先日大阪に行ってきました。梅田も難波も天王寺もいろいろある大阪ですが、今回は御堂筋にスポットを当てて特集します。最後には万博レポートも載せていますのでご覧ください。
御堂筋は大阪の目抜き通りです。特に淀屋橋~本町にかけては在版有力企業の本社が多数存在するなど、オフィス街としての性格が強くなっています。名古屋で言えば伏見の広小路通あたりに相当しますが、風格は御堂筋がは上でしょう。
梅田から阪急百貨店うめだ本店のビル(大阪梅田ツインタワーズ・ノース)をずっと南に下っていくと川が現れます。そこから今回のレポートはスタートです。
その風格をより高めるのが淀屋橋のツインタワーです。旧ビルを集約して建て替えた御堂筋の新ランドマークといえる存在です。
左(東)は淀屋橋ステーションワンで竹中工務店の施工。一部施設が先日開業したばかりです。本格開業は夏以降となります。
右(西)はまだ名称が決まっていませんが大林組の施工です。竣工が今年12月なので開業は来年と思われます。
京阪や日本土地建物、みずほ銀行などの建物を解体集約化してできた淀屋橋ステーションワン。30階には屋上展望台が入るそうでとても楽しみです。
延床面積は7.3万平米で、需要の高い大阪において良質なオフィスを供給することが期待されています。
淀屋橋ステーションワンと対峙するこちらは延床13万級、重厚感が見るからに伝わってきます。
デザインは両ビルともガラス+良質な石材によるフレームのような感じですが、よく見ると若干違っています。在阪大手ゼネコン2社のそれぞれのデザインが見えるようで面白いです。
どちらのビルも基壇部+高層部となっている点も注目です。これは御堂筋のデザインコードによるものです。
こちらはもう少し南下したあたりから撮影したものですが、ビルの高さが統一されているのがわかるでしょうか。御堂筋は高さ50mを軒のラインとして決め、統一感と美しい景観を創出しているのです。
ただしもっと古いビルは31mのラインになっています。これは説明不要かと思いますが百尺規制の名残です。今では建て替えが進み31mのビルは減ってきましたが一部のビルはまだ残っています。
そして50mより高いビルもあります。少し前に規制緩和によって50m以上のビルを建てられるようになりました。しかし低層部を50mとし、高層部はそこからセットバックした距離に応じて高さが緩和されるといった内容で、50mのラインは守るような条例になっています。
ズームするとよくわかります。見事に50mのラインで統一され、美しい景観と唯一無二の品格が漂います。初夏の緑がきれいな季節の御堂筋は本当にきれいです。
まだ左に見えますが歩行者空間が広くとられ、カフェのテラス席などが多いのもポイントです。オフィス街ですが、歩いて楽しい通りでもあります。
もちろん再開発も進みます。右に見えている大阪ガス本社ビルは西側に隣接する駐車場の再開発が予定されています。歴史ある本社の建物はそのまま活用し、意匠的に連続性のある超高層ビルを建てます。
左側に見えているオービック本社ビルは御堂筋の高さ制限緩和の第1号プロジェクトです。例にもれず50mの低層部+セットバックの高層部という構成です。
大阪ガスの再開発の予想図です。左側が新規にできる高層棟です。高さは150m級が想定されています。(上記写真と撮影方向が異なるので注意)
しかし先日建設資材費の高騰により着工が延期になるという報道がありました。比較的再開発が好調な大阪でもこのようなニュースが出ており、建設費の問題の影響がいかに大きいが実感します。なんとか完成してほしいものです。
さて御堂筋の進化は地上だけにとどまりません。大阪メトロは地下鉄駅のリニューアルを進めており、ここ淀屋橋駅も改装工事が完了しました。
風格が感じられるドーム状の大空間。戦前からこれがあるというのが大阪の力を実感します。地上は美しいオフィス街、地下は10両編成が行きかう御堂筋はまさしく大阪の大動脈です。
さて「脈」といえばミャクミャク様です。大阪市庁舎の前にはこのようにミャクミャク様が寝転がっています。奥に見える今年完成の御堂筋ツインタワーとのコラボはまさに2025年の大阪を象徴する一枚になると思います。
大阪市内では万博のポスターや掲示がそこかしこにありました。盛り上がっているのを実感します。もちろん私も参戦してきましたのでここからは万博の写真を少し上げます。
私は10時の入場枠しか取れなかったので9時半に行ったら既に大行列でした。なかなか中に入れないのは苦しい反面、たくさん人が来て人気になっているようでうれしくもありました。
こちらはオーストリア館。楽譜をイメージした独特のデザインです。このように大阪万博はパビリオンがそれぞれ工夫を凝らした建築となっており、それを見るだけでも楽しいです。
その中でも最も壮大な建築は大屋根リングでしょう。一周2kmの木製巨大リングはこの万博のシンボルとして機能します。夏の暑い時期はここが日よけスペースにもなるので、インパクトと実利を兼ね備えたいい施設だなと思いました。
大屋根リングは竹中工務店、大林組、清水建設の3社が分担してつくりました。それぞれ違った工法でつくっているようで、万博という晴れの舞台で日本のトップレベルのゼネコンが技術の競い合っています。
最後は大屋根リングから見た会場の様子です。結構高い位置にあるので会場が一目で見渡せるのもよかったです。ただしリングの外も企業パビリオンを中心に会場があるので、そちらも要チェックです。
奥に見えるのは梅田ビル群の様子です。グラングリーンの完成などでまたビルが増えました。今後もマルビル建て替え、阪急の再開発など期待できる案件がいくつもあります。
ちなみに私が行ったのは、フランス、オーストリア、ブラジル、クウェート、あとはコモンズ館です。正直まだまだ全然行けていないので、次いつ行こうかと思案中です。これからの季節は暑いので、夜行ってみるのもいいかと思っています。
万博会場の横ではIR(統合型リゾート)の建設が始まっています。再開発とともに大阪はさらなる進化を遂げていきそうです。