6月30日、丸栄が完全に閉店しました。最終営業日の昨日は朝から大勢の客が訪れ、店内は大賑わい。そして営業終了予定の午後7時になっても人の波は引かず、店の中も外も閉鎖を惜しむ客で埋め尽くされていました。ようやくシャッターが下ろされたのは午後8時近くのことで、これをもって丸栄は75年(前身の呉服店から数えると400年余り)の歴史に幕を下ろしました。
私は最後の瞬間に立ち会えなかったのでそのレポートはありませんが、今日丸栄周辺を歩いてきたのでいくつか写真を載せたいと思います。
日曜の昼間ですが、シャッターは下ろされたままです。このシャッターが開くことはもうありません。
建物の外に張り紙がありました。丸栄は地元資本で「地域密着」と言う言葉が本当にあっていると思います。「お客様と共に歩み75年」という言葉も本当に重みを感じます。
閉店は非常に残念ですが、これも時代の流れです。現在は百貨店業界は「冬の時代」と言われます。ネットショッピングが台頭し消費生活のあり方が多様化した今、地方資本の中途半端な店は生き残れません。だからこそ大手の百貨店は積極的な再編に乗り出し、巨艦店化や専門店化で差別化しています。
丸栄はその道を選びませんでした。地元資本らしい地域密着。一時期は渋谷のギャル路線で攻めたこともありました。しかしそれらの作戦もネット登場と業界再編の流れには太刀打ちできませんでした。
私はこれが悪いことだとは思っていません。一つくらい独自の道を進む地元密着の百貨店があってもいいと思います。結果的にこのような形となりましたが、跡地には商業施設ができる予定なので、再び賑わいは戻ってくるでしょう。
その跡地の利用、これが当ブログの最大の関心事です。読者の皆様も同じかと思います。
興和は丸栄解体後、国際ホテルの街区と共に一体開発を目指しています。しかし問題となっているのが右に見える安藤証券です。よく見ると看板が新しくなっています。いつから新しくしたのかは知りませんが、看板の刷新は「この建物と土地は渡さないぞ」という意思表示のようにも見えてしまいます。
いつも「一体開発を・・・」ばかり書いているので、今回は跡地にできる商業施設のビジョンを考えてみます。これから中日ビル含め栄の再開発が本格化します。栄のまちづくりではよく「名古屋らしさを出していこう」などと言われますが「名古屋らしさ」とは何でしょうか。私はこれがよく分かりません。むしろ実体のない「名古屋らしさ」という言葉にとらわれすぎて、再開発が停滞したり街の新陳代謝が滞ったりすることのほうが問題だと考えます。
東京にあるような商業施設ができると栄の魅力は下がるでしょうか?そんなはずはありません。いつまでも再開発が進まず、老朽化した建物が並んでいるほうが魅力が下がります。現に興和は跡地の再開発について、東京ミッドタウンをモデルにすると言っています。必要以上に「名古屋らしさ」にこだわるのではなく、スピード感を持ってプロジェクトを進める。これこそが栄復権の鍵だと思います。
丸栄の建物解体は9月から始まります。まだ建物外観を見ることはできるので、写真に収める方は今のうちです。
最後に丸栄、今まで本当にお疲れ様でした。そして新しくできる商業施設が丸栄と同じくらい、いやそれ以上に愛される施設になることを願って、記事を終えたいと思います。
コメント
丸栄、本当にお疲れさまでした。もう二度と開くことのないシャッター、辛い寂しさがあります…。で、安藤証券の件、全くなんなんでしょうねえ。ムサシになりたいのでしょうか。残念でなりません。昨日の丸栄閉店を間近で見て、安藤証券はどう思ったんでしょう。もっと地元に愛されるように、地元に貢献しようと思ったのでしょうか。私には分かりませんが、一体再開発を行うことは、安藤証券にとっても大きな一歩になるはずです。ぜひ一体再開発を行ってほしいです。
安藤証券のせいで再開発が遅れるかもってニュースもありましたし安藤証券は名古屋の癌ですね
本当に人の迷惑かえりみず
潰してやりたいと思う人は沢山出てくると思います
丸栄お疲れ
丸栄跡地再開発に関しては、三井北館同様に一部地権者との交渉がまとまらず悪戯に再開発が遅れていく感があります。であれば、一体再開発ではなく丸栄跡地に暫定施設など建設せず、集客力のある本格的なテナントビルを建設するべきかと。名古屋という場所は、暫定施設を建設する事で再開発が著しく延期になる可能性が極めて高い街です。興和も2020年目安でキャッスルホテルをランクアップさせた高級ホテルへと建替える宣言をし又、名駅エリアのキャッスルプラザの建替えも控えています。とても資本をそこまで再開発に短期間で集中できる体力があるとは思えません。その為の、暫定施設かもしれませんが・・・それと、いつまでも放置されている丸栄に隣接する明治屋跡地と横のコインパーキングの開発もして欲しいものです。繁華街にあのような廃墟ともいえる古ビルやパーキングがあることだけでも、街の勢いを感じる事ができず魅力に欠け、人の導線が途絶えてしまいます。新陳代謝は迅速かつ活性化させることが必須です。
