3月末、東京に行ってきました。3月はなかなか気温が上がらず冬のような気候が続きましたが、月末にようやく暖かくなりました。東京取材も快晴となりました。
今回の目的は、東京の新名所ともいえる日本一の超高層ビル、麻布台ヒルズ訪問でした。その様子をお伝えします。
麻布台ヒルズは森ビルが進める超巨大プロジェクトです。老朽化したビルを集約し、3棟の超高層ビルを建てる計画で、このうちメインタワーとなる森JPタワーは、64階・325.40mというものすごい高さとなっています。
こちらがその様子です。その辺のビルと迫力が違います。200m級でも十分高いのですが、これは規格外というか、言葉を選ばずに言えば「バカでかい」という印象です。それもそのはずで延床は461,774平米あります。
これまであべのハルカス(300m)が持っていた記録はこちらに移りました。ただし数年後には三菱地所のTokyo Torchが完成予定。こちらは今のところ385mで、記録はさらに移り変わることになります。
今回の記事では3棟あるうちのメインタワーに焦点を当てます。残りの2棟はマンション棟なので入れる部分が少ないです。また、敷地内の広大な広場も紹介していきます。高層化して余った土地を緑地や広場にするのは森ビルのおなじみの手法です。
低層部の様子です。超巨大プロジェクトなので低層部の時点でかなりのボリューム感があり、迫力があります。数フロアにわたる大きな商業施設があります。
街区内の様子です。マンション棟のうち1棟はまだ建設中です。右に完成しているのがレジデンスA棟で53階・237.20mの規模です。低層部に高級ホテル「ジャヌ東京」が入ります。
左で建設中なのはレジデンスB棟で64階・262.82mです。タワーマンションとしては日本一の高さです。工事が少し遅れています。
低層商業棟の様子です。曲線を多用した有機的なデザインが特徴的です。うねるようなフレームに緑が並ぶ姿はこれまで日本の商業施設ではなかなか見なかったと思います。
もう一つの特徴はフロア構成です。もともと傾斜地に建設されているため、地下だったり地上だったりが複雑な絡み方をしています。
きれいに整備された街並みを見ると忘れそうになりますが、ここはかつて老朽化したビルがひしめき合うエリアでした。道路も狭く、防災上も問題があった街区です。それがこうも変わるとは驚きです。
そして一番すごいのは、ここにいたとんでもない数の地権者をまとめあげたことです。反対する人がいればこうはできません。数十年単位で時間をかけたからこそのプロジェクトです。森ビルの執念と言えます。
数年前の様子はこちら。ブログ初期の記事です。港区全体を紹介する内容で、後半に麻布台エリアが出てきます。
ここからは余剰敷地に整備された広大な広場を見ていきます。樹木が植えられ、多くの人でにぎわっていました。そこかしこでイベントが行われ活気があります。
奥のビル群はほぼ森ビルと森トラストです。エディション東京擁するトラストタワーの奥に見えるのがもう一つの大規模ヒルズプロジェクト、虎ノ門ヒルズです。左はアークヒルズで比較的古いですが、今回の麻布台のマンション棟とよく似たデザインであり、森ビルの建物とすぐにわかります。
中央の広場です。屋根が特徴的。巨大な雲が浮かんでいるようです。夜になるとライトアップされて不思議な曲線でかたどられた屋根は妖艶な姿を見せます。
繰り返しになりますがここはかつて雑居ビルや民家が建ち並んでいた場所です。それらはことごとく撤去され影も形もありません。残しながら作っていく三井、伝統を大切にする三菱などと異なり、森ビルの再開発は昔のものを一掃して全く別のものを作り上げるという感じです。
商業施設の内装も気合が入っています。東京の都心に位置する森ビルの旗艦プロジェクトとして手は抜けません。非日常感と高級感のあるデザインです。
左に明かりが見えるのが宗教施設のある側です。建物には必ずバックヤードの部分が存在しますが、麻布台ヒルズは宗教施設に面する向きを完全に裏とし、その他の面で賑わいが発生するように全振りしている印象でした。
広場には池もあります。人工的なものではありますが、都心にいながら緑や水を感じられる施設というのも森ビルのコンセプトの一つです。
ガラス張りの向こうに巨大な吹き抜けがあるのは風格があります。JPタワー名古屋の名駅通のファサードをちょっと思い出しました。あちらも結構風格があります。
超巨大オフィスビルなのでエントランスも広々しています。柱が上に向かってちょっと外側に斜めになっています。ビル中腹やや下あたりで最も外に膨らみ、上に向けてまた細くなります。なんとなくエンタシスのようですが、そういうコンセプトではないようです。
なお意外にも最上層部はオフィスではなく住宅となっています。価格は1戸100億円程度となっています。
さてここからは33階のスカイロビーに行ってみましょう。17日以降は一般人は入れませんのでご注意ください。
開放されているのは南東側の一部の見です。こちらは南。高いビルはそれほど多くありません。
注目はやはり左に見える高輪付近の再開発でしょうか。今後施設が続々とオープンします。ただし羽田空港があるのでこの一帯は高さがないのが惜しいです。
右奥にかすんで見えるのは武蔵小杉のタワーマンションです。そのさらに左奥は横浜ですが、視程があまりよくなくはっきり見えません。
東側は東京タワービューです。こんな特等席で東京タワーを見られるのはここしかないと思います。
その後ろに見えるビルは新しいのが多いです。やや右で建設中なのは東芝ビルの建て替えで235m級のツインタワーとなります。左の貿易センタービル建て替えや東京ポートシティも新参です。その右は湾岸のタワマン地区。雨後の筍のごとく増え続けています。
北棟側の東京駅方面は少し首をのばせば見れます。撮影は難しいので写真はありません。
全体を見た様子です。吹き抜けの一部が階段状になっており、座りながら景色を見られます。
無料で入れるとのことで相当の人数が来ていました。展望台というわけではなくあくまでオフィスの1フロアなので、私みたいな物好きのビルマニアしかいないと思ったら大間違いでした。17日で閉めることにしたのもおそらくあまりに観光客が寄ってくるからでしょうね。
最後は虎ノ門ヒルズ全体の様子です。250m級タワマン2棟と300mオーバーのオフィスのスケール感がお分かりでしょうか。
左のレジデンス完成で森ビルの集大成ともいえる超巨大プロジェクトが竣工しますが、実はさらなる超巨大開発があります。左に見える泉ガーデンを手掛けた住友不動産と合同で66階と70階の超巨大ツインタワーを建設します。
いかがでしょうか。東京は超巨大プロジェクトがあちらこちらでうごめき、街全体が怪物のごとく動いています。次回は名古屋編に戻ります。
コメント
東京スゴイ!!
と言いたいところですが、地方から吸い上げた人、モノ、金で成り上がった街なので当然ですね。
有事や富士山爆発、地下直下型地震などあればまさしく戦中の一億玉砕ですよ。
政治、経済、文化、情報(マスコミ)を手中に収め、地方を見下ろす。
そんな東京も海外からの観光客からは中国の上海のが都会で進んでいる。と言われる始末。
若者を吸い上げ、出生率が日本一低い。
よほど名古屋、大阪のが住みやすく魅力あるよ。