プラウドタワー名古屋錦はタワマンを核とする都心の複合再開発です。住居機能メインですが、スーパー、駐車場棟、商業施設などの機能が集積しています。
このあたりの都心はかつて繊維で栄えていましたが、近年では空洞化している地域もあり、再開発により活気を取り戻そうと組合が立ち上がりました。そしてビルが建設された現在は、以前より明らかに人通りが増え、賑わいの創出につながっています。
住所 | 中区錦二丁目7番地 |
高さ | 110.680m |
階数 | 30階 |
敷地面積 | 3,715.50 m² |
建築面積 | 2,394.15 m² |
延床面積 | 45,069.28 m² |
竣工 | 2022年 |
建築主 | 錦二丁目7番地区市街地再開発組合 |
設計 | 日本設計、長谷工 |
施工 | 長谷工 |
全景です。マンションは30階・110.68mの規模です。高齢者向け42戸(アトラスリベルタ名古屋錦)と野村の分譲住宅360戸が入居します。
共用施設としてはライブラリーラウンジ、スタディールーム、ゲストルーム、スカイラウンジ、屋上テラスがあります。規模に見合った充実した設備かと思います。
左手前側に見えているのは駐車場棟です。1階にはスーパーのタチヤが入り、このあたりの食品スーパー需要の受け皿になっています。
低層部の様子です。以前は駐車場や老朽化したビルしかなかったのでほとんど人がいませんでしたが、店舗が並びずいぶん雰囲気が明るくなりました。
またこの界隈では「錦二丁目エリアマネジメント株式会社」が活動しており、賑わいを生み出す社会実験や周辺の人々を巻き込んだワークショップなど、再開発と連携した動きが活発です。ビルを建てて終わりではなく、継続的なエリマネによって街全体にプラスの効果が波及しています。
こちらは街区の中心の「会所」と呼ばれる部分です。江戸時代の街をヒントにつくられたオープンスペースで、店舗を配置したりキッチンカーが来るなど、交流を生み出す仕掛けがあります。ただマンションを作るだけだとそれほど賑わいは生まれませんが、ここは街を活性化するお手本のような再開発だと思います。
低層部の店舗群は「オリマチ錦」と呼ばれています。繊維の「織る」から着想を得ていると思われます。いい名前です。
会所を中心として十字状の通路が街区を貫いています。マンション住民でなくとも通行することが可能です。
空洞化を食い止める立派な再開発となったこの物件ですが、周辺はまだ駐車場も多く残っています。そのためこのように全景をきれいに収める箇所があります。
ちなみに当初の予定では41階・150mの予定でした。延床面積も若干当初より減っています。そこだけ少し悔やまれますね。
最後は日銀越しのプラウドタワー名古屋錦です。110m級ともなれば大通りから一本入った場所でも十分目立ちます。
丸の内駅は徒歩3分、伏見駅も徒歩5分程度とアクセスも便利です。都心ライフをするなら有力な物件でしょう。ただし上層階は億ションとなります。
プラウドタワー名古屋錦は、ただマンションを建てるだけでなく、周辺の賑わい創出にも成功した高品質な再開発です。都心の住居系開発のあるべき姿として、これからも街を引っ張る存在であってほしいと思います。