丸栄の親会社である興和は、11月12日から丸栄本館の建物解体に着手すると発表しました。工期は2020年3月までを予定しているようです。
丸栄は栄を代表する百貨店でしたが、売り上げ不振により今年6月に閉店。建物解体後、北側の国際ホテルなどと一体開発され、新たな商業施設として生まれ変わる予定です。
こちらは先週くらいに撮影した丸栄本館です。もうまもなくこの姿は見られなくなります。
さて、少し前の興和のインタビューで、丸栄跡地は10年から20年程度の暫定利用を見込んでいるという情報が出ました。しかし仮に20年暫定利用とすると、本設ビルの建設開始は2040年ということになります。そうなれば開業は2043年くらいになり、今から四半世紀も先になってしまいます。
それでも安藤証券が合意するかは分かりませんし、仮に合意して一体開発したとしても、2043年ではリニアインパクトはとうに終わり、本格的な人口減少が始まっています。さすがに20年暫定利用は長すぎではないでしょうか。
また栄町ビル(国際ホテル)やニューサカエビルのテナント契約は2020年頃を期限とし、順次解体するとのことです。ビルを解体すると収益がなくなってしまうため、再開発案が決定するまでは現ビルを維持したい考えは分かりますが、ここは次の再開発に向けて区切りをつけるために、この2020年解体着手というラインは守って欲しいです。
ただ一体開発に越したことはありません。安藤証券との合意をあきらめて、敷地が大きく取れる丸栄と国際ホテル跡地だけ(ニューサカエビルやその奥の雑居ビルは放置)ですぐに本設のビルを建てるべきかというと、これも微妙です。
この方針ならば、それなりに大きな建物を2027年リニア開業までにつくることが出来るでしょう。しかし興和はキャッスルプラザやナゴヤキャッスルの建て替えも予定しています。この2つの計画を進めつつ栄で大規模再開発を行う体力が、果たして興和にあるでしょうか。
名古屋企業としてやる気があるのは素晴らしいですが、あれもこれも手を出して全てが中途半端になってしまったら元も子もありません。ここはよく考えて計画を進めてもらいたいと思います。
現実的な案としては、暫定施設はせいぜい5年程度にし、その間に何とか合意形成を目指すべきです。その間はキャッスルプラザとナゴヤキャッスルに投資します。この2つの開発が終わった時点で本設ビル建設に移行。これは合意が形成できてもできなくても移行です。といってもここで合意できないのは残念すぎるので、何としてでも合意してほしいところですが。
これからは栄の将来を占う丸栄再開発の展望と共に、解体工事を定期的にレポートしたいと思います。
コメント
興和1社ではとても体力がないと思うので、同じ栄に本社を構える「カゴメ」とか「中部電力(中電不動産)」あたりにも協力してもらうのも1つの手だと思います。
もしくは東京の「森ビル」あたりなら名古屋進出に適していると思います。
一体開発に反対していた安藤証券の会長さんが最近亡くなったそうなので、もしかしたら事態が好転するかもしれませんね。
今年1月10日に安藤証券の会長さんが88歳でなくなっている記事を毎日新聞のサイトで見つけました。
安藤証券としてもあそこにいつまでも居座っていてもしょうがないと思います。
本当にふざけすぎです
街の価値を破壊する地権者
正直、興和単独では到底、この再開発は進捗しないでしょう。
10~20年の暫定施設運営なんて聞いた事がありません。新規ビルに住居スペースを設ける構想みたいですから、三井や三菱地所等の大手デペとの共同事業体で事業展開しない限り、一薬品会社の手に負える開発事業ではないという事と、これまでの交渉経緯や現安藤証券社長も反対派である事から、何年待とうが進捗に変化はないでしょう。
等価交換交渉が無理ならば、逆にスカイルやNOVAを含めた土地を取得し、先ずは丸栄共々再開発するという攻めの一手を講じるのも有りですが、興和単独では資金体力は先ず100%無いでしょう。
又、興和社長の構想案は何十年後に東京ミッドタウンのような建物が完成しても、話題性も新鮮さも無いという事。
プラスそれまでの間に、リニア特需による外部投資意欲も薄れ次期リニア開通予定であり、IR事業誘致当確な大阪へと旺盛な投資が移行する事でしょう。
オフィス需要も、名古屋駅の名鉄ビルの大型再開発等で空室率の低下もある程度落ち着く可能性もあります。相手任せによって再開発時期を遅延させる事で、千載一遇のチャンスを逃す結果にならなければいいのですが。
本当に栄の再開発は遅いな。確定するまで発表しなきゃいいのに。そのうち駐車場の街になりそうだ
興和の社長曰く、暫定施設に高額な投資や高層棟は建設しないと公言されてますので、何をコンセプトに集客を促し、10年以上保たせるのかが不安ですね。
あの界隈が再開発によって栄に再度、人の流れを生み出させようとしている時期に、旧丸栄のように商業、流通の流れを無視したコンセプトで開業したら最悪です。
中日ビルや大丸の再開発のおこぼれでも狙って、当面は他人の褌で相撲を取るつもりのでしょうか?
興和の再開発は結局、期待外れに終わりそうな雰囲気も出てきましたね。
キャッスルプラザは明治安田生命の所有で2021年3月契約切れとともに閉鎖の予定だった気がします、その後興和が買い取る予定だったら別ですが。
どなたか正確な情報をお持ちでしたら教えてください。
キャッスルプラザは毎日グループの「ナゴヤキャッスル」が運営していましたが、2013年に興和がホテル事業の強化を目的として、それまで筆頭株主だった毎日新聞から買収しています。ですので、興和グループ傘下かと思われます。名古屋観光ホテルも同様です。