最北端を求めて 利尻と稚内はるかな地へ

札幌の都市編に続いて今回は旅行編です。前から一度行きたかった利尻島と稚内を訪問しました。本当は礼文島も行きたかったのですが、今回は行けなかったのでまた次に行きたいです。

まずは利尻へ行きます。今回限られた日程で、天気も晴れを狙いつつ、かつ飛行機や船の本数が少ないので、行きたいところを制覇する行程を組むのに、本当に苦労しました。しかしそのおかげで天気はすべて晴れ、行きたいところもまわれました。

札幌取材の翌日、朝一で丘珠へ向かいます。利尻へは45分で着きます。丘珠は使ったことがなく、入ってみるとこんなかわいいコンパクトな空港なのかと驚きました。実は小牧からも便が出ています。

利尻空港に到着しました。ローカル空港らしくエプロンから徒歩で降ります。これはターミナルビルの展望所から撮った一枚。利尻富士がかっこよすぎます。

飛行は小型プロペラ機(ATR)でした。北海道エアシステムのワンワールド塗装です。機内では短いフライトながらドリンクのサービスがありました。

今回すべて公共交通だけでまわります。ということで島内を循環するバスに乗ります。

オタトマリ沼に到着しました。アイヌ語で砂のある入り江という意味だそうです。山の中にありそうですが実はここ海から徒歩3分くらいの場所です。そのため海鳥が頻繁に飛来していました。

観光客は数名いたくらいですごく静かでした。今インバウンドが国内で急激に増えていますが、知名度がそれほど高くないこともあり利尻島は比較的平穏が保たれているようでした。

逆さ利尻富士も楽しめます。オタトマリ沼のまわりは一周することができます。ところどころベンチがあって私はそこで少し読書しました。海鳥の声掛けが聞こえる静かな湖畔で本を読みのは最高の贅沢でした。

その後、鴛泊方面に向かい、ちょっと市街地を歩いたりペシ岬に上ったりしました。

時間になったので稚内へ向かいます。ハートランドフェリーのアマポーラ宗谷です。全長100m程度のそこそこ大きい船でした。

海の景色に目を輝かせている観光客の姿は少なく、多くの人が雑魚寝スペースで寝ていました。日常利用の人の方が多いのでしょう。

しかし私は利尻富士がかっこよすぎてかなりの間デッキで山というか島を眺めていました。海上から屹立する峻厳な姿は忘れがたいインパクトがありました。

右の方には礼文島も見えました。今回は時間の関係で断念ですが、高山植物が咲き誇るもう少し暖かくなった時期にいずれ来たいなと思いました。

稚内に到着です。ここで少し観光します。

こちらは有名な防波堤となるドームです。屋根の下は鉄道駅でした。かつて樺太(サハリン)との連絡地点だったため、ここまで鉄路が伸びていたのです。しかし海が近く波の影響を受けるため、それをガードするためのものです。現在は遺構としてその姿が残されています。

そして現在の鉄道の最北端はここ稚内駅です。鹿児島県までおよそ3100kmの鉄道がつながっており、ここが日本におけるもっとも北の線路となります。

都市編でも書きましたがJR北海道は経営が厳しいです。ここは日本最北端の鉄路として廃止されないことを祈ります。

ちなみに稚内の駅ビルはキタカラ(KITAcolor)と名付けられており、北(KITA)の色(color)に染まるという意味が込められています。なんと映画館も併設です。

そこに乗り入れるのは宗谷本線の特急です。このうち宗谷は5時間半かけて札幌とを結びます。乗りたかったのですが時間の関係上無理だったのでいつかリベンジしたいです。

待合室には大きな荷物を持っている人や列車の到着に合わせて送迎をする人が多かったです。もちろんそういう姿は他の特急でも見られますが、乗車時間も長い人が多く、しかも日本最北端の地ですから、人々の想いも並の特急より大きいものがあるのはないかと思いました。

稚内の商店街を少し歩きました。やや寂れていました。しかし昔の樺太(サハリン)との交流が盛んだったころは栄えていたことでしょう。看板にロシア語があるのが樺太(サハリン)とのつながりを感じさせます。

この日は稚内市内で宿泊です。

翌日、樺太記念館を訪れました。普通に暮らしている中ではあまりなじみのない樺太(サハリン)のことをよく知れました。

この隣には市場があります。海鮮丼もあって美味かったです。お値段は多少しますが観光地に行ったらやはりご当地グルメを食べたいものです。

ここからは宗谷岬を目指します。バスで1時間弱で着きます。

宗谷岬は日本最北端ということで、このように各地点からの距離がわかるようになっていました。沖縄からは3000km近く離れていることになります。日本は結構広いです。

そしてアンカレジまでが5000km弱。アラスカなどはるか遠くという認識だったのですがここからだと沖縄の2倍もないくらいの近い距離なのですね。本当に遠くまできたものです。

緑の大地の奥に雄大な海が広がる景色です。来て本当に良かったと思いました。風がとんでもなく強かったですが、それもまた宗谷岬らしいです。

ここが真の最北端です。視程がもっとよいと樺太(サハリン)も見えるそうですがこのときは見えませんでした。そもそも晴れるとき自体が少ないそうなので、個人的には十分満足です。天気予報とにらめっこして行程を決めた甲斐がありました(笑)

この辺にある施設がほとんど日本最北端となります。小学校や宿泊施設、ガソリンスタンドも最北端です。

当日中に名古屋まで戻りたいのでバスで折り返します。

その日のうちに戻るには稚内空港から飛ぶしかありません。地図で見たらいけそうな感じだったので、稚内市街地へ行くバスを自動車学校付近のバス停で途中下車して空港まで徒歩連絡することにしました。冬は寒すぎるのでやめた方がいいでしょう。

見渡す限り何もなく、道路が一本道で伸びている景色に、北海道らしさを感じました。

30分弱程度で稚内空港に着きます。ここもこぢんまりとしていていました。ローカル空港はアットホームな雰囲気が感じられて独特の良さがありますね。

ここからはボンバルディアのプロペラ機が新千歳空港に到着。ジンギスカンを食べて、最後の北海道を満喫しました。その後再び飛行機に搭乗、中部に帰りました。

札幌の再開発もしっかり見ることができ、利尻や稚内とはるかな地を踏みしめることができ、大満足の遠征となりました。ですが北海道はこれで制覇、とはなりません。まだ道南、道東は完全に未踏です。これからもまだ見ぬ景色を求め、遠征に行きたいですね。

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