに百貨店を根付かせる難しさが感じられます。

百貨店業界は冬の時代。三越伊勢丹の大規模な店舗リストラにイセタンハウスも入ってしまいました。こうなると気になるのが栄の三越ですが、こちらは当面大丈夫だと思います。立地も規模も名前も十分競争力があるはずです。

ただし少し気になるのが今後向かいに大丸松坂屋が進出すること。現在の建物は老朽化しており建物スペック的な競争力は高くないと思われます。早期の建て替え完成が待たれます。その際、伝統的な百貨店型で行くのか、ラシックのように専門店型にするのか、判断の分かれ目になりそうです。

星ヶ丘の三越はあまり行かないので分かりませんが、地域に根ざす百貨店として、今後も残って欲しいですね。

イセタンハウスの後継店舗は未定です。新たに賑わいを呼ぶ、集客力のあるテナントに期待したいと思います。

シェアする

フォローする

コメント

  1. k より:

    毎日名古屋通ってるけどイセタンハウスなるものがあったこと自体初めて知った…
    外に看板とかあっんだろうか

  2. ノボール より:

    規模が小さいのに、集客力のある(集客層の広い)テナントが少ないのも問題かと。

    そもそも、(旧)大名古屋ビルヂングは、『買い物に行く』ビルではなかった。
    だから、有名ブランドの大型店舗や、本屋雑貨屋といった、集客装置を誘致してやり、
    イメージを変えてやることが必要だったと思う。それを東京ベースで考えてしまった。
    しかも、東京という巨大市場だからこそ成り立つようなレベルのブランドを中心に。

    なんにせよ、間口の広いテナントを入れて、『目的地』と認識されることが第一歩。

    あと、現状では微妙なアクセスも、東口再開発で大きく改善される見込み。
    ミッドランド側からも地上レベルでアクセスできるようになり、地下も簡略化される。
    まだまだ余裕で建て直せるので、腕の見せどころ。

  3. asdasd より:

    大名古屋ビルチングは売り場面積が小さいからな。
    オシャレってだけ。
    タワーズ+ゲートタワーのがショップが充実してる、

  4. KI より:

    伊勢丹のプライド捨てて
    名古屋では知名度高いラシックで行けばよかったと。

  5. 暇人 より:

    まあ開店当初から予想された流れですよね。
    立地も良くない以上にMDが中途半端。基幹となるショップも少なかった。そのラシックでも単体ではきっと同じ末路ですよ。
    一番のボトルネックは高額な家賃。多少は三菱地所も頑張ったでしょうが、駅前一等地のため難しい処です。

    この大名古屋ビルヂング自体が陸の孤島で、駅ロータリー開発が期待されるものの集客力が難しいエリア。ミッドランドと比べても相当人の流れが悪い。そのミッドランドでも相当ヤバいと思いますが、東和不動産が頑張っているのかな。

    既に名古屋もオーバーストアですから、こういう飛び地のエリアは人の流れが確保できないと非常に難しい。同様に今年度オープンする日本生命栄町ビルの松坂屋や高層200mの栄広場計画ですら、同エリアでのカニバリにより規模によっては存続が難しくなります。

    余りに急遽の話なのでイセタンハウスの後釜は暫く未定でしょうが、その後のテナントがどうなるのか気になるところ。少し予想すると‥。
    ①髙島屋が入る…コンセプトを変え大阪梅田阪急のメンズ館のようなもの。→メンズはダウントレンドでNGか。
    ②名鉄百貨店が入る…2022年春に店舗閉鎖する予定のため、再開発期間中の店舗として借りる。→期間限定で家賃の両面で不可能か。
    ③大丸松坂屋が入る…名駅から追い出されたので巻き返し?→家賃や規模もそうだが、新規の名鉄側に入る可能性もあり、これも微妙。
    ④大型専門店が入る…名駅の欠落アイテムはスポーツ用品と家具のため、地元企業のアルペンやカリモクのドマーニあたり。その他、最寄のジュンク堂書店や、名鉄のヤマダ電機。

    先般中川運河沿いに出来たバーミキュラ専門店が一部テナントで入っても面白いと思うけど、まさかのドンキでなければ何でも良いや~w