このままで大丈夫?名古屋の将来を考える

今回は久しぶりの考察記事です。先日新聞を見ていたらとある記事が気になりました。せっかくなのでその記事を紹介しつつ、名古屋のまちづくりについて日ごろ思っていることを書きたいと思います。

その記事とは日経新聞の「河村市政9年 見えぬ『リニア後』の名古屋 (リニア時代へ変わる名古屋)」です。個人的にこの記事はいろいろ考えさせられるものがありました。

まず副題「リニア時代へ変わる名古屋」が当ブログ名を意識したようなタイトルではありませんか。・・・というのは冗談です。こんなブログにそんな影響力はないし、それはどうでもいいですね。

しかし主題の「見えぬ『リニア後』の名古屋」の方はどうでしょう。これは結構深刻なことではないでしょうか。つまりこれはリニア開業が迫っているのにもかかわらず、名古屋の将来ビジョンは見えてこないということです。私も、今の名古屋はリニア開業とは裏腹に、まちづくりが停滞していると思います。

記事内では昨年まちびらきしたささしまライブへの地下通路の問題が取り上げられています。この通路は、予定では2013年に着工、今頃はとうに完成しているはずですが、いまだ着工すらしていません。

記事によると、ささしまライブの関係者はいつまでも工事が進まないことに憤りを感じているようです。しかし河村市長は「地下道に人を歩かせるより地上を歩いた方がいい」と言って、地下通路の建設に後ろ向きになっているとのことです。さらに市長は地下通路ではなく「ロープウェーはどうか」というような非現実的な案を語っているとのことです。

確かに地下よりも地上の賑わいがあったほうがいいのは間違いありません。しかし名駅~笹島間を歩く人は日中でもかなり多く、ラッシュ時は完全にキャパオーバーです。地下通路のほうが信号や天候に左右されないメリットもあります。

ここで私の意見です。私は地下通路より地下鉄を提案したいと思います。

ロープウェーよりもっと非現実的じゃないかと思われる方もいるかもしれません。しかしこれは真剣な提案です。

引用 ウィキペディア 名古屋圏における高速鉄道を中心とする交通網の整備に関する基本計画について

都市開発が好きな方はご存知だと思いますが、これは名古屋圏で整備すべき鉄道網についての答申です。これを見ると赤の重要路線は、上飯田線の都心部延伸と東部線新設以外、全て整備されているのがわかります。

現在でも東山線の混雑はひどく、ラッシュ時は輸送量不足気味です。現状2分間隔で運転しているためこれ以上の増発はできませんし、ホームは6両分しかないので増結もできません。東部線はこの混雑を緩和するために計画されている路線です。

そして起点に注目してください。笹島になっていると思います。私の案はこれを名古屋駅まで延伸し、ささしまライブへのアクセス路線とするものです。図ではあおなみ線と相互直通運転するように見えますが、そうではなく新路線は名駅通の地下とします。

あおなみ線は名駅から競馬場やポートメッセ(または逆)といった距離のある地点への輸送がメインです。名駅でわざわざ乗り場の遠いあおなみ線に乗り換え、一駅だけ乗ってささしまライブへ行く人などほとんどいません。そのためアクセス路線としては機能しておらず、笹島は陸の孤島に近い状況です。

これができれば名駅や笹島から大須、矢場町、名古屋大学(または逆)などに乗り換えなしで到達することができます。ささしまライブへの立派なアクセス路線になります。東山線を中心とする他路線の混雑緩和にもつながりますし、新たな需要を掘り起こせるかもしれません。

車社会と言われていた名古屋でも近年ではマイカー使用率が低下気味というデータもあります。都心のタワマンが増えてきたのも車を必要としないライフスタイルが定着してきたからでしょう。

そして何より名古屋は今後も成長できる都市です。リニア開業、アジア大会など大きなイベントも控えています。かつて万博や空港のときには名城線環状化、あおなみ線、上飯田連絡線、リニモなどが整備されました。次の大きな波に合わせて再び交通網を整備していくべきではないでしょうか。

もちろん費用は多額です。しかし他都市を見てください。東京はもちろん、地方都市でも仙台の東西線開業、福岡の七隈線延伸といった地下鉄整備が目白押しです。去年にはなにわ筋線のプロジェクトも動き出しました。

いかがでしょうか。私は地下鉄建設は十分検討すべき課題だと思っています。

記事の後半には再開発の進捗が遅い名古屋の事情について書いてありました。その中でも市のOBが「東京と異なり、名古屋は土地を持つ強力な民間デベロッパーが少ない。行政が前に出なければまちづくりは進まない」というコメントをしているようです。

