ヒルトン名古屋は伏見駅の少し西にある超高層ホテルです。まだ外資系ホテルが国内に少なかったころにできた古参ホテルで、名古屋初の高級外資系でもあります。
高層ビルという点でも、ヒルトンは住友生命・国際センターという名古屋高層ビル界の2大草分けに次いでできたビルであり、大きなインパクトがありました。
住所 | 中区栄一丁目3-3 |
高さ | 110.50m |
階数 | 28階 |
敷地面積 | 10,777 m² |
建築面積 | 5,700 m² |
延床面積 | 79,968 m² |
竣工 | 1989年 |
建築主 | 朝日新聞社など |
設計 | 竹中工務店 |
施工 | 竹中工務店 |
東から見た様子です。金山南ビルなどと同じポツ窓スタイルです。当時はこのようなデザインが流行っていました。
高さ110m級は今でこそ普通ですが、当時は都心で一番高く、20世紀末にセントラルタワーズができるまでその座をキープしました。
施設全体はアムナットスクエアと呼ばれ、朝日新聞の名古屋支社のオフィスビルと一体化しています。アムナット(AMMNAT)とは朝日新聞、明治安田生命、三菱地所、日本興亜損保、朝日ビルディング、竹中工務店の頭文字をつなぎ合わせたものです。
延床面積の8万平米は全体の数字です。ホテル棟だけの数字はわかりませんが比較的痩身なので3万~4万程度ではないかと思います。
広小路通の西側から見るとオフィス棟が視界に入ってきてヒルトンがあまり見えません。しかしポツ窓スタイルと左上にロゴが入るスタイルは統一されており、同一施設であることがうかがえます。
右に木々が見える空間は中2階でオープンスペースとなっています。騒々しい道路から少しだけ離れて一息つくことができます。ここには姉妹都市である4都市(シドニー・メキシコ・南京・ロサンゼルス)の著名作家による彫刻が置かれています。現在姉妹都市となっているトリノとランスは当時未加盟だったのでありません。
南から見上げた様子です。客室が南北に並び、中央に廊下があるレイアウトです。そのため東西の幅が薄くなっています。
最近は高層ビルが増えてきて部屋からの眺望は以前ほどの抜け感はないと思います。次の写真のように西にはテラッセ納屋橋も建っていますし、東側もビルが多いです。それでもヒルトンより大幅に高いビルは名駅ビル群とGGとNtTくらい、西側は御園座と栄ビル群くらいなので、上の方の階に行けば素晴らしい眺望が見られます。
施設としては6つのレストラン&バー、大小20の宴会場があります。またフィットネスセンターが無料で利用でき、屋内温水プール、ジム、サウナなど高級ホテルらしい設備がそろいます。
ホテルとしての格はできた当初はNo.1です。マリオット開業以降も決して見劣りしなかったと思います。ここ最近はTIADやキャッスルホテルリニューアル、そして上位互換であるコンラッド開業があるので、さすがにNo.1と言うのは難しいですが、それでも高いレベルを維持しています。
ヒルトン名古屋はこの地域における高層、高級ホテルの草分けとなった存在です。少し贅沢してステイしてみるのもいいかもしれません。