愛知県の大村知事は、中部国際空港へのIRの誘致検討を再開すると発表しました。まだ決定ではなく、今後関心を持つ民間事業者から意見や事業提案を募り、実現可能性を精査した上で、国への申請を行うかを判断するようです。
現在国内でIR計画が進んでいるのは大阪の夢洲のみです。国は3カ所まで認定する方針を掲げており、これまで北海道や長崎、和歌山なども検討していましたが、まだ整備決定には至っていません。そんな中愛知がここに名乗りを上げることになります。
とはいってもこれは急に出てきた話ではなく、愛知は常滑を軸に検討を進めていました。コロナ禍で一時中断していましたが、県の今後を見据えて再び動き出した形です。

活用エリアは空港島の駅の東側となります。ここには既に6万平米を誇るAichi Sky Expoがあり、ホテル群もあります。既存施設を活用する形としていくようです。私は賛成です。これはかなりクレバーな戦略だと思いました。その理由を見ていきます。
まずIRを誘致すること自体は反対する理由がありません。交流人口の拡大、雇用の創出、そして三大都市圏に相応しい「成長装置」として整備が望ましいと言えます。
その中で空港島を使うというのは合理的です。確かに適地としてまず思いつくのはポートアイライドですが、その場合、名古屋市と調整して進めることになります。市は費用もやる気もないため実現可能性は大きく下がるでしょう。
また、ポートアイランドというのは大阪の夢洲と似たような構成で二番煎じ感がありますし、府や市が一丸となって進めてきた大阪と同じやり方をして同じ土俵で勝つのは難しいです。そのため空港立地という点で差別化を図り、同じIRといっても大阪のとは若干異なる位置づけにすることで、活路を見出せると考えられます。国際空港直結のIRは国内では構想段階も含めて例がありません。
既存施設を使うのもコスト低減で理にかなっています。建設費の高騰で一から整備するのは難しく、それをやろうとしたばかりに頓挫するリスクを背負うくらいなら、既設流用でもいいからIR整備を完遂する方が賢いと思います。

愛知県のこれまでのヒアリングでは、IR区域の整備・運営主体となることに関心を有する法人等が4者、上記以外のノウハウ・知見を有する法人等が9者いることがわかっています。この立地に興味や意欲を示す法人はそれなりに存在することは、今回のIR計画を後押しする大きな材料となるでしょう。
一方で懸念となるのは2つ。合意形成が図られるかどうか、そしてもう一つは高さ制限です。前者はおそらく反対する人は一定数いるでしょうが、最終的には知事などの決済力にかかっていると思います。大阪のIRでも根強い反対がありましたが、海外事業者の強い参入意欲と、自治体のリーダーシップ力で実現に向かいました。
そして後者ですが、航空法で決まっているのでこれはもうどうしようもありません。空港に建てる時点で高さ制限と心中です。であれば建物のデザイン性を上げるしかないでしょう。コスト削減で難しいかもしれませんが、Aichi Sky Expoのような建物ばかりではダメですね。そこはこだわってほしいです。
国は2027年夏ごろに申請受け付けを行います。県はそこに向けて照準を合わせていくことになりそうです。今後の動きに注目です。
コメント
Aichi Sky Expoは日本初の国際空港直結型の国際会議・展示場であり、日本唯一の常設の保税展示場なのが強いですよね
そして近くには1490万人登録者のYouTuberきまぐれクックのお店もあります
中部国際空港セントレアは顧客満足度評価で高い評価を受けていて、SKYTRAX社が実施している顧客サービスに関する国際空港評価において11年連続で「Regional Airport」部門で世界第1位を獲得していて、15年連続で「Regional Airport in Asia」部門でも第1位を受賞しています
しかし他の空港と比べるとインバウンド時代において業績がパッとしないという指摘もありますし、そんなセントレアをもっと盛り上げたいですしIRは有りだと思います!