先日の三連休で九州に行ってきました。天気は3日ともほぼ快晴。1日目は福岡を中心に周り、天神ビックバンをしっかり見てきました。今回はその様子をお伝えします。
なお博多のホテルは高すぎたので1日目のうちに壱岐に移動し旅館に泊まりました。2日目は初訪問の壱岐をめぐり、3日目は平戸や佐世保を観光しました。
福岡はなかなか勢いがあります。天神ビッグバンは官民一体となって進んでいる再開発促進政策で、老朽化したビルが多い都心で次々と大型ビルが誕生しています。
優れたデザインのビルには容積率緩和などのインセンティブを与える天神BBB(ビッグバンボーナス)などの作戦も功を奏しており、天神はまさに建設ラッシュとなっています。
こちらは天神ビッグバン第1号となる「天神ビジネスセンター」です。19階、延床6万、90mの大規模ビルです。細かいブロックを積み上げたような外観が特徴的です。エントランス部分がアトリウムになっており、すごくおしゃれでした。
デベロッパーは福岡地所です。同社は福岡での有力会社で、都市開発において地域をリードする立ち位置を担っています。
その隣に建つのが「ワンフクオカビルディング」です。福岡ビルや天神コアを一体開発して建設されたビルです。19階、延床14.7万、97mくらいの大きさです。近くで見るとわかりますがとにかくデカいです。延床で大名古屋ビルに匹敵します。天神ビッグバンの一連の開発の中では最大の床面積を誇ります。
構成は商業、オフィス、ホテルの複合型です。デベロッパーは西鉄です。格子状の外観は西鉄のレールをモチーフに造られています。来春オープンです。
少し北にある「天神ブリッククロス」も完成が近づいています。手前の南棟と奥の北棟の2棟構成のオフィスビルです。18階、延床3.7万、86mの規模です。先ほど2棟のインパクトが強すぎて、それに比べると小さく見えますが、三大都市圏以外のビルとしては十分大きい方と言えるでしょう。
デベロッパーは日本生命。かつて同社が福岡市内で保有していた伝統的な建物がレンガ調だったため、このビルの外観もそれを想起させる色合いとなっています。
目抜き通りでの再開発が続きます。手前は「ヒューリック福岡ビル建替計画」です。19階、延床2万強、92m程度です。低層部オフィス、高層部に自社ブランドのホテルが入居予定です。
その奥でタワークレーンが伸びているのは「住友生命福岡ビル建替計画」です。24階、延床4.3万、113mくらいです。こちらはオフィス主体です。福岡は西に行くほど空港から離れるので高いビルが建てられます。
さらに西へ行くと天神ビッグバンの中でも最も有力な再開発「福岡大名ガーデンシティ」見えます。25階、延床9万強、115m程度となります。ガラス張りの洗練された外観で、2棟が重なり合うようなデザインも素晴らしいです。
そして何と言っても高層部にはリッツカールトンが入居しています。これは素晴らしいです。福岡の都市力向上を象徴するような再開発だと思います。
旧大名小学校を残して建設されたので、既設の校舎はリノベーションしてスタートアップ拠点などに再利用。余った敷地は芝生広場になっています。ビルだけでなくくつろげる空間もでkています。
デベロッパーは積水ハウス。同社はマリオットと組んでホテル複合ビルを建設する取り組みを加速させています。この物件は地方都市におけるそのフラッグシップのような存在かと思います。
さてここまで6棟のビルを紹介してきましたが、天神ビッグバンはまだまだ続きます。こちらは最初に紹介した天神ビジネスセンターの南側。ここにまた大型ビルが建ちます。
現在は基礎工事が終わったくらいでしょうか。タワークレーンが登場していたのでそろそろ躯体が伸び始めると思います。
こちらが「天神ビジネスセンター2期計画」です。18階、延床6.3万、高さは88m程度です。左奥に見えている1期がまるごともうひとつできるような感じですね。
デベロッパーは1期と同様福岡地所。旺盛なオフィス需要がわかります。福岡はIT系が割と集積しており、アジアに近い地の利も生かして、オフィスは今後も伸びていくことが予想できます。
その斜向かいでは別の再開発「天神1-7計画」が進行中。こちらは掘り下げ中でまだまだ基礎工事が中心です。
18階、延床6.3万、高さは88m程度の予定です。商業、オフィス、ホテルの複合ビルとなります。
完成予想図です。こちらもV字型の低層部に暖色系のランダムルーバーという特徴的な外観をしています。みなそれぞれ特徴を持った唯一無二のビルが各所で建設されていますね。
残念なのは左側の愛眼のビルを巻き込めなかったことです。そのため敷地がL字となり、ビル運用上も若干使いにくく、大通りからの景観はイマイチとなります。
以上が現在進んでいる大規模再開発です。私は天神をゆっくり訪れたのは6年半ぶりだったので、変貌ぶりの本当に驚きました。また、三越のあたりも前行った時より人通りが多かった気がします。福岡の熱気を感じました。
さらに右に見えているパルコもまだ詳細不明ですが計画を発表しているため、この流れは当分続いていきそうです。
最後は福岡タワーから見た市街地です。都心から離れた撮影地点の百地、右端のタワマンがある西新、北西のアイランドシティあたりは空港の高さ制限が緩いですが、都心は厳しいため115mくらいがガラスの天井となります。
しかしそんな中でも規制緩和やデザインの工夫などで大型の魅力的なビルが都心に集積し始めています。先ほど紹介した天神は左の方です。いくつか大きいビルが見えると思います。
この他福岡では天神だけでなく博多駅周辺でも再開発促進策「博多コネクティッド」を進めています。天神ビッグバンほどではありませんが、こちらも駅前の街並みが徐々に変わりつつあります。
ということで久しぶりの福岡特集でした。また次行ったときには姿が変わっていそうです。今後も変化が楽しみな街ですね。