丸栄跡地再開発もそうですが、日生栄ビル再開発に大丸が進出、中日ビル再開発と広小路界隈の話題が増えてきましたね。やはり街の活性化は全てに於いて連動していないと、勢いを感じることができません。栄エリアだけでなく伏見エリア、名駅エリアと連動していることで「街を歩く」楽しみと個々の街の個性も切磋琢磨し発揮成長出来ます。又、「名古屋らしさ」を追求する事も訴求する事も大事かも知れませんが、実際それが名古屋の発展に齎したものは何でしょうか?230万都市でありながら、行政も含め動作判断が鈍く、街自体が活性化し、勢いがあるとは思いません。挙句の果てには、市民自ら「遊ぶ場所のない魅力のない街」と諦めに似たネガティブなコメントを口にしてしまう。これが名古屋らしさを追求した結果ではないでしょうか。保守するべき事は保守し、外部からの刺激を先入観を持たず貪欲に吸収する事で、活性化されるのです。朽ちたものは早急に排除し、新たな息吹をそこに迅速に吹き込む。これを今まで出来なかった名古屋風潮、東京と大阪の真ん中という立地で得られる利点が現状の名古屋を創り出した可能性すらあるのでは。いい加減「名古屋らしさ」などと言う根拠のない呪縛から解き放たれるべきかと思います。でないと近い将来、東京・大阪の巨大二極化と福岡・札幌に抜かれるだけでなく本当に魅力も勢いもないいち地方都市になってしまうのでは。それぐらいの危機感が必要だと思います。
名古屋のまちづくりはここのページにやって来る人たちが行うべきです。それの方が大都市になります
まぁ東京ならってコメントよくありますけど東京がそのミッドタウンが結構時間かかってたり八重洲再開発なんかはかなり揉めてたので名古屋だけってわけじゃないんですけどね
区画再開発が時間を要しても実行実現出来るかが問題です。それを実際、東京や大阪が実行実現させています。それも遥に進化を遂げ、再開発するだけでなくコンセフトを明確にし、より街の魅力を引き上げる事で、ラグジュアリーホテルの進出や鉄道インフラ整備、周辺エリアの再開発の機運を誘発させています。手本に値する都市があるのなら、当然であり、しない理由など見当たりません。そういえば福岡が、世界最大のオンライン旅行会社である米エクスペディアグループと観光振興に関する連携協定を締結したとの事。世界75カ国以上で事業展開する同グループのネットワークを活用し、特に欧米系の訪日客誘致に繋げ、中国や韓国等のアジア諸国に偏っている現状から、連滞在期間が長く消費も旺盛な欧米先進国の観光需要の取り込みに繋げる試み。日本では京都、兵庫県が提携しているようだが、このような試みが浮かばないのが名古屋市長であり、名古屋がアピール下手と言われる所以ではないでしょうか。
江戸川区のマンション開発 横浜駅西口の規模縮小しかり首都圏でもある
地元だから悪い所に目が行きやすいんだろうけど何かある度に東京なら〜大阪なら〜
建築年度考えても明らかに単独開発がされそうなとこも一体化がどうこうというコメントばかり
神戸の再開発ブログや札幌の駅前再開発で名鉄のビルを例に挙げられ羨ましがられてましたし隣の芝生は青いとはまさにこの事なんでしょうね 勿論大規模ビルが建てられるに越したことはないんですが
江戸川区とか神戸とか札幌はそうでしょうね。一体再開発が可能であれば街のインフラも魅力も向上する可能性があるのでは有りです。ごちゃごちゃ小規模なビルばかり建てても企業もテナントも使いづらい。規模の縮小はごく一部であり、横浜はそれ以上の再開発案がある。人口も多いが、再開発案が洗練されている。
横浜駅西口開発ビル計画」地上30階、高さ132.268m,当初の計画では地上33階、高さ約180mこれくらいじゃない? 首都圏は絶対数が多いからな。名古屋が少なすぎるのは隣の芝生どころではない。誰が見ても、外部からの投資意欲が見られないのと、他都市のような街を活性化させようとする勢いや意欲が薄く、行動が鈍いのは否めない。
ひとつ言っておく。
再開発案件が少なすぎるにつきる
名古屋のやる気のなさにはウンザリですね…
もうあの安藤証券の若造は完全に土地を手放すことは無さそうなので署名なりなんなりした方がいいんじゃないでしょうか…。このまま興和が一対一で交渉を持ち掛けても一切聞く耳を持たず、むさしの二の舞になってしまうと思います。
そりゃ、署名活動ができるもんならやりたい
反対派の署名活動ばかりは不平等。金山再開発とかも含めて。
署名活動の場合、どこに提出するかが問題で、安藤証券に提出することになると思いますが、安藤証券は無視すると思います。
“多くの人が再開発で栄の活性化を望んでるのね。知ってるよそんなこと。でも私の土地だからお察し。以上。”
となるでしょう。となれば、市に一体再開発をスムーズに計画するための旗振り役を作るように、署名活動して、市に提出する方が、今後のことを考えても現実的でしょう。
あの名古屋市長では行政を束ねる事は無理でしょう。実際、議会や職員とも四面楚歌ですから。興和の社長も時代が変わらなければ・・・と言ったのは現名古屋市長や行政では変革等は到底無理だと言ってるのでは。実際、名古屋経団連も前から旗振り役が不在である事が、名古屋の再開発のありかたを不透明にしていると発言されていましたね。名古屋の賑わいがないのは、飲み屋横丁みたいなものが無いからと平然と言ったあの市長ですから。東京ぴあの編集長も失笑してました。