建て替えが進められていた広島駅ビルが3月、遂に完成しました。そして8月上旬には路面電車の乗り入れを開始。この広島の駅ビルは個人的にとても興味を持っていました。今回はその様子をお伝えします。
まずは外観です。横長の堂々たるビルです。おおむね50m以下ですが左に見え散るホテル棟もビルに含まれ、100m弱あります。一番左に見えているのはJPビルで、こちらも100m弱です。JRの駅ビルと郵便局の建て替えが隣り合うのは名古屋も同じですね。
路面電車はビル中央部分に乗り入れ、左下の開口部にビルに対して垂直に入っていきます。手前に見えているのは地上駅のころの線路設備です。今後撤去されることでしょう。
それではビルを紹介していきます。1階はバスターミナルになっています。かなり上質な出来になっています。
かつての広島駅ビルは相当ボロいビルで、以前は路面電車も旧型が多かったため、駅を降りると昭和の風景となっていました。それが建て替えで平成をスキップして令和になったと言えます。建て替え前の様子はこちら。上の写真と見比べてみてください。

これが広島駅ビルの真骨頂です。4層吹き抜けの大空間に路面電車4線の電停を設置。これはすごいですね。路面電車の発着が面白く、いくらでも長居できると思いました。
そして天井や床材、サインシステムも洗練されています。最初に降り立ったのがこの姿というのは観光客にも好印象でしょう。大都会広島を印象付ける空間です。
この吹き抜け、実に素晴らしいと思いました。JR西日本は駅そのものをエンターテインメントのように感じる施設をつくりますね。大阪駅ではあの大空間、京都駅は大階段、そして広島駅の目玉がこれです。次の三宮駅はどんな仕掛けを出してくるでしょうか。
路面電車も以前と比べて連接タイプの新型車が増えました。グリーンムーバーと呼ばれるシリーズは未来的なフォルムで、新駅ビルとよく似あいます。
商業施設は「ミナモア」と呼ばれます。映画館も入っています。そしてホテル棟もあり。都市に必要な施設がこの建物にそろっています。
そしてこのビルのもう一つの特徴は屋上庭園です。このあたり商業施設「ミナモア」に対して「ソラモア」と呼ばれます。
そしてこの大階段から見ると真正面に路面電車のルートがよく見えます。このルートの開業によって路面電車は通過する信号が少なくなり、都心とされる八丁堀や紙屋町への時間短縮につながっています。定時性が弱点の路面電車ですが、それをカバーする新ルートなのです。
そしてこの屋上庭園はめちゃめちゃ広いです。想像の5倍くらいありました。花壇やベンチはもちろん、テニスコートやイベントができる大広場(ポケモンの遊具がありました)まで。とても充実しています。
そしてここからは広島駅前再開発のBブロック、Cブロックの両タワマンを間近に眺めることができます。後述しますが広島駅周辺のビル群はまだまだ進化中であり、ここからの眺めも見ごたえのあるものになりそうです。
再び戻ってきました。3階には路面電車の発着を眺める休憩スペースがあります。繰り返しですがここにいるだけも楽しいですね。
横から見た様子です。インバウンドの姿もよく目につきました。ビル内に路面電車が乗り入れるこの珍しい姿の写真を撮っている人も多かったです。
この発着場が既設コンコースの延長線上にあるという配置も見事です。広島駅の改札を出ると長いコンコースに出ますが、そこから南方向を見ると遠くに停まっている路面電車が見えます。訪問者に路面電車の存在を印象付ける計算された配置です。
ここからは周辺の再開発を見ていきましょう。広島駅周辺は150mを大きく超える2つのタワマンを筆頭に100m級のビルが何棟か建っていますが、それがさらに増えます。
まずは広島駅ビルのすぐ東側にできるアパホテルのタワーです。110m級の高さがあります。観光客の多い広島で需要があると判断されたのでしょう。
余談ですがアパホテルってパースが独特ですよね。全国各地こういう感じだと思います。専門のパース業者がいるんでしょうかね、
そして少し離れますが二葉の里エリアと呼ばれる再開発地区には34階建てタワマンが計画されています。オフィス棟もあります。
実は駅ビルはまだまだ工事中。既存の地上駅撤去とともにデッキの整備が進んでいきます。そして上記のように周辺の再開発も進行中。広島駅はまだまだ進化していくことになりそうです。