全くその通りだと思いました。東京では三井、三菱、森ビルなどが猛烈に再開発を進めています。ではそういう強力なデベロッパーが少ない名古屋はどうすればいいか。まさにこの方の言うとおり、行政が前に出なければならないのです。

三井北館街区はその典型ではないでしょうか。行政が介入し再開発をまとめなければなりません。超一等地があんな無様な開発でいいのでしょうか。私は正月にそのような記事を書きました。暇な方は合わせてご覧下さい。

再開発における行政の役割と容積率緩和を考える

3月に入って様子を見てきたら、予告どおり大塚家具が閉店していました。ついに着工まで3か月を切ってしまいました。もう時間がありません。行政は直ちに再開発に介入し、一体開発への旗振り役をすべきです。

私は、名古屋市は危機感がなさ過ぎると思います。確かに要請率緩和やアセス緩和など、最近の行政は以前よりはまちづくりに力を入れているような気がします。しかし実際の都市間競争はそれを上回る速度で激しさを増しているのです。もっともっと力を入れていかないと負けてしまいます。

名古屋市の今年度予算案に3つの方針が示されていました。そのうちの1つに「強く大きな名古屋をつくる」とありました。しかし今の様子を見ていると、全く逆の方向へ進んでいる気さえします。

まちづくり関連の予算を見ても「~を検討する」のような、何も言っていないに等しいような文言が並んでいます。リニアまでは9年です。もう検討している場合ではないでしょう。9年などあっと言う間に過ぎます。

遅々として何もできずにリニア開業を迎え、プレゼンスが低下してしまった弱く小さな名古屋を、私は見たくないのです。

ささしまライブの地下道問題から始まり、鉄道網、再開発、予算案などさまざまな面で名古屋の問題点を見てきました。これらに共通して言えるのは、とにかく名古屋は危機感が足りないということです。もっと周りの都市を見て真剣に課題に取り組まなければなりません。

当ブログによく来られる方はそういった危機感を少なからず持っている方が多いと思いますが、一般の方にも名古屋の置かれた状況と課題をもっと知って欲しい、そんな思いで記事を書きました。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

コメント

  1. 匿名 より:

    私も地下鉄東部線は絶対に整備するべき路線だと思います。

    笹島近辺では名駅南一丁目23番街区(再開発推進協議会発足済み)やNTT都市開発が大きな土地を所有している(現在劇団四季に貸している)名駅南二丁目11番街区、更には今年で築44年目となる住友生命名古屋ビル
    、その他にもZepp跡地などがあります。これらの場所はいずれも笹島交差点から近く、新線が建設されることになれば一気に再開発も進むものだと思われます。

    また、計画通り大須観音や矢場町、東山公園に路線を通せば名古屋の観光のほとんどをこの路線で賄える上、名古屋大学以東の近年住宅地の密集が著しい星ヶ丘あたりを通るため東山線のバイパスとして十分に機能するはずです。

    建設しろなどと言うつもりはありませんが、現時点で対した再開発計画のない東山線の柳橋駅を新設するのではなく、笹島への導線、大須観音や栄南地区などの地域の再活性化、更には名古屋大学を始め多くの学校や住宅地の密集する星ヶ丘以東のバイパスともなりうる東部線は必ず検討されるべきです。

  2. 匿名 より:

    名古屋のベッドタウンで、著しく人口増加のある長久手エリアに地下鉄が走っていないこと自体が不思議です。

    名古屋市行政と名古屋市交通局の先見の目と、計画性の無さには呆れる限りです。

  3. aa より:

    名駅からささしまライブまで歩いて行ける距離だろ。
    あの距離でわざわざ地下鉄なんて乗らない。
    地下鉄は地下まで降りる距離あるから近場までだと不便なんだよ。

    • 匿名 より:

      はい?名駅と笹島を繋ぐなんて一言も言ってないんですが…

      笹島と大須観音、栄南地区、名古屋大学以東の住宅の密集地に通すべきと言ってるんですよ。

  4.   より:

    個人的には矢場町-大須観音-笹島-名駅を瀬戸電の延伸で担ってほしいと思ってましたが東部線も良いですね
    ただ笹島に地下鉄駅が出来ても恐らく地下街で名駅と繋がっちゃうから
    みんな地下街歩くんじゃないかな
    あと栄と大須の繋がり強化のために矢場町駅は高架下に置いてほしい

  5. MIRAI より:

    いつも情報ありがとうございます。ささしまライブへ交通の意見ですが、私は名鉄及びJR中央線の新駅建設が良いのではと思います。ささしまライブ東の辺りに新駅を建設してはどうでしょうか?とくにJRは尾頭橋まで空白なので。